FUNAGENノート

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人手不足というけれど

2018-12-13 19:55:09 | コラム
人手不足というけれど
 レストランやコンビニなどの店員、土建・建設関係、運転手、介護ヘルパーなど、人手不足はいくらでもある。少子高齢化のためだと言う人もいるが、それだけではないように思う。高学歴社会(決して学力があるわけではないが)となったことと、非正規雇用が常態化して、アルバイト的な仕事が増えたことによって、だれもこれから将来にかけてとは行かず、敬遠されることとなる。そこで、出てきたのが外国人の受け入れ緩和とする入管法の改正法案だ。
 しかし、結構ぶらぶらしている若者は多い。ニート族(全国に65万人から70万人ぐらいいると言われている)やひきこもりも結構多い。80・50問題(80歳の親と50歳の息子や娘)も大きな課題となっている。こいう人たちをどう支援し、仕事につかせるかが問題だ。
 それにしても、職業として、アルバイト感覚の非正規雇用では、しょせん仮の仕事でしかあり得ないから、やり手がいなくなるのは当然だ。しかも、一応大学を出ているというプライドもあるだろう。
 昔は、農家の次男三男や娘たちは、町へ出て働いたものだ。それも商店の丁稚奉公や、寿司屋の弟子になり将来は職人として、あるいはのれん分けをしてもらい、自分の店を持つことができた者もいた。工場の工員になり、少しずつ昇級していった。しかも、現代は外国への工場移転によって、働き手は必要なくなった。そういうわけで状況がすっかり変わってしまった。
 人手不足を外国人に補ってもらうというのは、対症療法にすぎない。それよりも、店員でも、社員でも将来が約束されるとなれば、どんな仕事でも就いていいとなるのではないだろうか。
 それぞれの仕事には、生きがいを得る魅力は存在するものだ。店の店員でも、お客への対応、商品についてのアドバイスなどいくらでもある。お客との応対で、商いがうまくいくこともある。だから単純なものではない。問題は腰掛けとしての仕事ではなく、もっと腰を据えてあたる仕事にするように考えなければならない。
 ところが、最近気づいたことだが、店員の態度がどうも気になる。それは、いったいこの人は客に買ってもらうという気概を持っているのだろうかと疑いたくなる。客に対して、言葉が少ない。ある品物がどこにあるかを聞いたのだが、無言でPCで検索し、無言でわたしに手渡した。
 現在の若者は責任のある仕事を敬遠する傾向にあることも問題だ。それが、バスの運転手や保育士、介護士などの不足につながっている。また、汚い仕事は敬遠される。農家のなり手がいないのもそのためだ。土建業や建設業もそうだろう。昔、ブルーカラーと言われて、ホワイトカラーは彼らブルーカラーを上から目線でみていた事を思い出す。
 多分、昔はホワイトカラーになりたくて、大学へ行っていたかもしれない。しかし、誰もが大学へ行ったわけではない。ところが、今はほとんどが大学へ進学する。そして、かつてホワイトカラーと言われていた仕事につこうとする。そのために、ブルーカラーの仕事を敬遠する傾向にあることも一因としてあるだろう。
 本当はそうではなく、どんな仕事も尊いのだが、非正規雇用というアルバイトで間に合うようになってしまったことも手伝って、敬遠に拍車をかけることとなったのだろう。そして、そいう仕事を外国人にやってもらおうとしている。
 そうではなくて、もっと人材育成に目をむかなければならない。例えば、自動車大学、介護大学とかを作る手もある。とにかく人材養成が必要なのだ。今問題なのは無職でぶらぶらしている若者、ひこもりの若者をどうするのかである。そういう人たちのケアに目を向けることなく、人手不足を外国人にたよるというのは、その時良ければ良いという発想の権化である。


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