2019年3月の宝塚ホテル以来、コロナのために開催できなかった同窓会が、やっと2022年10月20日(木)11時30分 から関学会館「翼の間」で開くことができた。いつの間にか、われわれは88歳。杖つき組も多くなったが、快晴の秋晴れの中、写真に見られる21人が集まった。
参加者は写真前列左端から、宮石、岡(東京)、恋田、林、石原、森本、岡田、第2列左から、谷崎、木谷、横井、木村、大林(米国)、松井、長久、第3列左端から、五十嵐(東京)、山本、今田、岡本、田辺、戸沢、石丸(東京)総勢21名。88歳の米寿というのに、元気でよくぞこれほど集まれたもの。
早い人は10時半には到着。この写真の左側に設けられた受付で資料の入った袋を名札(後々かなり役立った迷子札?)つきで受け取り、写真撮影のために準備された数脚の椅子に座り始める。受け付けは恋田、林の両君。参加者の到着で人数が増えるに伴って椅子の数を増やしていったところ、定刻の11時半頃までには全員が受付前に輪になって集うことになり、図らずも非常に自然な交流と親睦の場となった。思うに、この自然な団欒が、今回の非常になごやかな最後の同窓会のベースを作ったように思う。ちょっと交通妨害になったかもしれないが、会館の職員のご理解とご協力に感謝である。
定刻になって最初に行ったのがこの写真撮影。と最近2本杖から解放された岡君。宮石君を除き最前列は皆さん杖の世話になっている者ばかり。写真撮影後、この階段の左の通路の先にある「翼の間」に移動。開会。
進行は、万事きめ細かくこれまでの準備万端ととのえてくれた我らのボス、木村君。近況の簡単な説明後、前回から今回の間に亡くなった9人の仲間
高木 芳治 2020年4月28日
丹生 恭治 2020年7月31日
魚谷 良和 2021年11月18日
梶 弘明 2021年6月11日
篠木 孝典 2021年9月28日
藤井 浩 2021年11月22日
山崎 誉雄 2021年12月6日
岡本 敬一 2022年8月?
船越 諭 2022年10月5日
の氏名が死亡日とともに紹介され、合計72人の物故者を偲んで黙祷を捧げた。卒業したのが136人だったので、分かっているだけでも半数以上が天国に召されたことになる。亡くなった72人全員の写真がA4一枚に印刷された位牌のような資料を見ながら、一同が故人を偲んだ。
ひき続き、アメリカから遠路このために参加した大林君による開会の祈祷、続いて今田(筆者)による乾杯でもって宴が始まる。会場設営は、かなり大きな「翼の間」の中央を貫く形で一列にテーブルと椅子が設置されていたので、全員が向かい合って顔が見え、しかも移動しやすいゆったり回転椅子だったため、宴の進行とともに、自由に立って各所で思い思いの交歓の輪ができたことが良かったと思う。進行者による指名スピーカーは、今回は2名のみ。東京の同窓の様子紹介を五十嵐君が、そして退職後13年間もオーストリアに単身で渡り、博士号を取得した岡君のオーストリア滞在談。その後は全く自発的、かつ尻取り的に発言が相継ぎ、途中には昭和13年デイックミネが歌って流行した「旅烏3人男」の激唱まで飛び出す、自然になごやかな流れで会は進行。あっという間に会場を明け渡さねばならない2時を迎えることになり、谷崎君の閉会の辞で会を閉じた。閉会に先立ち、司会の木村君による谷崎君の叙勲の紹介があり、皆で拍手で祝った。と同時に木村君の事務局としての仕事を常にきめ細かく下支えしてくれた谷崎君への感謝の言葉が木村君からあり、谷崎君からは事務局をよく守っていつも西宮から関学まで送迎してくれた木村君に対する感謝があった。
閉会後、開会前に撮った集合写真と、今回の同窓会の直前に緊急入院した加藤君からのいつものパンツのお土産を手に退場。
余韻、断ち難い思いの半数以上の会員はその後レストラン・ポプラに席を移し歓談。all in all すべて最終回に相応しい会となった。これからは、10月の最終木曜日の11時から、駅(多分西宮北口)に近い場所を世話人が選び、それを連絡して、以後案内がなくとも、毎年この日のこの時間にこの場所に集まれる者は自由に参加する形式となった。次回は来年10月26日で場所の連絡は後日行う。
最後に、乾杯の音頭をとった私が、乾杯にあたって我々のこれからの人生に望んだことを述べて本稿を締めくくる。「日暮れて道遠し」という言葉がある。これは老年期を迎えたのに、新月から満月を目指して頑張ってきたがなかなか満月への道は遠いという意味で、これはこれで意味深いが、「日暮れて」が暗い。私はそれよりも、藤沢周平の「日残りて昏るるに未だ遠し」が好きである。そこで、昏るるに未だ遠いわれわれのこれからの人生が、校歌「空の翼」にある、「風」の爽やかさ、「光」の明るさ、そして「力」に満ち満ちたものであることを祈念して「風!光!力!乾杯!」と私のリードに呼応して一同で声を合わせ乾杯をした。
閉会の前に校歌「空の翼」1番、3番を歌う予定であったが、それを忘れてしまった。しかし「空の翼」の中に歌い込まれている、関学3原色「風、光、力」を、皆で元気に発声できたことは、計らずも校歌の一部を歌ったことになった。
次回を楽しみにしましょう。