地場産業振興センターで絣フェスタが開催されていました。恒例の催しで昨年も来ましたから、あれからもう1年になります。
25業者が出店していて、それぞれのブースで絣生地や洋服、小物等を販売しています。
新柄の反物100点が展示されていました。求評会も兼ねています。
こちらは伝統的な柄の着物です。
絣は昔のような産業としての位置はなくなりましたが、根強い人気があります。
学生たちによるファッションショーです。産地の織元や工房が新作を披露しています。最初のモデルは着物姿でしたが、あとはみな洋服です。化学染料が使われるようになって、絣もカラフルになりました。男性モデルも出演していました。いまどきの若者はイケメンが多いですね。個人的には藍染の着物姿が一番シックに感じました。
絣資料室では新作の展示が行われていました。
文化財としての久留米絣は藍染め、手括り、手織りです。それぞれに技術保持者がいて、審査に合格した反物にはシールが貼られます。久留米絣は30の製造工程がありますが、ひとつの反物が仕上がるまでに数か月かかります。
丸い手鉤は「クリカキ」です。絣糸の束をこれに掛けて藍甕に出し入れします。竹の棒は踏竹と絞竹。この二本で藍甕から引き上げた糸を捩じって絞ります。藍色の付き具合からすると、たぶん上が踏竹、下の棒が絞竹でしょう。
緯糸を収納する杼です。小さい方は手織り用で「投げ杼」。緯糸を巻いた管巻を装填して上下に開いた経糸の間を滑らせます。大きい方は機械織り用です。こちらは飛び杼、あるいはシャトルと呼ばれています。織り機を左右に忙しく往復します。
明治15年ころの機織り機です。床に座って織るので「いざり機」と呼ばれています。後に改良された、腰板に座って織る「高機」よりも重労働でした。
糸で出来た綜絖を足元の綱を操作して経糸を開き、長い杼を直接手で通していました。時間もかかります。現在は2枚の金属製綜絖を上下に開いて、緯糸を投げ杼で通します。綜絖は糸が縦横に交差して織物になる、織機の心臓部にあたります。
2階の展示即売場です。筑後地方の特産品を販売しています。この日来たのはここが目的でした。昨年来た時、綿入れ半天の特売コーナーがあったのです。今年もありました。長年愛用の、裏地が破れた半天を補修しながら使っていましたが、今年の冬に袖にも穴が開いてしまったので買い換えることにしました。
買ったのは久留米織りの綿入れ半天です。スーパーにはポリエステルの中国製が半額で並んでいますが、着心地が違います。久留米織りとは最近見かける用語ですが、たぶん縞織りのことだと思います。生地が絣になると機械織りでも一段値段が高くなります。
近くの自衛隊駐屯地に立派な桜並木があります。毎年、花の時期に一日だけ営庭が開放されて花見ができます。昨日がその日だったのですが桜がまだ開花しておらず、1週間日延べするとの告知看板が門前にありました。
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