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タイムマシン 特別版

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 短い言葉で人の興味を引きつけなければいけないという「大人の事情」は分かる。それでも、この映画が大好きな自分にしてみるとこの紹介はあんまりだ。こんな扇情的な言葉で語られてはこの映画がかわいそう。

 ベースはSFの古典的名作、ジュール・ベルヌの同名小説。
 恋人を眼前で亡くした天才科学者が4年の歳月をかけてタイムマシンを発明し、恋人を取り戻そうと運命の日に遡る。が、またしても恋人を救うことはできなかった。「過去を変えることはできないのか」胸中に芽生えた疑問を解決しようと彼は未来へ向けて時間を旅する。彼がそこで目にしたものは・・・。という話。

 この作品の見どころは3つある。
 ひとつは主人公の魂の気高さ、一途さ。一般的には恋人を殺した犯人に復讐心を燃やし、眼前の敵を倒す方向へ情念が向かうだろう。しかし彼は大きく回り道をしてタイムマシンを発明し、過去を書き換えることで事態を解決しようとする。この主人公の性向は後半でも存分に発揮され、良質な物語の背骨となる。
 ふたつめはスケールの大きさ。後半は思いもよらぬ展開になり、「ウソ!こんな映画だったの?!」と期待を裏切られ、心中で叫ぶ瞬間が訪れる、はずだ(^^; 例えば自分的にはシュワちゃん主演の「イレイザー」がそうだった。サスペンスを期待して見にいったんだけど、いつのまにかバイオレンスアクションに(^^; だが、ご安心を。「タイムマシン」はきちんと、正攻法で決着をつけてくれる。
 そしてみっつめは圧倒的な映像表現。どれだけ新しい映像を見せてくれるか、っていうのは映画の楽しみのひとつ。19世紀のテイストを出しつつ説得力を持ったタイムマシンのデザインは見事だし、未来へ旅していく時の映像表現は圧巻。他にも随所でSFXが光る。
 そしてエンディングはこの映画のラストとして、これ以上ないくらいに感動的で美しい。

 だから「80万年後(秘)美女」のみを楽しみにご覧いただいても、そういう映画じゃないんだよね(^^; 間違った印象の方向付けで「見ない」「つまらなかった」となるのだけは残念。

 なお、DVDには不採用になったオープニングが収められている。確かにテンポに欠け魅力的な導入にはなっていないものの、この作品が好きな方には一度見てほしい。主人公の立ち位置、そして一途さがよく出ている。


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