Keith Masuda Blog 増田清のページ

毎月の一言 インターネットやPCに関する話題を毎月お送りします。 1996年からの情報があります。

今月のひとこと2008年正月号

2007-12-31 18:58:44 | Weblog
「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。

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2008年1月元旦
明けまして、おめでとうございます。

年末から今年にかけて事の他寒くなりました。 以前の本欄を見ていると、2年前の大晦日も雪で大騒ぎだったとのことでした。 しかしいくら寒いと言っても、最近は雪も積もらなくなったし、氷もほとんど張らなくなりしまた。 慶応3(1867)年11月18日夜、新撰組の伊東甲子太郎が七条油小路で襲撃されて、その後に囮として放置されたそうですが、その時には遺体はバリバリに凍ってしまっていたとの事で、以前はもっと寒かったのでしょう。 1970年代には異常気象が連続し、地球の温暖化が加速していることは間違いないでしょう。

先日、この伊東甲子太郎暗殺の場所を歩いてみました。 塩小路通りの堀川の1本東に油小路があります。 昔は堀川通りはこんなに大きくなくて、油小路の方がメインストリートだったようです。 この通りを塩小路から北に上がった最初の通りが木津屋橋通でこの交差点の西側で襲撃されたそうです。 もう少し西に行くと堀川通で、道路を挟んで左向かいに小学校がありますが、この小学校の前の陸橋のあたりに近藤勇の醒ヶ井の休憩所つまりオメカケの家があって「醒ヶ井通木津屋橋下ル御方紺屋町494番地」、ここで酒を飲んでの帰り道に待ち伏せにされました。 当時は大火で焼けた家に仮の板塀があって、その隙間に刺客が潜んでいたそうです。 当時の伊東甲子太郎は新撰組を抜けて御陵衛士になっていましたので、東山の高台寺に戻ろうとしたのでしょう。 ちなみに妾は、大坂織屋の深雪太夫。

襲撃を受けた角は現在散髪屋さんになっています。 そこで深手を追いながらも防戦したが、本光寺の門前の石碑に倒れかかり、「奸賊ばら!」と無念の声を上げ、息絶えたとのこと。 この本光寺がなかなか分からず、しかし分かってみると、すぐそばの小さな門があるだけでした。 石碑はお寺の中に移設されたそうで、お願いすれば見せていただけるそうです。 更に北に100m先行くと七条通になります。御陵衛士をおびき寄せるため、伊東の遺体は新選組によって運ばれたそうです。 結構距離がある。

ちなみに、七条堀川の西南にリーガロイヤルホテルがありますが、そこの陸橋を降りた当りに、近藤勇の和歌が刻まれた碑があり、ここが不動堂村屯所跡です。 近藤勇は、先述の妾宅から、ここに通勤したしたことになりますが、本当に歩いて数分ですね。 元の屯所は西本願寺の太鼓楼にありましたので、そばに引っ越したと言うことです。 太鼓楼の元の案内には、新撰組の言葉は一つもありませんが、最近の案内板には大きく出ています。西本願寺はかねてから新選組には大迷惑していたので、新屯所建築費用まで負担して、移転しました。 敷地は約1万平方メートルで外観は大名屋敷のようだったというが、半年後には撤退して伏見に移っています。

伊藤甲子太郎の話が長くなりましたが、昨年の株価は5年ぶりの安値で終わってしまいましたし、政治は安定しませんし、パキスタンではブットが暗殺されてしまいましたし、イラクの好転を除いては、ロクな事がなかった感じです。 日本も偽装問題が尾を引いて、建築着工が大幅に遅れていますので、アメリカより自分の心配をしないといけない状況になってきました。 決まりと言われていたアメリカ大統領選挙も、一気に不透明感が増して来て、誰が当選するのか混沌としてきました。

ITの世界でも、あんまり大きな動きはありませんでした。 Windows VISTA の評判が予想通り非常に悪くて浸透しませんでした。 高い、遅い、不便の 3拍子でした。 98のサポート打ち切りも大きな話題となりました。 98を使うことの是非はともかく、ビジネスの特に公的な組織での使用率はかなり高いものがあります。 Linuxベースの代替OSもなかなか進まず、当面はマイクロソフトのサポート終了延期でとりあえずは凌げますが、次はどうするのか、大きな問題です。 ついこの間まで、依然としてそうなのかも知れませんが、自衛隊ですら一つのPCを使いまわしている、もしくは私物のPCを持ち込んでいると言うようなセキュリティ議論以前の問題が山積しているのではないかと思います。 ホワイトカラーの生産性アップが叫ばれていますが、未だにPCをベースに仕事をしていない組織が特に行政で多いのは大変問題だと思います。

片や脱PCとも言うべき、デジタル放送が大分進展したような気がします。 従来のアナログTVでデジタル放送を視聴できるデジタルチューナーが1-2万円で入手できるようになって来ましたし、いずれは5000円ほどで入手できるようになるでしょう。 ビデオカメラも、ビデオ録画機もハイビジョン化して、コピー問題は残りますが、大体は出揃ったと言うことでしょう。 最近は、従来のDVDにハイビジョンが録画できる圧縮方式が実用化されて、HD-DVDとブルーレイに加えて、第3の方式ともいうべき圧縮方式が静かに浸透し始めました。 残るはPCの処理能力。 音楽は全く問題なく処理でき、従来の画像もまあまあ処理出来ますが、ハイビジョンとなると少し処理が追いつきません。 CPUチップもマルチコア化し、これを十分活用できるソフトウエアと、PCの低価格化がポイントでしょう。

最近特に所得格差が問題になっていますが、よく考えたら、あのアメリカのクリントン時代の10年以上の大成長、つまりダウ平均が2000ドルから12000ドルに5-6倍になったのですが、この間の平均給与はほとんど伸びていません。 株価が上がっている間は、新しい会社を興して、給与は安いがIPOの株式売却でそれを埋め合わせると言うことが出来たのですが、IPOが有効でなくなってくると給与の安さだけが残ります。

中国も、あれだけの成長をしていても平均給与の伸びはそんなに大きくありません。 農村からの新しい非正規の労働者の流入で労働市場が満たされていると言うことです。 いずれにしても所得格差は世界的な現象で、単に日本だけの問題ではないと言うことですが、他方、アメリカ流の市場原理主義が見直されてきているもの確かです。

今月の読み物は、お正月らしく、少し華やかなものをと、京都花街の経営学 西尾 久美子著 ¥1,680。 読みやすいと言うか、同じ事が何回も出てくると言うか。 お茶屋と置屋の分業体制、地域ぐるみの経営体制、芸妓の教育体制などなど。 特に全くの素人を1年ぐらいでプロの舞妓に育てるのはノウハウの蓄積が欠かせません。
 350年以上の歴史をもち、いまだに人々を惹きつける京都花街----。なぜ350年も続き、なぜいまだに人々を惹きつけ続けるのか?

本書が他の京都花街に関する書籍と一線を画しているのは、著者が「経営学者」である点です。「舞妓はんはかわいいなぁ」「芸妓はんはきれいやなぁ」という感嘆に終わることなく、京都花街を350年以上続く「ビジネス」としてとらえ、その強さの秘密を分析しています。350年間も続き、今なお多くの人を惹きつけ、その売上規模を拡大させている経営の秘訣は、現代の日本企業の経営にも多くの示唆を与えてくれるはずです。

 そういった経営学的分析がある一方、他ではあまり知られていない「京都花街・豆知識」も充実しています。舞妓さんの修業内容と日常生活、花街のIT化、「旦那さん」になれる条件、舞妓さんと芸妓さんの見分け方、舞妓さんに会える場所などなど......本書を読めば、京都花街通になれることも請け合いです。 (出版社からのコメント)




今月のひとこと2007年12月号

2007-12-05 14:32:40 | Weblog
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12月5日
今月は風邪を引いてしまって、さらになかなか直らず、本ページの更新も遅くなってしまいました。 経済状況もパッとせず、またすぐに改善する気配も無く、構造改革の進展も期待できず、意気の上がらない年末となりました。 アメリカのサンクスギビングのセールスはそれなりだったようですが、今後はクリスマス商戦の結果が気になるところです。

最近は、AV機器に凝っているので、先日また買い込みました。 以前に買って、本欄でも紹介したワンセグTV。 これは結果的には画面の大きさだけが取り柄で、バッテリの持ちも短いし、感度もそんなに高くはなかったように思います。 電車での移動が多いので、その間のTV視聴を想定したのですが、列車内ではそんなにどこでも受信できるわけでもありませんでした。 アナログ受信機の方が、音声だけでノイズも多いのですが、使い物になる感じです。

先日から、某S社がTVコマーシャルを良くやっていたので、いろいろ調べてみました。 要するにポータブル・ワンセグTV受信機+オーディオプレイヤー+ビデオ録画再生機です。 S社のものは流石に音は良くて、音がメイン、TVはサブという感じです。 外部メモリカードは無くて、その代わり重さが79gと極めて軽い。 反面、TV画面は2.5インチと一回り小さい。 ただ音楽コンテンツとかはS社の世界に浸らないといけないので敬遠。

先日、買ったのはT社のもので、以前は絶対に買わないメーカーですが、最近液晶TVを買ったのを切っ掛けに買ってしまいました。 こちらは、TVがメインみたいです。 重さは2倍の150gぐらいですが、画面が3.5インチと大きめ、バッテリの持ちも良い。 また、通勤途中での視聴を快適にする、トギレナイザーと言うワンセグ受信が途切れない技術が使われています。 以前に買ったものは、移動中に見ると途切れ途切れで、アナログと一番違う点で、違和感がありましたが、この機種では、確かに画像や音声は途切れたりするのですが、違和感は大幅に減った気がします。

他に比べて良いのは、外部メモリカードが使える点。 8GbまでのSDカードが使えます。 ワンセグの録画も直接外部メモリに可能です。 ちなみに録画は、タイマー録画で、一昔前のビデオレコーダーと思えば良いでしょう。 下手な自動録画より使えます。 気になる録画時間は、4Gbで約20時間ぐらいですので、通常の使い方では十分だと思います。 外部アンテナも接続可能。 ちなみにバッテリはワンセグ視聴で10時間だそうです。

値段は、4Gb内蔵仕様で2万円ちょっと。 通常の使い方では、オーディオ+ビデオ録画でも十分でしょう。 S社の16Gbは4万円近くすると思います。 T社の最大のネックはいつも言っているように使い勝手。 本機は、かなり洗練されていると言ってもやはりそこはDNAは争えないので、使うときは覚悟が必要。 反面、機能は豊富です。

オーディオの方は、完全にマイクロソフトマシンになっていて、Windows Media Player の外部デバイスとして認識し、コンテンツのやり取りをします。 念のために言うと、PC側から機器は直接には見えません、 かならずMedia Playerを介して通信をします。 従って著作権の問題なのどは、マイクロソフトの方式に依存します。 と割り切れば問題ないのかも知れません。 転送は結構速い。 CD 1枚を試して見ましたが、あっという間という感じで転送されます。 試しに以前に取り込んでおいた、MP3データを入れてみましたが、全部入りませんでした。 理由は不明ですが、単純にファイルを転送しようとしてもダメなようです。 いずれにしてもマイクロソフトの世界に浸ってしまえば、それなりに使い勝手は良いのでしょう。

今月の読み物は、吉村昭が続くのですが、「生麦事件〈上下〉 (新潮文庫)」吉村 昭著 各¥540 (税込)。 生麦事件と言うのは、横浜の当りで、大名行列を横切った外国人が切られて、それが元で外国との紛争になったと言う事は知っていましたが、その詳しい事は知りませんでした。 それもそのはずで、この事件の本格的な研究者は少なくとも、吉村昭が取材した当時は存在していなかったと言うことです。 本書によって、如何に本事件が幕末の政治状況に影響を与えたかが良く分かりました。 戦国時代の類似の話を聞いても現実感はあんまりありませんが、本書で語られる外交交渉は、現在にも通じるところがあって、現実感を持って読むことが出来ました。

出版社/著者からの内容紹介
いかにして薩摩はイギリスを斬ったか?
文久2(1862)年9月14日、横浜郊外の生麦村でその事件は起こった。薩摩藩主島津久光の大名行列に騎馬のイギリス人四人が遭遇し、このうち一名を薩摩藩士が斬殺したのである。イギリス、幕府、薩摩藩三者の思惑が複雑に絡む賠償交渉は難航を窮めた──。幕末に起きた前代未聞の事件を軸に、明治維新に至る激動の六年を、追随を許さぬ圧倒的なダイナミズムで描いた歴史小説の最高峰。