Keith Masuda Blog 増田清のページ

毎月の一言 インターネットやPCに関する話題を毎月お送りします。 1996年からの情報があります。

今月の一言 2006年新年号

2005-12-31 14:21:56 | Weblog
「今月のひとこと」の目次 毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。

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1月1日
2006年 あけましておめでとうございます。

昨年は特にIT分野での話題が多く、株式資本主義の問題とか、テレビとインターネットの融合とか、はたまたシステムの問題とか、構造設計の偽造とか、ITの本格的な幕開けにふさわしく、いろんな事が起きました。

特に話題の大きかった株式の世界では、何と1年で40%も株価がアップすると言う、バブル時代を髣髴とさせるような状況になってきました。 アナリストの昨年の予測では、昨年の株価は12000円から12500円の予測、最もアグレッシブな人でも13500円だったそうです。 プロと言えども、こう言う状況では予測が出来ないということでしょう。 来年の予測では、2万円から3.5万円と言う人が居ましたので、さて来年の正月はどのようなコメントになっているんでしょう。

この中でもIT関連の最大の話題は、みずほ証券の誤発注問題でしょう。 誤発注と言うのは良くあることだと思います。 ちょっとしたキーの打ち間違いで起きます。 我々が使うインターネットのシステムでは、チェックがかかっていますので、上下値幅制限外ではエラーになります。 またあんまり大きな取引もエラーになります。 以前に1株と1000株を間違えて入れてしまったことがありますが、これはエラーになりました。 これがノーチェックでしかも成行だと取り消しができませんね。 時々どえらく高い買いがありますが、あれもなんかの間違いないしは勘違いでしょう。

個人で20億 儲けたとか、100億以上の利益を上げた証券会社が自発的に儲けを出して基金に入れると言うような事が報道されています。 中には61万円の株を本当に1円で買ったと思っている人がいるようですが、取引は10万円の制限幅の下限で取引されますので、このようなことはありません。 従って、20億儲けた人は50億を突っ込んでるんですから、それだけでも儲ける価値はあるでしょう。 逆にその後の値上がりで、本来はもっと儲かったはずが、90万で手放さないといけなくなってしまいました。

ちなみに問題のジェイコム株はその後220万を付け、現状でも160万ですので、あの時90万で買って220万で売り抜けた人の方が、率では上です。 むしろあのような状況の中で、瞬間的に50億円もリスクにさらしたのは賞賛に値します。 もっとも、あれはみずほの社員と結託したものであったと言う噂もあるくらいです。 まあ1日では無理でしょうが、数日のうちに利益が50%でるのは珍しくないはずですので、一概に汚い儲けでは無いと思います。 少なくとも、利害関係の無い人の利益が遺失した訳ではなく、極めて日本的な解決であったわけです。 当のジェイコムは突然有名になってホクホクでは?

技術者の片割れとして、気になったのはビルの構造設計偽造問題。 偽造できないソフトを作るとかいう話がありますが、ナンセンスな話で、これも日本的なノー天気な話です。北朝鮮の偽札作りでも分かるように、存在するものは動機さえあれば必ず偽造はされます。 偽造を前提にシステムを作るべきでしょう。

例えばクレジットカードやバンクカード。初期のバンクカードの磁気ストライプには、何と暗証番号が入っていたのです。 これには唖然としますが、技術的には分かっていたことで、原因は特許が外国の会社に取られていて、おそらく特許料の支払いをケチったのでしょう。 この特許が切れてやっと、暗証番号はセンターで管理されて、磁気ストライプからはなくなりました。

しかし、後日談があって、実は古いカードがまだ残っていて、そのカードを入れるとそのカードの暗証番号が優先されると言うとんでもない事に最近までなっていたそうです。 テレビの番組でやってました。 実際この問題で被害にあった人がいるそうです。 日本人の平和ボケが露呈された一件でした。 本来、特許料を払っても何をしても、暗証番号をカードに入れない、また新しいカードが出来た段階で、古いカードは回収してシステム的にも使えないようにすべきでしたが、変な顧客志向のおかげで問題となりました。

構造設計偽造問題でも、応力係数が簡単に変更出来るのが問題で、通常は1.0のところを0.5とかやったわけで、TVで画面を見ていてもごく簡単な係数の入力でした。 少なくともこれが1.0以下にはできないようになっている、もしくは1.0以下にした場合はかなり特殊な場合なので、全ページのフッタにその旨を表示するくらいの対策が必要でしょう。 最終的にはこのようなソフトを認定した省庁の責任でしょう 『Super Build/SS2』。

また、設計問題ばかりに焦点が当っていますが、構造設計、施工設計、施工のいずれの段階でも偽造と言うか手抜きはあり得るので、監視が必要です。 少しでも安く上げて利益を得るというのは、人類の根源的な欲望だと思います。 この欲望に反するものは全て監視の対象です。 コストがいくらかかろうとも基本的には関係ない話だと思うべきです。

建築確認の手数料は15万円だそうです。 これではほとんどチェックは出来ないでしょう。 検査会社の社長が言っていたように、監督官庁に指導された手順に従って、適切に淡々と検査したと言うことです。 この手順の中にこのような大規模な偽造が想定されていなかっただけでしょう。

恒例の2006年予測ですが、まず経済分野の代表の株価は、何度かヒヤッとすることはあるでしょうが、2万円は超え3万円に近づくのではないでしょうか。 IT分野では、TVとインターネットの融合の論議がさらに深まるでしょう。 良くAOLとワーナーの合併の失敗が話題になりますが、その時と今ではブロードバンドの状況は全く異なります。 少なくとも現時点では、インターネットでの番組配信のインフラとしては十分なものがあります。サーバーの強化が必要でしょうが、最も時間のかかかるファイバーの敷設は完全に定着しました。

地上デジタルも本格化して、ファイバーや衛星放送、CATVとのせめぎあいも盛んになり、これから数年は混沌とした時代を迎えることでしょう。 地上デジタルは、その同報性を利用して、ニュース特に災害報道に威力を発揮するでしょう。 ケータイでの受信も出来るようになりますので、政府やメーカーが期待するような、双方向の特性はあまり生きてこないと思います。 ハイビジョンは、インターネットやCATVとの住み分けになるのでは無いでしょうか? 映画はファイバーを利用したオンデマンドが盛んになるでしょう。 ビデオレンタルとの価格競争になるでしょう。

デジタル放送の売り込みは最近激しいですね。 先につばを付けておこうかと言うことでしょうが、特に新しい番組をやっているわけでもないので、バタバタせずにしばらく様子を見るのが良いと思います。 従来のTVを使うためにはSTBと言うものが必要で、現状では5万円ほどします。 5万円あれば大きなブラウン管式のTVセットを買うことが出来ます。 1万以下のものの販売が期待されていますし、いずれはそうなるでしょう。 ETCの前例に倣って、いずれは国が補助金を出すと言う見方もあります。 いずれにしても、放送や通信は全体的な戦国時代になってきましたので、じっくり様子を見ることが大切です。

今月の読み物は、紹介するような本には出会わなくて、音楽と行きましょう。 ジャンルは好みがあるのでしょうが、ここはジャズです。 TVで聞いて良いなと思ったのでCDを買ってみました。 矢野 沙織、アルトサックス。 録音時には、1986年10月生まれの16歳だったわけで、ぱっと聞くとそういう感じはしません。 しかし良く聴くと少し弱い。 この辺がフュージョン好みのアメリカで受ける原因かも。 コルトレーンは良いのだが少ししんどい。 マイルスになると、しんどくて付いていけない。 かと言ってフュージョンではモノ足らんと言う人にぴったり。 しかし歳とると、だんだん演歌風になっていきますね。 ド演歌は論外としても、ポップス歌謡の中でも良いものがあります。 日本人やなと自覚します。









今月の一言 2005年12月号

2005-12-02 18:28:43 | Weblog

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12月3日
う~~む、日経平均がアッサリと15000円を抜きましたね。 今年の5月で11000円だったのが夢のようです。 5月にETFを買っておけば、そのまま36%、もし竹中さんの言ったように7000円の時に買っておけば2倍以上。 並みのトレーダーのパフォーマンス顔負けではないでしょうか。 投資信託なんか全くかないませんね。 じたばたして果ては手数料を取られて、しかもパフォーマンスが悪いとは踏んだり蹴ったり。 日経平均はいずれ2万円の大台には乗るので、それに備えて今のうちに買っておきますか。15000円が2万円になっても33%ですが。

各種のリモコンが、リビングにごろごろしてるのではないかと思います。 最近は何を買ってもリモコンが付いてきます。 DVDやTVを見る度に、リモコンをとっかえひっかえしているのではないでしょうか? 私も以前からこの状況に悩まされていまして、いろいろ試してみました。 その結果、どうもこれが良さそうとなったのが、この写真のリモコンです。

USBが付いていて、それでPCとデータのやり取りが出来ます。 操作面がLCDになっていて、LCDの画面のデザインをPCで変更できるのです。 ボタンの大きさもいろいろ変更できますので、自由度は結構高いです。 PCの上でボタンの配置などを決められるところが、もっとも面白い所です。 データもキチンと保存できるので、再設定しないといけないということもありません。 バッテリとの関係からか、画面の照明時間が少し短いですが、それも問題ないでしょう。 バッテリの持ちもまあまあで、短いという感じはしません。 バッテリがなくなってくると、赤外線が届きにくくなるみたいですが。

温度計が付いているのですが、この使い方が不明で、単に表示をするだけです。 一連のキー操作をまとめて行えるマクロ機能も充実。 設定も素直に出来ます。 他のメーカーのマクロ機能は全部リモコン側でやるのですが、物凄く難しくて、マニュアルと首っぴきでやらないといけませんでした。 欠点といえば、スリープ状態からの起動が少しかったるい。 画面を強く押すか、独立ボタンを押さないといけません。

最近のPCにはPC専用のリモコンが付いているみたいですが、AV用ではないか、少し前のPCには付属していません。 最近、インターネットやディスクに入った映画を見ることが多くなったので、動画再生はもっぱらPCを使っているので、リモコンが欲しくなりました。 それでいろいろ見てみましたが、一応合格点をだせるのがコレ。 製品の付属品的な扱い見たいですが、一応独立して使うことが出来ます。 値段もそこそこでオススメ。

インストールした最初は動かなかったので、駄目かと思っていましたが、リモコンの機能で、アプリを立ち上げると動きます。 先に別に立ち上がっているアプリとは連携しません。 キーボードのキー単位で割り当てが出来ます。 あらかじめWinDVDのキー配列が設定してあるようですが、私の場合は動きませんでした。 マニュアルにキー配列が載っていますので、それを参照しながら設定するとそんなに手間はかかりません。 まあいつも使うのは、早送りと再生・停止ボタンぐらいでしょう。

昨年の今頃から言われ出しているものに、ボットネットがあります。 総務省も今年4月に注意を促しています。 名称は「ロボット(robot)」のボットに由来しているんですが、ボットネットは、パソコンを所有者に気づかれずに悪用することを目的に作られたプログラムで、これに感染すると知らない間に自分のPCが、知らぬ間にスパムメールやDOS攻撃などの“加害者”になってしまう恐れがありあます。 代表的なボットには、SdbotやAgobot(Gaobot)、Spybotなどがあり、インターネット上でプログラム・ソースが公開されているものもあるそうです。 基本的にウイルスと同じですが、最も異なるのは、ウイルスがファイルを消したりすることを目的にしているのと異なり、ボットは感染しただけでは、何の症状もでません。 最近ではウイルスソフトをみんな入れているので、発症するとすぐに対策をされてしまうので、何もしないわけです。 このためにどの程度のPCがボットに感染しているか、分かっていないと言う基本的な心配があるわけです。 ウイルスソフトでも発見が出来ないケースが多くあります。

悪意のあるボットネット所有者は、この感染したPCを使って、いろいろな犯罪を行う訳で、最近はウイルスの発生がそんなに増加していないのは、ウイルス対策が効果を上げているのと同時に、このような発見されないボットのようなものが増えているのではないかと言う話まであります。 更にはボットネットの売買も行われているとの事で、自分のPCが知らない間にどんどん売買されていると言う事も、高い確率で可能性があり、ちなみに報道では1時間あたり200~300米ドルで貸し出している例があったそうです。 PCがその使用に関係なく処理が重くなったら、ボットの可能性はあるという事です。 そのためには、こんな小さなCPU負荷メーターはどうでしょうか? XPにもタスクマネージャーに付属していますが、サイズが大きいので、邪魔になります。

今月の読み物は、少し趣向を変えて、楽に読めるものにしました。 「国語入試問題必勝法」 講談社文庫 清水 義範 (著) ¥470 (税込)。

清水氏の作品の特徴は「パスティーシュ」。 要するにパロディであるが、それを少しも感じさせないのは流石。 私も国語の試験は苦手中の苦手で、本欄をお読みの方は理科系が多いと思いますが、その心境をものの見事に捕らえています。 書店に寄っては、入試問題のコーナーに置かれているそうです。 だけどタイトルにもなっている作品の内容は、半分は当るかも知れませんね。 「吉川英治文学新人賞」を受賞した作品でもあります。

内容は短編集で、「猿蟹合戦とは何か」は、あんまり面白くなかった。 旧仮名遣いも何かたどたどしくてイマイチ。 「時代食堂の特別料理」は、よく出来てるけどわざとらしくて平均。 「靄の中の終章」は、ボケ老人が主人公のボケを本人が語っている。 最後には意識が混濁して薄暗いもやの中で終焉を迎え、余韻が残ります。 自分がこうなったらどうしよう・・・

「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」は秀逸。 最初は本気にして、マルケロ酒を真剣にインターネットで検索しました。 1本足の鳥なんておかしいと思いましたが。 また目黒のさんまのパロディが出てくるのもご愛嬌。

「いわゆるひとつのトータル的長嶋節」は、著者のパスティーシュ作家としてのテクニックを並べたという感じ。 「人間の風景」も同じようなもので、無理に4人で一つの小説を書くという設定を作ってしまっています。 その中の一人は元刑事で供述調書風になっているのは面白い。

「国語入試問題必勝法」は、まあ読んでみてください。 国語辞書だけで水素製造法の答案を書いてしまう、かんべむさしの「水素製造法」と並ぶ名作。 ピントが外れている文章こそ正解!問題を読まないでも答はわかる!?国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。