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 本書はタイトルの通り、著者がジャーナリズムのウソに切り込み、秘密とは誰にとっての秘密か?と問題提起し、報道の本質に迫る内容。

 小見出しと内容をピックアップすると

 ・「正義」のイヤらしさ
  では、もっともらしい御託を並べて核心に切り込まない新聞を批判し、

 ・スクープかフェアネスか
  では、『サンダンカン八番娼館(山崎朋子)』『自動車絶望工場(鎌田慧)』といった事例を取り上げ「取材のためならどんな手を使ってもよいか」と警鐘を鳴らし、

 ・足利事件ーー誰が捏造したのか
  では、警察庁の科警研が用いた「MCT118法」がいかに問題の多い分析法かまくしたてる。

 以上、一部を取り上げてみたが、いずれも著者の豊富な読書がバックボーンであることは言を待たない。何せ、1年間の本代(資料代)が500万円は下らないという著者のこと(^^; その紡ぎ出す内容には重みがある。

 私も含め、一般の読者にはとてもそこまでのお金も時間もないが(^^; 日垣隆をキュレーターとしてフィルタにかけてもらうことで、ムダな投資(イヤ、本当にムダかは議論の余地があるが)をせずにすむ。

 例えば本書の一節。同じ著者の『刺さる言葉』からの引用だが、
 「謝罪(反省)には3つの要素が絶対的に必要だ。1.謝意を誠実に表明すること、2.失敗に至る経過を詳しくそのつど説明すること、3.償いをすること、である。1だけだと思っている組織は、誠意がないと思われ、トラブルは拡大してゆく。」
 確かに、2.そして3.はおろそかにされがち。特に3.をしっかり行うことは「恨みを代々までもち越さないための智恵」という下りは目からウロコ。

 文章が読みやすく、新書ということもあり移動時間にぱぱっと読めてしまう。

 報道に?を感じている、マスコミを見ているとイライラする、といった方は一服の清涼剤にどうぞ。

秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)
日垣 隆
幻冬舎


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