2016年にホームページの「巡礼」の項で彼岸花について、友人の横田朗吉氏の写真の協力を得て真赤な彼岸花の咲いている場所について紹介しました。
お彼岸の京都東本願寺の大法要も規模縮小・時間制限があり今回は不参加といたしました。そこで池田市内の散策に出かけ伝承のある場所へと出かけました。
その折に池田市の西部を流れている猪名川に架かる「絹延橋」近辺まで足を延ばしました。
この橋は国道176の終わりで、橋を渡ると兵庫県川西市になります。橋を渡らず川に沿って国道173を取って進むと丹波亀岡方面に向かいます。
私は「絹延橋」に向かう池田市内の旧能勢街道を進み、途中で右折して「西光寺」というお寺に入りました。本堂の前に大きな百日紅の木が紅い花をたわわににつけていました。本堂に沿って庫裏に向かうとその入り口に「白い彼岸花の一群生」が咲いていました。
私はこの年まで「白い彼岸花」見たこともなく、文書でも人からも聞いたことはありませんでした。早速写真に収め、絹延橋に向かい、猪名川の土手に向かいました。土手に登る道端に「赤い彼岸花」と「白い彼岸花」を見ました。これも写真に収め帰宅しました。
娘に「白い彼岸花」初めて見た。あの花形は似ているが彼岸花かな?と話すと「白いのもオレンジ色のもあるよ!」とこともなげに言います。そしてインターネットのコピーをくれました。それによる内容を要約しますと次のようです。
秋の田畑や墓地に真赤に燃えるように咲く花と同じく白い彼岸花が咲いている場合があります。白い彼岸花は赤い彼岸花の仲間の1種で「シロバナマンジュシャゲ」という種類なのです。
白い彼岸花の学名は「Lycoris albiflora」、属名はヒガンバナ科ヒガンバナ属と言います。白い彼岸花は「シロバナマンジュシャゲ」という名前のほかに、学名から取った「アルビフロラ」ともよばれます。
「根の特徴」
彼岸花は多年球根植物で種をつくらず球根だけで増えてゆきます。この球根には毒性物質があります。彼岸花の球根の毒性は、食べると即死するほどの強さはないが、嘔吐、下痢を引き起こします。
■赤い彼岸花と白い彼岸花の違い
違い①生息地は九州
彼岸花は日本全国に生息しているのと違って、白い彼岸花は主に九州に自生しています。九州では群生して咲いていることもありますが、関東地方で白い彼岸花を見かけることは、とても珍しいことです。
彼岸花は中国から渡来して日本で咲くようになったと言われています。
違い②
赤い彼岸花は原種ですが、白い彼岸花は交配種で、この点が大きな違いです。
白い彼岸花は、赤い彼岸花と黄色い彼岸花のショウキズイセンを交配してできたものと言われています。
赤色と黄色を交配して白色になるのは不思議ですが、これは遺伝子の白化変種と言われ、植物の花の色の遺伝子にはこのような変異が表れることが多いのです。
違い③白い彼岸花は弱い
白い彼岸花は赤い彼岸花と比べると繁殖力が弱いというところも大きな違いです。
赤い彼岸花はとても強いのでどんどん増殖して、あちこちでよく見かけますが、白色は弱くて数も少ないので、めったに見られない珍しい彼岸花と言われているわけです。
いわゆるよく見かける赤い彼岸花は秋に茎を延ばし、先端に花を一輪咲かせます。花が咲き終わったら、晩秋から冬にかけて葉が出ます。
■彼岸花の名前の由来や意味。
彼岸花は、非常に多くの別名を持っていることも特徴です。1000種類以上の別名を持つと言われています。これは昔から人々の生活に身近な花であったという証と思われます。
*「彼岸花(ひがんばな)」
呼び名としては一番なじみのある名前で、その開花期が由来です。
花が咲く時期が丁度秋のお彼岸の頃なので「彼岸に咲く花と言う意味から命名されたものと思われます。
*「曼殊沙華(まんじゅしゃげ・まんじゅしゃか)」
曼殊沙華は、宗教が由来の名前と思われます。曼殊沙華は仏教の法華経に出てきます天界の花のことです。サンスクリット語で「まんじゅしゃか」は「赤」という意味があり、彼岸花が赤いことから、サンスクリット語で「赤」を意味する曼殊沙華と言う言葉が名前の由来になったっものと思われます。
*「死人花(しびとばな)・地獄花(じごくはな)」
死人花(しびとばな)・地獄花(じごくばな)は、死のイメージが由来です。彼岸花は田畑の畦道のほかに墓地でも多く見かけます。又秋の彼岸が来るとあちらこちらで咲き出します。このように「死」のイメージが強いことから死人花・地獄花と言う不吉な名前が付いた由来とされています。
*「毒花(どくばな)・痺れ花(しびればな)」
毒花(どくばな)・痺れ花(しびればな)は毒性をもつことが由来です。彼岸花の球根には、毒があります。そこでこのはなを食べるといけないという忠告の意味を含めて、毒花・痺れ花という名前がつきました、
*「狐花(きつねばな)・狐の松明(きつねのたいまつ)」
狐花(きつねばな)・狐の松明(きつねのたいまつ)は、花の形が由来と思われます。彼岸花の長いしべはキツネの髭のようにもみえます。昔から、キツネやタヌキは人をだますという言い伝えもあるので、魔訶不可思議な雰囲気のある彼岸花にキツネのイメージが重なったものと思われます。
*「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」
葉見ず花見ず(はみずはなみず)は、植物としての特徴が由来です。彼岸花の花が咲く頃は未だ葉がでていません。葉がでるのは花が咲き終わった後です。そこで葉と花を一緒に見ることがないことを意味する「葉見ず花見ず」という名前が付けられましたのです。
*「その他に在る別名」
雷花(かみなりばな)、剃刀花(かみそりばな)、捨子花(すてごばな)、天蓋花(てんがいばな)などがあります。また地方によって「大分県(いっときごろし)」、「鳥取県(うまのしたまがり)」等の珍しい呼び名もあります。
■花言葉の由来
赤い彼岸花の花言葉は、「華やかないみあいのもの」と「逆にマイナーないみあいのものの」と両方があります。「情熱・再会」は赤い色の印象からの花言葉で、「独立」は1本の茎をのばして真直ぐに咲く様子からの花言葉でしょう。その反対に「諦め・悲しい思い出」は彼岸花そのものの不吉なイメージからの花言葉と言えます。
白い彼岸花の花言葉は「また逢う日を楽しみに」という花言葉は、彼岸花は花さくときには葉が無く、葉が出るときには花が無いというすれ違いの意味を持ちます。
「白い彼岸花」の群生地をご紹介しておきます。
*石川県金沢市の香林寺
「願掛け寺」としても著名です。例年9月下旬~10月には白い彼岸花が咲くことで有名です。お寺の庭園一面に咲く白い彼岸花は、日本最大級の規模で参拝客が訪れます。
*福岡県築上町の不老長寿山 正光寺
*奈良県明日香村・国営飛鳥歴史公園
ここの白い彼岸花は自生のものではなく植えられたものですが、関西で沢山の群生が見られる場所として有名です。
■「結び」
高校時代から「生物学」関係のことは受験勉強の科目選択に入れておらず、年を経て、益々勉強することをなおざりにしてきた欠陥知識を知らされました。残る人生はもう少ないと思いますが、幸い学んでいる放送大学を足がかりに「植物学」も視野に入れて学んでみようと思いました。