小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

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道央気まぐれない列車 18 寝台特急「北斗星」を一生遊ぶ その2

2015-03-17 00:00:08 | それゆけ乗り鉄トラベラーズ
こちらの記事の続きであります。

さて、列車の運行は今のところ極めて順調、苫小牧の手前で、1回目のディナーの案内が食堂車よりなされたので、嫁さん共々、服装を整えてやおら出陣。
市場価格よりかなりお高い値段設定とはいえディナーのフルコース、デニムなどで出かけるのはさすがにはばかられたので、嫁さんはスカート履き、あたしもしっかりチノパンあたりに着替えて、いざ食堂車へ。

フルコースというだけで、食堂車へ向かう足取りは、右足と同時に右手が出るような緊張感w

列車の食堂車と言うと、僕が記憶にあるのは新幹線の食堂車。
というのは、小さい頃岡山に住んでおり、遠方へ出かけるにはまず新幹線利用と相場が決まっていたため、母方の実家の埼玉県川口市へ出かけるときは東京まで出かける際は、食堂車をよく利用していた記憶が蘇る。
その頃は食堂車利用は当たり前のようであったのだけれど、当時は記憶の中にあっても1970年代後半、よくて1980年代前半であり、その頃は食堂車自体が斜陽といわれて久しい時期でもあり、列車での食堂車利用といえば、この頃あたりで記憶が途切れるのは致し方ないことであろう。
僕が最後に列車の食堂車を利用したのは、1994年2月、九州旅行から帰る「さくら」の車内で、それすらも実は「食堂車利用」と言えるかどうかは微妙なところ。
というのは、この頃の「さくら」の食堂車は、食堂車の体をなしておらず、車内販売担当の係員が、それこそ「レンジでチン」という按配で軽食も売るという形式でわずかながらに生き延びていた時代で、僕も小腹が空いて、牛丼を600円で頼んでテーブルで食べた記憶があるのだけれど、当時の食堂車の内装とあいまって、妙に寒々しかったのを覚えている。
これがもう1、2年前なら、しっかり食堂車にクルーが乗り込んで食堂車の体をなしており、「走る居酒屋」の雰囲気を存分に味わえたのに…とも思う。

懐かしいねえ。
「北斗星」の食堂車は、26年前に乗った「北斗星6号」でも堪能しており、当時中学2年生だった僕には、おフランス料理の雰囲気など楽しめるであろうはずがなく、格安で並んでいたビーフシチューコースの3000円の料理を楽しみ、それでもm割の席を埋めた仲間のフランス料理フルコースに付き合えば、あっという間に1時間、2時間を越えたような気がする。

時代が時代なら、食堂車へ行けば、この列車に乗り合わせた「名士」が食事を取っていたのだろうか。
故宮脇俊三翁「時刻表昭和史」の一節、「当時の名士は食堂車で食事を取るところを見せるのがマナーの一つであった」云々という一文を、ふと思い出す。

カウンターで名前を告げると、2人席に通される。
相席だったらどうしようとか考えたけれど、予約制なのでそういった心配は不要のようである。

4人席で宴席を囲むというのも、また乙なもの。



テーブルにはメニューが立てかけられている。



まずは食前にサッポロクラシックを所望。
いくら食堂車とはいえフランス料理を堪能するのだから、「ぶはあああああああああああああああああああああ」などといってはいけないw
いや、言ってもいいんですw
それなりに雰囲気があればw



だめですよ、部屋で北斗星の列車の揺れに何杯も引っ掛けた後というのをおくびにも出しちゃw
このときのために洋服も余計に持ってきたんだから(´・ω・`)

酒と列車の揺れで、食事が始まる前にかなり酔ってはいるのだけれど、それにもまして車窓はもう冬。
二重窓になっている食堂車の窓が、早くもあちこちで曇り始めている。
これは車内に人が増えて暖かくなってきたというより、外気が相当冷えている証拠であろう。
苫小牧からは海際を走るはずなのに、車窓の線路際や、車がめったに通らない道路からは雪が消えない。

酔いに任せて他のテーブルを見ていると、まようことなくワインのボトルをいれ、2人で分かち合うジャケットをお召しの二人連れの夫婦などもいらして、「汽車旅を優雅に楽しむには、これくらいの場慣れが要るのか」と目からうろこ。
ビールなんぞで満足していてはいけない。
ワインをボトルで楽しんでナンボだろ。
僕がこのジャケットの紳士のレベルに達するには、どれほどの場数を踏めばよいのだろう。

そんなわけで、まずはオードブルから。
海の幸とグリーンアスパラムースのサラダ仕立て。



魚料理は、真鯛のポワレ、2種のソース。



この辺でビールが足りなくなり、もう一杯入れちゃうw
このペースだったら、2人でワインのボトル1本入れてちびりちびりと楽しむのも手なのかな。
なにせこの辺は26年ぶりなんで(´・ω・`)←

一息入れてメインディッシュ。
牛フィレ肉のソテー ポルトソース



デザートはスペシャルガトーの盛り合わせ。
パンと珈琲がつきます。



きがつけば、あっという間の1時間。
ゆっくりくつろぎたいところだけれど、2回目のディナーの時間帯が迫っており、このあたりはなかなかくつろぐわけにもいかないというか、本当にくつろぎたいならパブタイムを狙え…といったところか。

この北斗星のディナーは8500円もするので、同じ8500円を払うなら、近場のホテルのレストランならもっといいものを食べられると毛嫌いする向きも少なからず存在するというけれど、これはもう、高いだの安いだのという価値観の問題ではなく、移動している列車の中で、酒を楽しみつつ食事を取る空間と時間に対する対価の問題なのである。
移動する空間で食事とお酒を楽しむことが出来るのは、この「北斗星」の他には「カシオペア」、或いは「トワイライトエクスプレス」以外には、JR九州の超豪華列車「ななつ星in九州」、或いは列車内の食事それ自体に特化したしなの鉄道「ろくもん」や肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」くらいでしかなく、移動空間の中の対価と考えれば、決して高い金額というわけではあるまい。

本来ならこうした雰囲気は21時30分からのパブタイムでこそ味わえるのだろうが、すっかりフルコースを堪能してしまい、お腹も膨れてしまった。
行きたいのはやまやまだけれど、パブタイムは諦めざるを得ないのかな。
まあ、明日の朝食もあるしね。
朝食は朝食で並ぶらしいけれど、絶対に食べてやるw

念のため、パブタイムや明日の朝食に並ぶルールを再度確認。
食堂車は7号車。
僕がいる8号車ではなくて、6号車ロビーカー寄りに並べばいいのね。



列車の酔い、食堂車の酔いにまかせ、足取りもおぼつかずに、自室のある8号車ツインデラックスの部屋に戻ることにする。

(※以下続きます。)


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