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先日のエントリで感想をアップした『スカーペッタ』ですが、ネットワークをかじっている身としては見過ごせない点があったので突っ込んでおきます(^^)。

天才ハッカーであるケイの姪ルーシー。彼女は若くしてソフトウェアでひと財産築いた億万長者なんですが、コンピュータスキルを活かして尊敬する叔母、ケイの調査に協力します。

で、容疑者のメールを調査していてIPアドレスから本人を特定するというお約束の調査はあるんですが、よもやMACアドレスまで登場するとは(爆)
その一例。
「何か録画されるたびに、その映像をメールで誰かに転送してたってこと。これからその誰かさんのアカウントにお邪魔する予定。IPはモラレスのなのよ。MACアドレスもモラレスの。しかもどっちもscarpetta612のと同じ」(下巻 P312 ルーシーのセリフより)
こんな表記が何箇所か出てきます。ベントンまで「MACアドレスは?」なんて聞いてるし(^^;

MACアドレスはデータリンク層で利用される物理アドレスで、イーサネットなどの宛先アドレスとして利用されている情報です。
アドレスとは名前がついていますが、ハードウェア製造時に付与される製造番号で、世界的にユニークな番号となるようルール化されているため、通信相手(機器)を識別する情報として利用されています。

ただあくまでもデータリンク層のアドレスですから、同一セグメント内の通信に限定的に利用されIPアドレスのようにルータを越えることはできません。

メールのヘッダー情報を見たことある方ならご存じのようにMACアドレスなどという情報はメールをいくら調べても出てこないのです。

 コーンウェルはかなり調べて書くタイプの作家ですから、はったりをかましたりするとは思えません。ましてやこんなネットワークの基礎的な部分では。
 とすると、適切なアドバイスをするブレインが居なかったと考えるのが妥当です、残念ですが(^^;

 私なら声かけして頂ければ喜んで協力いたしたんですけどね(爆)


【関連エントリ】
『スカーペッタ』パトリシア・コーンウェル

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