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(有)遠藤測量設計事務所の「人生は上々だ!」

静岡県内で土木測量設計にたずさわる技術者のブログ

急傾斜地崩壊対策工法について(その2)

2014-01-15 23:54:57 | 土木技術について

先日は「急傾斜地崩壊対策工法」について、
ご質問・回答内容の詳細をブログ掲載させていただきましたが、
そのなかで別途、追加のご質問をいただきました。
(いつもご覧いただき、誠にありがとうございます)

つきましては前回に続き、
そのご質問に沿って「急傾斜地崩壊対策」について書きたいと思います。
ご投稿いただきました技術者の方には、たいへん失礼かと思いますが
転記させていただき、本日の記事にさせていただきます。
(ご了承願います)

ではさっそく、追加のご質問から・・・・

・・・質問(転記 はじめ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 1枚目の写真をみますと、手前側が砂利の空地になっているようです。
  この右側に保全人家があるのだと思いますが、
  もしも人家がなく空地でしたらその区間は擁壁は必要ないということになるのでしょうか。
  例えば、
  危険区域の幅が100mの長さで設定されていたとします。
  斜面に張り付いている人家が4メートル離れていて、
  人家と人家の間には4メートルの道路がとおっているとします。
  そうした場合、擁壁はこの4メートルの区間は必要がなくて、
  100mの連続した擁壁ではなくて50mと46mの擁壁を作ればよいのか


② 教科書的な資料を見ましたら、
  待受け擁壁は崩壊が発生したときに土砂を受け止める抑制工で、
  もたれ擁壁・張りコンクリートは斜面の末端を抑えることで
  斜面崩壊を発生させないための抑止工と書かれているものがありました。
  今回の張りコンクリート擁壁の設置目的は、
  抑制工と抑止工をあわせもったものという位置づけになるのでしょうか。
  別な言い方をすると、
  張コンクリート部はアンカーで止めているので、
  斜面下端を抑えて崩壊現象自体を発生させない抑止工だと思っていました。
  しかし、待受けポケットもあるので、抑制と抑止の両方の効果を見ているものなのかと思いました。
  この場合の考え方として、
  下端を抑えて崩壊現象を抑止しているのに、さらにポケットも確保しておかないといけない
  のはなぜか?と思った次第です。

・・・質問(転記 終わり 一部加筆 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


この質問に対し、次のように答えました。

・・回答(はじめ)・・・・・・・・・・・・・・
では質問①から回答します。

質問は、「民家がない部分(道路)が路線の途中にあるけど、
        その部分は擁壁を造らなくていい?」
 ってことですね。
民家の配置状況や連続性によりますが、
ボクの経験上、答えは「NO」です。
また、
市道も事業計画のB/C(費用対効果)に含まれてくることもありますので、
安易に連続する擁壁を切る(空ける)ことは難しいです。
当計画の重力式擁壁の写真では擁壁が切れていますが、
管理管轄の関係で「工事できない」個所(区域外)だったからであり、
ホントは道路(交差点)でも擁壁は連続設置すべき個所でありました。
(やむを得ず切ました)

   
(ご質問のあったケースの参考例。対策工擁壁は危険区域から出られません)

  
(ご覧いただきたいのは市道交差部。ご質問のケースと一致しますが擁壁は連続しています)

次の質問②。
「斜面下端を抑えて崩壊現象自体を発生させない抑止工だと思った」の件。

こちらの張コンアンカーの主な設置理由を簡単に挙げます。
 ・ 斜面崩壊を起さないように1次崩壊(浅層すべり)を止める(崩れないようにする)
 ・ 斜面上(残斜面)からの崩壊土砂を捕捉して受け止める
 ・ 落石災害を防止する(落石跳躍量H=2.0m)


たしかに、ご指摘のように
斜面法尻にモタレ式擁壁などの「カウンターウエイト」を置くことは、
地すべりや斜面防災などで「斜面全体を安定させる」効果になります。
しかし、急傾斜地崩壊対策事業の場合、
もちろんその効果も「崩壊しないようにする」目的では一致しますが、
メインは
「もし崩れてきたときには崩壊を受け止め、
  できるだけ時間を稼いで住民を避難できるようにして人命を守る」
ことが1番の目的であるとボクは解釈しています。
ですから、
「下端を抑えて崩壊現象を抑止しているのに、
  さらにポケットも確保しておかないといけないのはなぜか」の件、
急傾斜地崩壊対策事業では、
 ・ 崩壊を防止すること!
 ・ でも崩壊しちゃったときはちゃんと待ち受けて、落石・土砂災害を擁壁でブロックして人命を守れ!
のリャンハン(二面)縛りを満たさなくてはならないからです。

このことから、同じ地形・斜面の対策工でも
「斜面防災事業の設計」と「急傾斜地崩壊対策事業」の設計で構造物の大きさが違ってくる理由です。

・・・回答(終わり 一部加筆)・・・・・・・・・・・・・・・・・


わかりやすくするために、今回のご質問をちょっと言い換えてみます。
そして、あらためてご回答させていただきます。

質問①
「路線中、(道路を含む)保全人家が無いところは擁壁を造らなくてもよいのではないか?」

質問②
「モタレ式擁壁や張コン(アンカー)など、法尻にカウンターウエイトを造って斜面安定している
(崩れなくしている)のに、それでも崩壊土砂補足ポケットを確保している(する必要がある)のはなぜか?」


あらためて回答します。

回答①
急傾斜地崩壊対策は地形(斜面単元など)ある程度まとまったエリアで設定します。


     (急傾斜地崩壊対策の手引きより抜粋)

そして、ご質問の「人命に係る保全人家がない区間はどうするのか?」ですが、
以下のことに留意して「擁壁を連続させるのか?」「切るのか」を決めます。
 ・ 斜面を崩壊してくる「土砂なだれ」は法尻に落ちると30°で拡散し、
   ガケ高H×2(2H)の距離(被害想定区域)まで流れ広がっていくことに留意する
 ・ (斜面から離れていても)30°土砂拡散線(影響線)を引いてみて
                         被害想定区域内の保全人家まで守る
 ・ 通行止で孤立する道路や緊急輸送路、鉄道など重要保全対象物として優先保守する
 ・ 老人ホーム、病院などの弱者施設は重要保全対象物件として優先保守する
   


(危険区域指定の参考例。個人情報等に配慮し加工してますので使用をご了承ください)
(ここで注目していただきたいのは30°土砂拡散線と保全人家、連続する擁壁の関係です
   空き地(畑)なのに擁壁を切っていないのは被害想定区域内の保全人家を守るためです)


(危険区域および被害想定区域の参考図。理想的な待受け擁壁(重力式擁壁)のケース)


(よくある「斜面と人家が張り付いている」例。。。擁壁を前に出せないので
  必然的に背の高い擁壁となります。できるだけ前に出して構造物を小さくしましょう!)

回答②
急傾斜地崩壊対策は道路防災の斜面対策と違い、斜面全体の安定を図るだけでなく
「対策していない(対策できない)急傾斜面(以下、残斜面という)からの
土砂災害も防止しましょう」
という考えがあります。

以下、指針の抜粋です。対策工と残斜面の関係です。


(急傾斜地崩壊対策の手引きより抜粋。
    でも、斜面上面対策済みなのに、斜面下方が対策してないって・・・そんなのありえん)

したがって、
「斜面安定している(崩れなくしている)のに、それでも崩壊土砂補足ポケットを確保する」
必要が発生します。
斜面安定のほかに付加する効果を列記してみます。
 ・ 残斜面からの土砂崩壊(表層崩壊)を受け止めて補足する(下にこぼさない)
 ・ 残斜面からの転石・落石災害を防止する(落石跳躍高=2.0m)

また、
直接、人命に係る対策というのは「万が一」に備える必要があり、
「想定外」は許されないということから
 ・ まずは斜面が崩れないようにする
 ・ (あわせて)もし崩れても受け止めて、斜面直下の人家・人命を守る

とうい二面(リャンハン)縛り計画になったと考えています。

               ・・・・・・・・・・・・・・・回答は以上です・・・・・・・・・・

ご質問いただきました技術者さま、
このような回答でよろしかったでしょうか?
ご質問の内容がズレていませんでしたか?
壊れたレコードみたいに同じこと何回も言って・・・クドい説明ではなかったですか?
そして
またまた説明が(無駄に)長ーくなってしまい大変申し訳ありませんでした・・・
やはり理解力・説明能力不足は否めませんね。
これを反省し、今後も
「わかりやすい」アカウンタビリティをさらに追及していきますので、
どうかご了承願います。



しかし・・・
「急傾斜地崩壊対策」は・・・お金がかかりますよね・・・
しかも、
急傾斜対策事業は道路事業などと違い、個人的・集落限定など地域性が強く
公共性に欠ける事業であることから(工事金の何%の)「受益者負担金」が発生します。
                         (市町村が負担する地域もありますが)

ここで急傾斜対策設計時の心得!
設計者は「頑固で豪華、高度な芸術的設計」ではなく、
伝統・経験・実績を加味した極力シンプルで単純・無垢、時に新技術な
地域に見合った合理的な「安価で最大の効果を発揮する設計」
を心がけましょう!

(過小にならず・過大にならず・・・
  これが難しいんですよね!会計検査に引っかかりやすい事業だし・・・)

このたびは、ご質問いただき誠にありがとうございました。
(ボク自身もたいへん勉強になります!)

ご清聴、ありがとうございました!



急傾斜地崩壊対策工法について

2014-01-09 23:58:09 | 土木技術について

先日、当ブログへ「急傾斜地崩壊対策工法」についてお問い合わせをいただきました。
(同じ境遇の土木技術者の方々にご覧いただき、ありがたく思っております)
お問い合わせ事項については、ボクの経験から私見を述べさせていただきましたが、
つきましてはその質疑事項について、より詳細に(私の)見解を記事にしたく
たいへん失礼かと思いますが転記させていただき、本日の記事にさせていただきます。
(ご了承願います)

(はじめに)
急傾斜地崩壊対策については、従来の標準設計「待受け擁壁工法」(従来法)で
計画・実施されていましたが、
平成18年から国の通達により「衝撃力と崩壊土砂量を考慮した設計手法(土砂法)」
へと改定し全国施行されました。

では、なにが違うのか。以下に列記します。

(設計方針)
従来法
 (1) 標準設計を用いて土圧(土砂地山の場合は盛土部土圧)を考慮・安定確認する
    ※N値<15(Nc値<20)となるような頁岩も「土砂」として評価してます(砂岩は要相談)
 (2) 擁壁高さがH<8mとなる場合は地震時(水平震度0.12~0.24)を検討する
 (3) 落石跳躍量⊿H=2.0mを考慮する
土砂法
 (1)、(2)、(3)については共通
 (4) 衝撃力(斜面をすべり落ちてくる土砂流が擁壁へ衝突する集中荷重)を考慮する
   ※崩壊スベリ円の最大崩壊深はDP≦2.0m(全国事例より)
                    土砂流(hsm)の高さは崩壊深の1/2
 (5) 崩壊土砂量を擁壁で補足したときの上載・背面荷重を考慮する


(急傾斜地崩壊対策工の荷重算定図の例です・・・)


このように、従来法では荷重条件3つのところ、土砂法では荷重条件が5つと増えました。
ようは、
「荷重を追加して安定条件を厳しくしたから(急傾斜で)もう標準設計は使えないからね」
「同じ地形・配置条件でも擁壁が前と比べて大きくなっちゃうけど、ごめんね」
ということです。

さて、本題に入ります(前置き長くてスイマセン)



・・・質問(転記 はじめ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
急傾斜の待受け擁壁で、ポケット量を確保できる最少高さの擁壁だと、安定計算が不可になります。
捕捉量を満足したまま安定計算も満足させるためには、
・高さそのままで天端幅広げる
・高さそのままで下流法勾配緩くする
・高さそのままで斜面から離す
・高さ低くして斜面から離す
というようなことが考えられますが、これらの組み合わせはたくさんのケースが生じます。
最適案というのはどのようにして決定するものでしょうか。

・・・質問(転記 終わり)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この質問に対し、ボクの返答です。

・・・返答(はじめ)・・・・・・・・・・・・・・
ご質問、ありがとうございます。
急傾斜崩壊対策の待受け擁壁の計画ということですね。
(問題)
・待受け擁壁の天端(落防柵)に崩壊土砂補足をした際の上載荷重と通常の擁壁背面土圧の安定ことと解釈します(違っていたらご指摘ください)
※衝撃力もありますのでその件もふまえて・・・
(回答)
●まず、天端へ崩壊土砂が満砂となりますと落防(擁壁天端)へ崩壊土砂の土圧が(試行くさび法)かかります。
そうすると天端に転倒モーメントが発生します。
ですから、擁壁を大きくするよりも、できるだけ堆積高さを低くするため、ポケットを広く確保したほうが有利で安定します(斜面から離す)。
●ポケット確保(斜面からの離隔を大きく)することの利点はもう一つ、「衝撃力」の緩和です。衝撃力は、斜面高と角度で大きさが決まりますので、ポケットを広く確保して、クッション(平場X)を大きくすれば減勢でき、擁壁への衝撃低減=擁壁断面小=施設構造小=工費が安い、となります。(簡単じゃないですが)
(結論)
急傾斜対策では、
◎とにかく斜面から擁壁を離す(擁壁へかかるすべての荷重を軽減する)ことが重要・最適案です。
住宅など斜面から離隔確保できない場合でも、住宅から1.5m離したところのギリギリまで擁壁を前に出し、最大限、離隔を確保することが重要です。

急傾斜対策では、これが最適となる案であるとボクは考えています。
・・・返答(終わり)・・・・・・・・・・・・・・・・・

偉そうにスイマセンでした(ご了承ください)・・・

そこで、「言わんとしたこと」をまとめたものがありますので添付します。
以前、作成した報告書(抜粋)です。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                                       

では参考で
「土砂法」で設計し施工した「急傾斜地崩壊対策工」の実例をご紹介いたします。

設計図面(ケース1)-------------
(待受けの重力式擁壁の場合です)

(重力式擁壁工にて・・・斜面高H=20.3m(補足土量7.1m3/m、斜面角度33°)
  落石跳躍量⊿h=2.0m、衝撃力を緩和するため、衝撃を受ける位置を低い位置にしました)

ほんとは、
もっと擁壁を前に出して土砂補足ポケット確保の斜面切土を小さくしたかったんですが、
この現場の場合、斜面直前が「市道」であったため擁壁は前に出せませんでした。
したがって、やむを得ず斜面を切って土砂補足ポケットを確保・・・
でも、いま考えれば
「崩壊しそうな斜面法尻を切っちゃったら逆にアブねーんじゃねーの?」って思い直してます・・・
 (斜面の安定を考えると確実にマイナスですよね・・・)
 ※このへんについては以前、言及していますので以下を参照・・・
http://pub.ne.jp/kendo/?entry_id=4881850
以後、このへんのことに留意したいと考えてます。

さて、脱線しましたが、話を戻します(笑)

(ケース1)の実際の出来形写真がこちら・・・・




(擁壁の背面はこんな感じ。崩壊土砂を補足する平場(X)のポケットを確保します 
                          ちなみに、緑色の縦帯は通水マットですよ)
            

設計図面(ケース2)--------------
こちらはやむを得ずアンカー(E5-2)を使用しました。

(張コンクリート擁壁工(アンカー併用)にて・・・落石跳躍量⊿h=2.0m、
        斜面高H=30.35m(補足土量9.6m3/m)、斜面角度37°)
   
こちらも同じく斜面直前が「市道」であり、またそれにより落石跳躍量も確保できなかったため
それを満たすため擁壁はH<8mに・・・しょうがない、張コンクリート擁壁(アンカー併用)としました。

(ケース2)の実際の出来形写真がこちら・・・・




(背面はこんな感じ。擁壁が高い=土砂補足量も少さくなる=補足ポケットが小さくなる)


(補足ポケット確保のための斜面切土には簡易吹付枠工(緑化基礎工)をあてたりします)
 ※長大切土法面となる場合は安全率の確認が必要となりますので注意


いやー、今回の記事は長くなってしまいました~スイマセン・・・

技術士試験の「簡潔に(10分で)説明せよ」の口頭試験では完全にOUTですね・・・OTL

尚、
今回のやり方(記事)に
「それはおかしいでしょ?」とか「もっと~したほうがよい」など
技術的なご指摘・ゴベンタツ、議論などありましたらお知らせください。
ボクは「井の中の蛙」ですから、
ぜひともご指導いただきたいと考えております。

ご清聴、ありがとうございました。








身近なところでラウンドアバウト

2014-01-06 23:54:56 | 土木技術について

さて、長くてたのしい正月休みが終わり
とうとう事実上の平成26年がスタートしてしました。

ボクの場合、本日から仕事初めでした。
「ダリーなー、オイ」 「今日は流し流し~」なーんて言いながら出社もつかの間、
本年初朝礼終了後には「電話の嵐」・・・・OTL
やっぱそうなりますよね~、予想通りでした・・・
でもまた今週末は「成人式」で連休なんですけどね。

ところで、ご存じの方もいるとおもいますが、
身近なところで「新しい試み」が実施されます。

ヨーロッパでは一般的な 「ラウンドアバウト交差点」です。
※ラウンドアバウトについては以前も取り上げました
http://pub.ne.jp/kendo/?entry_id=4780737


(焼津市東益津地区で1月16日~2月14日まで実施とのこと。
                        関方交差点ってどこだろな?)

ラウンドアバウトは、信号の要らない、ロータリー式の無制御交差点です。
日本での左側通行では左折して、時計回りにグルグルします。
東日本大震災における無信号期間中の無法地帯の危機感から
クローズアップされるようになったとボクは解釈しています。

以下の特徴があります(思いつきでスイマセン)。

(良い点)
 ・ 一方通行で車両が交差することがないから安全(正面衝突なし)
 ・ 交差点に進入する車両は必ず停止または徐行をするはめになる(だから安全)
 ・ 一旦停止の義務がない=赤信号による時間ロスがない(交差点渋滞の緩和)
 ・ ロータリー円の真ん中をシンボル公園にできる(スペース利用可)
 ・ 災害で停電しても信号ないから関係なく機能する
                                ・・・etc・・・
(悪い点)
 ・ 広い交差点用地が必要である
 ・ 慣れないと訳わからないからおっかない、
     ウチの嫁さんやジイちゃん・バアちゃんには難しいかも
 ・ たぶん、ジイちゃん・バアちゃん逆走してまうな
 ・ AE86とかのローリング族が夜中、ドリフト大会しちゃうかも
 ・ オートバイがハングオンしたくて進入してく・・・(もうやめます)
                                ・・・etc・・・
そこで疑問、
ラウンドアバウトの設計って、どうやってやるんだろうか?
車幅は車道幅員+拡幅量なんてこたーないだろうし、
設計速度に応じた円(単曲線カーブ)設定なんてやらないだろうし。
たぶん、
ロータリー(円)は設計車両の「普通自動車(バス))または「セミトレーラー」の
最小回転半径のR≧12mだろうなー・・・
「やっぱ幅は設計車両の軌跡を確認して・・・」なーんて考えちゃったりします。
また、
信号解析での「交通容量(交差点容量)」なんて関係ないだろうし・・・
やっぱり、どうやって大きさや幅をきめるのかなー?なーんてさらに考えちゃったりします。

でも、防災道路には必須ですから、
こういうのはどんどん拡大採用していったほうがよろしいと考えます。

ボクも1月16日~2月14日(バレンタインデー)までにはここの交差点を探し出して
こども乗っけてグルグルしちゃうつもりです。

そのときはまた感想でも・・・・




大崩海岸(県道静岡焼津線)の崩壊を考える

2013-12-24 23:26:20 | 土木技術について

先日の休日の釣行で「どこがいいかなー?」なんて考えていたとき、
ボンクラアタマに「ピーン!!」ときました!

※大崩海岸街道(旧150号 県道静岡焼津線)の崩落の詳細情報
 ・ 台風26号の影響により10月16日、崩壊が確認され通行止め
 ・ 最大で1.2mの陥没・沈下、現在も沈下進行中
   
  (静岡新聞記事より)  (ウーン・・・、この写真じゃ、山側斜面はどうなっているのかわからんなー)

そこで、
「そうだ!大崩海岸はいまどうなってるんだろうか?行ってみよー!!」
ドリフの全員集合(いかりや長介)風に口ずさみながら、
小坊主らを嫁さんの実家に預けて、さっそく現場へ急行します。。。
(嫁さんの実家は安倍川の近くなんですよ・・・)

行ってみると・・・・予想通り・・・「んー、やっぱりね・・・」


  (焼津側・・・松風閣入口付近)

クルマを止めて考えます・・・「私服だし、一般民間人の野次馬ってことで忍び・・・」
 いや、「私服でも土木関係者の視察として堂々と・・・(ムリがあるか)」
  いやいや、「土木関係者として崩壊の原因究明と対策工を考えなければな・・・」

などとモジモジしているうちにバイクの警察官がルーっと接近・・・
「ダメだこりゃ・・・逃げろ!」っとばかりにクルマをUターン(笑)

しょうがねー、静岡側から侵入・・・いや、視察しようと回ってみると・・・やっぱり・・・


  (静岡側・・・浜道路交差部付近のトンネルです)

ま、誰もいねーし
「ボクは私服だけど関係者です・・・だからいいんです」とか、
「明日の土木を担うんだから、崩壊の真相究明をするのは当然・・・」とか、
「土木技術者の端くれとしてこういう案件は知る権利が・・・」
などと自問自答、
架空人物と話をしながらバリケートを侵入・・・いや、進入(笑)  ※怒られちゃうな

入ってみると・・・・



ウヒョー! 誰もいねーしクルマも走ってない!(当り前ですが・・・)
道路の真ん中で寝転んでも怒られません!(スイマセン)
考えてみると、
昔から長年、通ってきた大崩街道を、こうやって歩いたことなんて人生初!!!
とくに、
断崖絶壁な海岸側のビックな土留め工(法枠やアンカー工)が・・・
マジカで観るのは初めてです!



「どうやって工事したんだろ?絵を描くのは容易いけどさー、やるほうは命がけだもんなー」
「足場はどうやって?」 「アンカーのタイプは?」 「土質は当然、岩だろうな~」など次々に疑問が浮かびます・・・

次に、山側に目をやるとビックなコンクリート擁壁が・・・
「ウン、古いけどクラックや断ズレなどの変位や水の噴き出しはないなー、健全健全・・・」
「落石の量も思ったより多くないなー、吹付けで固めてあるからか???」
「お!落石防護網の遥か上にサルがいるぜ!」
などと一人で関心して、独り言をブツブツ・・・しかし静かだ・・・・

で、無人島を歩くがごとく進んでいくと・・・「ん!!あそこか!?」



ボーリング調査の「変位計測箱」が見えます。
さらに近づいてみると・・・
んー!なんだこりゃ?道路が一段下がっています!
「ありゃー!こりゃすげー!擁壁もろとも断ズレ起こしチョる!!」


(擁壁もろとも沈下し破壊されています・・・道路上方の斜面もいっしょに落ちていますね)

   
(しかし、すげー力がはたらいてるなー、ものすごい音がしたと思うんだけど・・・)

さて、ここからはボクの推測です。
(状況分析)
 ・ 道路上方の擁壁まで落ちているので(道路を含む)斜面崩壊である(外的崩壊?)
 ・ 海側斜面は、法枠工でガッチリ固められていて斜面のハラミは見られない(と思う)
 ・ 一気に崩れていない、道路は水平に沈下(ズレて)いる




(原因)
 ・ 台風の波浪で斜面下端(法尻)洗屈崩壊=基礎地盤亡失による(道路を含む)斜面全体の断ズレ
   (ダルマ落としみたいなものですね)
 そして、波による斜面下端 洗屈の拡大で現在も沈下進行していると考える。



(対策工法)
 んー、難しいですねー
 なんせ、擁壁上方の斜面から海側の法枠壁斜面もろともズレ落ちているので・・・
 断ズレを起した斜面の地山はせん断破壊して脆弱になっていますから、
 崩壊が始まったらもう止まらないでしょう・・・
 だから、
 たしかに「仮設橋梁を架け渡して仮復旧」・・・なんて、危なくてとても無理でしょう・・・
 そうすると、仮設でも永久でも、対策工法としては・・・
 ・ まず崩壊を止めたい・・・けど崩壊進行中・・・うかつに近寄れない・・・「抑止工」はNG
 ・ 地すべりの定番:水抜き・遮水や排土工などの「抑制工」だけど・・・
   ・・下の基礎が洗われてなくなり斜面一体が塊でズレてるから・・そういう問題じゃない・・・NG
 ・ 排土工(既存道路をとっちゃって)軽量盛土をセットし道路復旧・・・でも沈下進行中・・・NG
 ・ じゃー、斜面下端の海波浸食を止めようぜ・・・押さえ盛土や浸食防止、ウエイトコンクリート打設・・・
   ・・斜面法尻(海岸部)へのコンクリート防波堤を・・そんなチンケな規模でとまるのか・・・▲
 ・ こうなりゃヤケクソでドでかいシャフトやアンカーをぶっこむ・・・崩壊を助長する恐れあり・・・NG
 ・ 岩盤スベリ=バラバラになって木端微塵、一気に崩落の可能性あり・・・
             近寄ったら死んじゃうかも・・・こわい→近寄れない→NG
    


 ・・・中途半端に残ってるのがマズイな、やっぱり・・・

ふつう、不良土塊が落ちちゃえば現況安全率がFS=0.95~1.05くらいまで復活することも考えるんだけど、
これじゃー、まだ進行中でFS=0.7~0.84くらいかなー、などとテキトーに空想しながら、
結論!
 ・・・いっそのこと、落ちちゃえば道は開けるだろうに・・・ 
  結果、
 ・・・しばらく様子を見るしかない・・・


さて、技術者のみなさん・・・どうしましょう・・・・・



しかし、今日も松風閣からの眺めは世界遺産並みにキレイ!!富士山 見えんかったけどね(笑) 

スベリ解析 粘着力(C)のはなし

2013-12-05 23:35:04 | 土木技術について

最近、斜面防災対策の設計をやっているのですが、そのなかで「スベリ安定解析」について疑問が・・・
それは
「粘着力(C)の逆算はスベリ円弧内の(地層の)各層毎で算出する必要があるのか」
です。

まずは土圧の基礎知識からおさらいしましょう(笑)

土圧(構造物の土圧は主働土圧です)の算出方法にはいろいろありますが、
真っ先に思い浮かべるのは「クーロン」や「施行くさび」などのクサビ計算法ですね。
 ※「ランキン」は壁面摩擦を考慮していないのであんまり使わない



これらは、土の性質である内部摩擦角(φ)と単位体積重量(γ)のみを使い、
あとは直線スベリ、摩擦角度やら土圧係数やらを三角形を使ってゴチャゴチャ架けて、
構造物にかかる土圧を算出するものです。
安定した土圧算出法として普及・定着していますから、まずはクサビ法で検討します。

しかし、クサビ法には以下の特徴・使用限界があります。
 ・ 粘着力(C)(KN/m2)=0を原則とする(ちょっぴり過大=安全側になる傾向あり)
 ・ 内部摩擦角(φ)以上の背面斜面勾配がひかえている場合は使えない(急斜面不可)
   (クサビ線が18光年の宇宙の果てまで走ってしまい地球大な土圧となってしまう)
 
  ※ある設計で、クサビ角度を地層線に固定して「這わせる」やり方をみたことがあります・・・
    いわゆる地すべりの複合スベリの変形型の「直線スベリ」のイメージなんでしょうが、
    これって・・・・どうなんでしょ?フツーに円弧でやればいいと思うし、
    抑止力が過大になる傾向だと思いますが・・・・

ようは、「山の斜面じゃ使えない」ってことです。



そこで、登場するのが円弧の「スベリ解析」による土圧算定です。



エラそうに書くと「おジイちゃんの武勇伝」みたいに長くなるのでスベリ解析の特徴だけ・・・
 ・ 「円弧」のほか地すべりなどの大きいスベリには「複合スベリ」がある
 ・ 内部摩擦角(φ)、単位体積重量(γ)、ほか粘着力(C)(KN/m2)が必要である
 ・ 粘着力は「三軸圧縮試験(物理試験)」または「逆算法」で求める

そして、最大の特徴として、
クサビ法はキチッと「解」が同じになりますがスベリ解析の場合・・・・
「誰がやっても同じ答えにならない=技術者の考えによって自由自在」
「それにより抑止力はいかようにも変化する」=「工費は設計者のさじ加減次第」
ようは、現場の雰囲気によって様々に設定できる・・・
いわば技術者の技量次第=「適当」なんです・・・
    ※こんなこと言っちゃ怒られちゃうな(笑)

「脱線しまくりなジイちゃんの話」 になりつつあるので、
ここから一気に表題にある「粘着力(C)の逆算」に飛びます。

粘着力(C)とは、土のネバリ、いわばくっ付いて「崩れなくなる土の力」ですので当然ですが、
粘着力が大きくなれば土の(崩れなくなる)力は大きくなります。
ですから、
「Cが小さくなる」=「抑止力は大きくなる」=「工事費は大きくなる」傾向にありますので、
極力、Cが大きくなるように理屈付けて考えていきたいと設計者は考えます・・・(怒られちゃうかな)

余談ですが、円弧の性格として、
 ・ 粘着力(C)が小さく内部摩擦角(φ)が大きいとスベリ円弧のRは「大きくなる」(表面円弧)
 ・ 粘着力(C)が大きく内部摩擦角(φ)が小さいとスベリ円弧のRは「小さくなる」(エグれる円弧)
傾向になる特徴があります。

さて、粘着力(C)の逆算には、現況斜面状況の安定度(安全度)が重要です。
それにより粘着力の大きさが左右されます。
設定安全率が低いとCは小さくなる傾向となりますが・・
現況安全率(FS)の判断も以外にアバウト=「適当」です。
①:斜面に異常、変状や崩壊の兆候がみられる→Fs=0.95
②:ただちに崩壊に結びつくような兆候がみられない→Fs=1.0

もうこんな時間になっちゃいました、先を急ぎます・・・
で、いよいよ本題に入ります。
問題:「粘着力(C)の逆算は(地層の)各層で行う必要があるのか???」

具体的には
①:「Dt、D、CL層など各層のCがそれぞれFs=1.0となるようにするか」
それとも
②:「(各層ごちゃ混ぜで)全体1個の大きな円弧がFs=1.0となるCを求めるか」
です。

設計者としては、スベリ解析はメンドクサイので一発で終わる「②」としたいです。

しかし②では以下の問題があるとボクは考えます。
 ・ どれかひとつに大きな粘着力を持たせるだけなので、スベリ円弧が多層に渡る場合、
   ほかの層のCは0とせざるを得ない=スベリ円弧のなかにCを持つ土層がひとつしかない
 ・ その断面では割合の大きいブ厚い表層(Dt層)に大きな粘着Cを持たせても、
   ほかの断面で別層が分厚かった場合はその0としたCが安全率(抑止力)に大きく影響してしまう

このへんは、「適正な抑止力の算出方法」として会計検査で指摘される可能性がある
ところであると思いますし、工費にも係わる、重要なとこだと考えます。

そこで、ボクなら会計検査員にこう説明します!
②のやりかたは、「その断面のみを対象にしたやりかた」といえる(と考えます)
要は「局所的なスベリ崩壊な場合はOK」=「ロングスパンな工事延長箇所ならNGってことです!
だから局所的なスベリ斜面の当該地では、一個の円弧での粘着力Cの決定だけでも問題ないんです!」
って。。。。
 ※ ハナクソなヒヨッコがナマイキ言ってスイマセン・・・
    まあ、粘着力(C)は、設計荷重(抑止力)を出すための要素で、ロックボルトやアンカーの構造設計
    には関係ないので「その断面のみを対象にしたやりかた」でも問題ないと思うんです・・・

ごらんの「河川・砂防」「土質基礎」「応用理学」を専門とする技術者のみなさんはどう考えますか?

あ、
この意見は正解ではありませんよ、ボクの考えです。ボクはずっとこの考えで抑止力だしてきましたので・・・
(もう設計した構造物も順次、完成しちゃっていますしね~ どうこういってももう遅いし(笑)


いろいろな考えがありますが、
最後にボクのやりかたをご紹介して議論を終わります。



①各層においてスベリをやって、FS=1.0とする粘着力を設定し無毒化します。
②無毒化したので次の層もFS=1.0としてCを逆算し無毒化します・・・・・
③崩壊深2.0m近隣付近のCL層の境でネバーカット設定しスベリの大きさを固定
④それぞれの層を含んだ大きなスベリでFS=1.0を確認する


こんなかんじでしょうか?


(粘着力(C)の逆算例・・ここの場合、崩れがおさまっていないのでFS=0.95としています)


尚、
抑止力の算出時には再度、(崩壊深とかクラックとか湧水・水みち予想位置などを考慮して)現況の崩壊スベリ形態に合った最適なスベリを探しますので、
どうしても逆算時の円弧とは同一になりません。(スベリを再検討します)
したがって、
必然的に安全率は変化します(FSが逆算時の1.00と同等になるとは限りません)
まあ、だいたいFs=1.05とか、1.0を超えてきますね・・・当然ですが・・・


(抑止力の算出例・・・計画安全率は永久でFS=1.2、仮設で1.05~1.10を標準とします)



クドクド長いあいだのご清聴、誠にありがとうございました。

でも、
こういう話、酒呑みながら議論するとホント愉しいですねー!

このつづきはまた今度・・・(疲れた)


「わかりません」といえる勇気

2013-11-26 00:10:44 | 土木技術について

いま必死にジミヘンのCDを聴いています・・・





未だジミヘンのスゴさを探してるんですが・・・

だって、「ジミヘン最高にかっこええぜ~!」なんて知ったかぶっていえれば
「おっ、コイツ、かなりの通だ・・・デキル!」と思われるじゃないですかー  
   (しつこいですか?このネタ・・・)

「史上最高のロックギタリスト」と呼ばれれ、
ポール・マッカートニーにも、エリック・クラプトンにも、
日本の名ギタリストの「CHAR」やBOOWYの「布袋」、
たのきんトリオの「よっちゃん」こと野村義男にも崇拝され、
近所の音楽通のヤツにも「ジミヘン最高~!」と評価される「ジミ・ヘンドリックス」

だから聴きましたよ。一生懸命、聴きましたよ!
ウッドストックも、ボブ・ディランのカバー曲も、アメリカ国歌編曲版も、「Voodoo Child」も・・
クルマの中で嫁さんに
「ねー!ちょっとー!もうミスチルにしてよ~」と言われながらも、
寸又峡までの長い道中も、ミスチル却下して、ひたすらリピートして
がんばってジミヘン聴きましたよ!

でも・・・

わからないいんですううううううううぅぅぅぅぅ
・・・そ、そんなスゴいんかい・・・

ど、どこがそんなに・・・スゴイのですか???
やっぱりわかりませーん!
素人のボクにおしえてくださいいいいいいい・・・・


っていうか、頑張ったんですが、ボクにはこの音楽性、理解不能なようです・・・

ブルース・リーも説いています。

   (考えるな!感じるんだ!)

やっぱりそうなんです!!

人間、ムリはいけません。。。。
知りもしねーのに、通ぶったらイケマセン。。。。。。
わかってもいねーのに背伸びもイケマセン。。。。。。
ムリなものはムリ!って言う勇気を持ちましょうや・・・
自分に正直になりましょうや・・・・・
自分にウソつくの、もうやめましょうや・・・


みなさんも、
わからないことは「わかりません!教えてください!」と素直に言える勇気をもちましょう!

結論=「ボクにジミヘンはムリ」


わからないこと、いっぱいあります

2013-11-20 23:46:12 | 土木技術について

いま、県発注の幹線道路設計をやっています。
そのなかでいま、舗装設計をやっています。


(CBR試験により舗装構成(厚さ)が決定します。この場合は設計CBR20%の場合の例です)

そして
舗装設計といえば「CBR試験」でしょう。
※CBRというとホンダのオートバイを真っ先に連想するのはボクだけでしょうか・・・(笑)
 そうそう、ホンダのCBR400Fといえば初めて可変バルブ(REV)を採用したバイクでしたね・・・
 ・・・・脱線してすいません・・・

で、
本日、土質調査屋さんがCBR試験結果を持ってくるというので、
発注者とともに舗装設計のための協議を行いました。


(参考・・・・・CBR試験結果の柱状図です・・・・・)

(参考・・・・・CBR試験の計算書サンプル・・・・上の柱状図とはリンクしてません)

協議では、
「この区間CBRが○○%なので・・・・」とか「ここの層がCBR≦2%なので入れ替えが・・・」
「だからここでは設計CBR12とすべき・・・」など
「CBR」という言葉が飛び交います。
 (協議しながらもホンダを連想してしまうボクです・・・(笑)

そんな技論しているうち、
発注者のひとりが申し訳なさそうに一言・・・
「素人な質問でスイマセン・・・そもそもCBRってなんですか?」
「CBRの(%)って、なんの%なんですか?砂礫とかシルトの含有率の%なんですか?」


(オイオイ、そんなこともしらねーのかい・・・
          ホンダのバイクじゃないんだぜ・・・と思いつつ)

「それはですねー、えーっと・・・・んッ???」
(テメーも こ、答えられんし・・・(汗)
  ホンダのバイクならエンジンも含めて詳しくこたえられるんですけど・・・・(汗)

ふだん、何気なく使っている専門用語です。
それで技術者同士、技論して設計しています。

CBR値と聞けば、同じ土質調査試験でも
一般的なボーリング調査(標準貫入試験)で決定する地盤強度指標の「N値」
と性質が違うことはわかていました。
でもいま、あらためて具体的な説明を求められると
正式な「CBR試験」「CBR値」について説明できません・・・OTL

会社に帰って速攻で調べます・・・

以下文献引用・・・・・・・・・・・・・・・・・・
CBR試験とは、”路床土支持力比”とよばれる試験で、路床や路盤の強さを評価するための試験です。
路床のCBR値により、その道路の舗装構成が決定されます。
カリフォルニアの一般的なクラッシャランを所定の力で締固めた時の強さを
基準値(100%)としています。3%以下では路床材料としては不適なので、
路床改良(置換え、石灰・セメントの安定処理)が必要となります。

CBR試験で、
・現状土は現地盤の試料を乱さない状態でモールドに採取してCBR試験をおこなう
・変状土は一般的にいわれているCBR試験、室内で試料をモールドに突き固めて試験をおこなう

・・・・・・・・・・引用おわり・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そ、そうだったんかい・・・
CBR値って、クラッシャーラン強度の比(%)だったんかい・・・・
(嘉門達夫風に・・・)

そらCBR≦3%じゃーダメだわなー

「目から鱗」(ちょっと使い方が違う?)とはこのことでした・・・

未熟なハナクソ野郎のくせに知ったかぶりはいけません・・・

----------本日の教訓------------
わからないことは「わからない」として素直に認めてすぐ勉強し、
「わかるように」なってから知ったかぶりましょう!(笑)




タイムスリップ

2013-08-27 23:41:47 | 土木技術について

最近、技術士の勉強からも(精神的に)解放されたため、
観たかった映画(ビデオ)を嫁さんとビール呑みながら、
手をつないで観るなんてこともできるようになりました(笑)

そんななか、嫁さんが借りた「Jin-仁-」を観て、フッと思いました。


※「Jin-仁」とは大沢たかお主演の江戸時代にタイムスリップしてしまった医者の物語





「もしもタイムスリップしたら、ボクは何ができるだろうか?」
「昔のヒトに、なにをしてやれるのだろうか?」

ドラマでは、大沢たかおが扮する「南方先生」が、
現代で習得した高度な医療技術を駆使して、江戸時代の人々を救います。

ボクは・・・どうでしょうか?
もしボクが江戸時代にタイムスリップしたら、なにができるのか・・・
今の自分の持っている能力、技術で・・・

では問題です。
江戸時代、徳川家康に「江戸をいい街にするよう尽力せい!」と命令されました。
さて、ボクはなにができるでしょう・・・

測量・・・伊能忠敬がいなくてもできるぜ・・・と思うけど、トランシットなんかねーし・・・
      六分儀かアリダードで?まあ、なんとかなるかな・・・

道路・・・江戸時代には街道もすでにあります、そして、橋やトンネルはボクの専門外だし・・・
      しかもクルマなんてねーから道路規格や計画交通量、クロソイドカーブなんて必要ねーし。
      交差点の信号なんてねーから、交差点はすべてラウンドアバウト型だね。
      それにアスファルトなんてねーからCBRとか目標TAとか、わけわかんねーし。
      馬や馬車か・・・なーんて考えると、
      道路というよりは「都市計画」のほうが重要かも・・・

河川・・・氾濫を防止する河川改修なら尽力できるかな。
      まだ地べたがアスファルトなんかで被覆されてねーから流出係数も低いし、
      素掘り水路で流達時間も遅いから計画洪水流量なんてちいせーなー、
      なーんて考えたりして。
      不等流計算とかはできねーけど、大河じゃなければ、まあ、なんとかなるかなー。

土石流対策・・・砂防堰堤ね・・・この時代ならフィルダム、アースダムでしょうなー、
          土圧とかはクーロン土圧・・・(この時代にもうあったのかな?)
          まあ、所詮は土盛だから、なんとかなるかなー

防災・・・斜面安定や土砂崩壊防止です・・・Cだ、φだ、円弧スベリだなんて手で苦労してやったところで
     土留め工法のアンカーやロックボルト、吹付枠工なんかねーし、
     せいぜい石積みか、
     危険斜面を安定勾配で人力片切掘削、または排土するくらいしかなかろうね・・・

海岸・港湾・・・黒船が来るけど、ボクは専門外。無念・・・

積算・・・SMILESはおろか、積算基準や積み上げなんてねーし・・・
     越後屋さんに、そろばんで弾いてもらうしかないね・・・

とまあ、こんな感じでしょうか・・・

今回は「江戸時代」としましたが、
考えてみれば、「発展途上国」での活躍もほぼ同じでしょう・・・

  
(映画「セブンイヤーズ・イン・チベット」ではブラットピットが道路建設しています)

「技術士」や「1級建築士」などの資格はさておき、
あらためて
「自分はなにができるのか?」そして「できないものはなにか?」
経験・実績、そして「向き不向き」「得て不得手」を判断し、
「ボクはこれができる!」といいきれて、はじめて「技術者」ではないでしょうか・・・

「ウンチク」だけの「理論派・勉強家」ではヒト・物事は動きません。
「できて、示して」はじめて認められるのです。

だから、いろいろ勉強して実践して経験して(やってみて)、理解して
そして習得する、
とにかく「やってみる」ことが重要なのです。
ボクは常に、こんなふうに考えています・・・

※エラそうなことをホザキましてスイマセンでした・・・(汗)
 「夜中に書くラブレター」のごとく、気分が高揚してしまって
 ・・・ご了承ください・・・



河川詳細設計

2013-08-08 23:13:36 | 土木技術について

本日は暑いなか、
午後から河川設計の現場視察へ・・・

暑くてもなんでも、
パソコン前でずーっとCADにかじりつき、
一歩も外に出ないで天気も気温もわからない、
冷房症寸前で「電話攻撃」に怯える12時間より数億倍、
やっぱ現場はいいですね~


(セミの声しか聞こえない、のどかな風景です・・・)


(山つきの無護岸区間です。ハチが怖いです)

現場は砂防ダム下流の無護岸区間の流路設計です。
上流の砂防ダムは数年前、
ソイルセメント(INSEM工法)で設計・完成したダムです。
http://pub.ne.jp/kendo/?entry_id=4869967

さあ、
ジャングルな現場の踏査へ出発です(大げさ)。
今回、踏査に来たのは
以下の条件確認およびコントロールポイントを探すためです。

(踏査のポイント)
1:山側および斜面の土質状況(岩の露頭があるか、山斜面は切れるか)
2:山切りができないポイントはどこか(線形逃げる)
3:流入している沢があるか、流量はどれだけか(仮設:水替え工)
4:施工する際の工事用道路、資材搬入路など(施工ヤード)
5:耕作地および生活道路や排水、景観など(土地利用状況)

etc・・・・

踏査を開始すると・・・以下の状況が確認できました。


(未開拓なジャングル・・・まさにボクらはエクスプローラーです)

(現場状況)
・蒸し暑い(冷房に慣れてなまったデブ体からの異常な汗・・・)
・クモの巣がスゲー(ヤベー、クモの巣にかかってクモが首に・・・キモイ)
・蚊がスゲー(じっとしてるとすぐにやられる・・・)
・ブヨみたいなのが目に飛び込んでくる(シャラクセー)
・B29みたいなハチが上空旋回してる(ヤベー、スズメバチだ!動くな!)
・カブトムシ、クワガタは発見できず(絶対どこかにいるはずだが・・・)

ハチが増えてきたので、踏査をあっけなく断念し、
うっそうとした河道から退散します・・・コエー!
(ひとりでノコノコ来たので、リスクを考慮しないと・・・深追いは禁物です)

上流までくると、砂防ダムが・・・



結局、
カブトムシ・クワガタは発見できませんでした・・・
ノコギリクワガタ、ほしかったなー


踏査の結果です!
「この現場はハチが多く危険である!」
ということがわかりました(笑)
報告書には書かないっすけどね・・・・(笑)

(あ、河川設計は「フツーの渓流保全工」に準拠すればいいんじゃないっすかね(笑)

                         -以上―




施工パッケージ型積算方式

2013-07-09 20:37:49 | 土木技術について

いま、今年度の工事発注に向けて、工事積算を作成・修正しています。
正直、メンドクセー(ボク、積算キライです)!

そこで、お知らせ・・・
もうご存知の方もおられると思いますが、
いままで「土木工事標準積算基準書」に則って組んでいた積算が、
ユニットプライス型積算を経て登場した
「施工パッケージ型積算方式」へと移行開始されました・・・・



  
(小さくて見えませんね・・・スイマセン。 詳しくは、国土交通省などのHPでご覧ください)


国土交通省では平成24年10月から試行導入が開始され、
我が静岡県では、今年(平成25年)7月から開始されました。

これは、
「積算の簡略化」や誰がやっても同じ積算となる「積算(考え)の統一」を
狙ったものと考えます。

「施工パッケージ化」された工種の積算歩掛りは廃止され消えていきます。
現在のところ、主に
作業土工を除く「土工」関係が、パッケージ化しているのが目につきますね。

メリット
・「掘削」では、細かいBHなどの使用機械の分けがなくなった
・「掘削」の「人力併用機械掘削」、「小規模土工」の分けがなくなった
・・・・etc・・・・・(まだよく見ていない・・・スイマセン・・・)

これから積算業務をやる方は、要注意です・・・(ボク?)