FUNAGENノート

私の考えたことや、読書から学んだことを伝えます。
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最近の話題から

2018-09-27 14:41:06 | コラム
最近の話題から
 私の8月6日のエッセイ(ブログ)に、韓国の方からコメントを頂きました。たいへん嬉しく、また光栄に思いました。その時のタイトルは「『地球と人間』のケアに基づく国作り」(読書ノート)でした。日本語のあまり得意でなさそうな彼が、「日本語で書かれ出版された本をなかなか読むことが出来ず残念です。私はこのエッセイを翻訳機を使ってよんでいますが、すべての先入観を排除して老紳士の深い年齢の知識に多くのことを学んでいます。」(ちょっと彼の言っていることを日本語らしく翻訳(?)しました。)という趣旨のコメントです。
 私のエッセイがこのように、外国の方に読んでもらい、コメントを頂くことは、大変嬉しいのです。なぜって、私の「読書ノート」は、もちろん私の考えもいれての、厚い本の紹介になっています。ですから、もっと若い学徒に読んでもらい、それをきっかけに本物の著書の読書に是非向かっていってもらいたいという願いがあるからです。
 話は変わりますが、最近の出来事で注目したのは、新潮社の雑誌「新潮45」問題です。この本だけでなく、この種の雑誌(世界、中央公論、文藝春秋など)は、国民の読書離れによって、発行部数が激変しています。そんな中で、ウヨクに目をつけたのが「新潮45」だったらしいのです。それで、杉田水脈氏の例のLGBTは「生産性が低い」という論文を掲載し、発行部数の拡大を狙ったのでしょう。しかし、多くの批判にさらされて、今度はこともあろうに、編集局長としての判断でしょうか、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特集を組みました。確かに、発行部数は増えたようですが、それがまた、多くの批判を受けることとなりました。おまけに内部の編集者からも批判が出されたといいます。そして、その結末は新潮社社長の謝罪、「新潮45」の休刊となりました。
 こういうことが起こるのも、本を売らなければという発想がもとにあるからでしょう。そこには、思想よりも商売が優先するという問題がかくされています。本来でしたら、杉田論文があってもいいでしょうが、それに対する反論も掲載し、読者に判断を仰ぐことを求めることが必要なのでしょう。それが出版社の使命でしょう。政党や団体の機関誌ではないのですから。言論の掲載を生業とするこの種の雑誌の使命は、いろいろな考えを掲載し、国民に議論の輪を広げることではないでしょうか。それが言論の自由の意味でしょう。
 とうぜん、編集者として気を使うこと、それは別にあると思います。それは、上の例と次元の違う話ですが、以前曾野綾子氏がこんなことを言っていました。「びっこの椅子に、座りながら・・」と書いたら、編集者からそれは困ると言われたそうです。これは、現代の趨勢からすると当然かもしれません。よく、昔のTV番組や映画を録画して観ていますが、必ず最初に、「作品の中に不適当な言葉がありますが、ご了承ください」という趣旨のことが書かれています。最近は、使ってはタブーの言葉はたくさんあります。私など昔の人間ですから、時々使ってしまい、あわてて修正することは良くあることです。特に障害のある方、外国の方の呼び方など、差別や偏見に結びつく言葉は、今はタブーとされています。
 また、また話は変わりますが、先日「プリズム塾」というグループの朗読会がありました。その中には「かぼちゃの中の金色の時間」(太田治子作・彼女の献立帳より)や「メロン」(向田邦子作)、「はじめて見えたたくさんの事」(山口花作・犬から聞いたすてきな話)など、考えさせられること、自分の体験とあわせて見えるものなど、多くのことを考えさせてくれました。カボチャの料理については、お母さんのカボチャの料理が忘れられない息子、それを聞いた嫁と姑の料理についての対話、「メロン」ではクラブやキャバレーの「メロン」の高価なこと、果物屋さんのメロンは、そんなにしない。それをユーモアを交えて書き綴られています。私も心当たりがあり思わず笑ってしまいました。「はじめて見えたたくさんの事」は、会社人間である旦那と奥さん、奥さんの家出というひょんなことがきっかけで、夫とペット・ダックスだけの対話が始まり、夫が会社人間から抜け出す話どなどなど、具体的な例を話題にしながら、そこには日本の抱えている問題がみえてきます。このように具体的な出来事を通して考えさせられるエッセイの書き方もあるのだなとつくずく思いました。また、読む方々の朗読がまたすばらしかったと感心しました。
 それからみると、私のエッセイは少々理屈っぽいかなとも思います。でも、またそれはそれでよしと思って、これからも書き続けます。今回はとりとめもない話になりましたが、お許しください。最後にもう一度、韓国の私の読者に心からお礼を申し述べ終わりにします。
追伸
 本日(9月27日)わかった話ですが、北海道新聞9月2日号の片隅の「本の森」というコーナーに私の著書「戦中・戦後世代から現代を見つめる」が紹介されていました。ありがたいことだと思っています。



「戦中・戦後世代から現代を見つめる」(船場幸二著・風詠社)税込みで1、512円です。アマゾンや楽天、紀伊國屋ネットなどで扱っています。アマゾンですと、船場幸二で検索しますと、私の本の写真が出てきます。ネット販売苦手の方は、息子さんや娘さんにお願いしてみてください。よろしくお願いします。




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