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 1ヶ月近く続いた激務から解放され、久々に週末休みを取ることができました。
 予定では溜まったビデオの消化を目論んでいましたが、書店で平積みになっている『新宿鮫』と遭遇(^^;
 今日一日、共に過ごすことを即決しました\(^^)/
 出たばかりのハードカバーを買うなんて、最近では珍しいことです(^_-)

 結論から言うと期待を裏切らず面白かった。☆☆☆☆☆レベル。
 今まで読み継いでいる物語で、登場人物に感情移入してるというのもあるけどね。

 出たばかりでさすがにネタバレはアウトだと思うのでちょこちょこっと感想のつまみ食いを。

 事件の始まり(とは思えない感があったが)は、出所者が恨みのある警官を殺すために拳銃を入手したがっている、という情報を鮫島が掴むところ。この辺りの描写は犯人、走査線に浮かんでくる情報をバランスよく描いており自然と物語の世界へ没入できる。
 特に、露崎という情報提供者は薬の売人として年季が入っており、警察に簡単には協力しないのだが、若いヤツのドジを見逃してもらうという条件で鮫島に協力するあたり、描き方がうまい。こんな設定でもなければ、有力な情報筋は手に入らないからね。
 で、露崎に「チャカが手に入らないか」と持ちかけてきた大男も、途中までずっと大男と描写されて名前が明らかにされない。そのうち鮫島が聞き込みを行った人物が続けて殺される。その度に手がかりが消え、その一方で新しい線が浮かび上がってくる。緊張感を持って読み進めることができる。
 この大男も魅力的に描かれている。とにかく信念を曲げない。信念を曲げないことがより多くの災いを呼び寄せることに繋がる辺りは、「個人と組織」論の関係で我が身に置き換えてみる向きも少なくないのでは。

 最近の警察小説には多いパターンだけど、犯人側の事情も多く語られることで、読後に余韻が残る。

 事件の進行とクロスする形で、鮫島を軸とする人間模様も浮かび上がる。
 恋人の晶、上司の桃井、鮫島との因縁で警察を辞めた香田・・・

 で、一番気になっていたのは鮫島と晶の関係。最近疎遠になっていたからね。

 ふたりが自ら選び取った道ではなく、必然的に状況、組織の理論に選ばされた感はあるけれど新局面へ。
 警部(鮫島)と人気ミュージシャングループのリーダー(晶)では、共に過ごす時間やプライベートが無いことで、二人の関係が危険水域に近づきつつあったことは事実。が、今回のドラッグ事件でことを穏便に収めるために、関係が破局していたと報道発表した。

 大人の解決法。

 今後どうなっていくんだろう? つか、今後もあると信じたい。
 二人とも自分に正直に生きるタイプの人間だから、陰でこっそりという展開はほぼ無い。で、どうなるの? と。
 フィクションながら応援してやりたいよね。

 不条理なラストではあるけれど、それも新宿鮫の味わいです。

 次作はいつになるのかなあ(^^;

絆回廊 新宿鮫X
大沢在昌
光文社


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