Keith Masuda Blog 増田清のページ

毎月の一言 インターネットやPCに関する話題を毎月お送りします。 1996年からの情報があります。

今月のひとこと2017年11月号

2017-10-29 16:17:52 | Weblog




毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、その関連ページが参照できます

アクセスカウンター


2017年11月1日
それにしてもTVから、なかなか目を離せない1週間でしたね。 民主党/民進党は落ちるところまで落ちたと言う事でしょう。 離党者が出てきたので前原代表は焦って、合流を決めたらしいが、それにしても民意というか情勢をここまで読めないのは、政治家としても、まったく適性を欠きますね。

今回の選挙で一番、露わになったのが前原代表。 政権を取ったときの八ッ場ダムの時から注意深く見ていました。 元々興味のある人でしたから、八ッ場ダム問題をどう決着付けるのか、非常に興味があって注目していましたが、結局何のアクションも無しで放りっぱなしで終わりました。

その後は代表の時の、例の偽メール事件。 いくら議員は個人的な立場で活動するとしても、公党のそれなりの人を攻撃するのですから、ちょっと待てと言ってウラを取るぐらいの事はやっても良いと思いました。 問題発覚後は、自分で国会の席相手に謝りに行ってましたが、これやるくらいなら、少しチェックしたらどうかと思います。 結果的に本人は自殺してしまって、この時もサポートと言うか面倒見をもう少しちゃんとやっておくべきでした。

本人とは直接話をしたことは無いですが、某知事の横で知事が別の人と話をしている間、そばでじっと話の終わるのを待っていたのが記憶にあります。 単に挨拶をしただけですが、某知事は「おっ」と手を上げただけでした。 この時はすでに下野していて、特に役職も無かったように思いますが、元民主党代表であったことは間違いないですので、ちょっと意外な力関係に愕然としたことを覚えています。 小沢さんとも稲森さんとも近いので、それなりのアドバイスはもらっているはずですが、結果が悪すぎます。

希望の党も、あまりに急ぎすぎたので、ガタガタでしたね。 大阪維新でも元の代表が知事になって2年で地方政党、その後2年経って初めて国政政党にやっとなったので、今回は余りにも短すぎる。 安倍首相の仕掛け勝ちと言う話もありますが、1年後でもしんどいと思います。 余りに頼りない元検事と急遽参加した脱藩組でもギクシャクしていたので、最初から話にならなかったのだと思います。

政権選択選挙と言いながら、たいした政策も無し、首班候補もなし、候補者の数もなしで、もし万が一政権交代が起きても、参議院は多数を取れないので、またまたねじれ国会となり、単に政治混乱を招いただけでした。 前回の政権交代は、小沢一郎が大戦略を立てて、まず参議院から崩していって、政権交代に繋げたのであって、その後の問題はいろいろあったものの、今回のような単なる風だけではなかったように思います。

それにしても国民は前回の政権交代で大いに学びました。 「安倍政権は嫌いだが、他の選択肢が無いので、しょうがない。 ヘタすると政治混乱を招く。」と言う非常に冷静な判断があったのではないでしょうか。 はっと気がつくと、音なしの構えだった北朝鮮の問題もあるし、中国では6年どころか10年以上ひょっとしたら20年以上も習近平体制が続きそうで、非常に合理的な判断だったと思います。

音なしの構えの北朝鮮を想定して、解散を打ったのだとしたら、たいしたものです。 日本だけでは無理ですが、アメリカからは種々の情報が寄せられていたと思いますので、単なる偶然で北朝鮮がおとなしくなったわけでは無さそうです。 要するにアメリカが本気でやり出そうとしているようなので、トランプ訪アジア後から年末にかけて大きな動きがあるのではないでしょうか。

戦略爆撃機のB1Bが秘密裏に北朝鮮沿岸を飛行したのに、それを北朝鮮が探知できなかったのではないか、と言われていて、旧式のレーダーでは、最新式のステルス機能があるB1Bを察知できなかった様子で、北朝鮮はこれに非常にショックを受けているのはないでしょうか。 知らない間に侵入されて、爆撃される可能性がたかまったのですから。

政権の安定でサスガに株価は上がりました。 余りの急激な上昇に、売りをしかけた投資家の死屍累々だったそうです。 売りの返済による踏み上げで、株価の上昇に弾みが付いたと言う話もあります。 水曜日には少し下がって16連騰は消えましたが、その後の金曜日の後場で一気に上がりました。 本稿は日曜日に書いていますので、月曜日がどうなるかです。 中期的には23,000円だとかPERで見ると24,000円だとか、25,000円だとかと言う見方もあります。 海外や日本の機関投資家がまだ本腰を入れていないようなので、大幅な下落リスクは少ないと見られていますが、北朝鮮で何かあると下落になるのではないでしょうか。

経済の最後の問題の賃金上昇ですが、なんでこれを総評/民進/みどりで推進しないのか? 以前は賃上げは労組の専売特許で、スト含めてドンドンやってました。 これだ人不足に陥っているのに賃金が上がらない、特に組織率の高い大手で賃上げ要求が出てこないのは理解できないです。 財界も政府から3,000億円負担しろ、と言われるばかりで、何ら政策があるような印象がありません。 以前なら賃上げして経済に好影響を与えると言うような議論が賃上げ交渉でもありましたが、最近では政府が要求するばかりで、妙に政治に介入したりして、何のための労組かと思います。



最近のIT分野の大きな話題はWifiセキュリティのWPA2の脆弱性が、明らかになったことでしょう。 セキュリティ無しは論外としても、最初のバージョンであったWepはいとも簡単に解読できることが分かって、その後はWPA2が主流になっていて、これ以外は設定しないようにと言う注意があったのですが、これも破られてしまったと言うことです。

正確に言うとWEPのように暗号そのものをクラックしたと言うことではなくて、その暗号キーそのものを入れ替わってしまうと言う問題です。 キーをやりとりするときのプロトコルに穴があって、それを利用してキーを入れ替えてしまうと言うものです。 全世界では、天文学的な数のWIFI機器が存在するので、その対応は非常に困難だと思います。 PCやスマホに関しては、ドライバーを更新すれば良く、すでに更新パッチが配布されているそうですが、問題はルーターなどの単体機器で、これのファームウエアの更新は並大抵では無さそうです。

当面の対策は「有線化」と言うものですが、これはほとんど意味が無いです。 一番有効なのはVPNを使うことで、一部のウイルス対策ソフトには有料ですが、そのような機能があるようです。 本来はセキュリティなしのパブリックWIFIを使うための機能ですが、こうなってはWPA2があろうが無かろうが、セキュリティがないものとして考えないといけないようです。

もっとも無線の有効範囲内に入らないと盗聴は出来ませんので、人が多い所以外では、そんなに神経質になる必要もないと思います。 ただピンポイントで狙われると、打つ手無しで、VPNを使うしか無いと思いますが、同じピンポイントなら他にも手がありますので、手間のかかるWPA2クラックより他の方法を選ぶかも知れません。

今月の読み物は「闘いを記憶する百姓たち: 江戸時代の裁判学習帳」 歴史文化ライブラリー 単行本 八鍬 友広 著¥1,836

オススメ度 ★☆☆ 興味のある人は読むべし

むしろ旗を押し立てて、手には鍬や鎌を構えてと言うのが百姓一揆のイメージだと思いますが、これは江戸時代前期までのことで、その後は主に訴状をだして、今で言う訴訟に近いものだったとのことです。 もっとも現在の民事裁判とは異なり、ヘタをすると首謀者は死刑になると言うリスクもあっての上の訴訟だったようです。

しかも、この訴状が教材として広く流布していたと言うのは驚きです。 ここで主に取り上げられている「白岩目安」は単純な訴えでは無くて、10年以上に渡る領主との摩擦の結果ですので、為政者にとっても、非常に機微なテーマだと思います。 そこまで追い詰められているので、命を掛けてでも訴訟を行うと言うことになるのでしょうが、このような機微な文書が、教材として流布していたのは、さらなる驚きでした。

寺子屋で用いられていたような、如何にも教科書と言うのでは無くて、一見古文書そのものと思われるものでも、往来物と言われるような教材として出回っていたのです。 日本の古い家には多量の古文書がありますが、新聞記事になるような「龍馬の手紙」みたいなものはほとんど無くて、手紙の書き方のような往来物が良く出てくるとのことです。 他に多いのは、当然ながら借金証文や年貢を収めたあとの領収書である皆済目録などで、永久保存文書が多いのは当然だと思います。







今月のひとこと2017年10月号

2017-10-02 11:35:57 | Weblog




毎月一回はその時々のトピックスをお送りしています。 本家の http://www.masuda.org/ もよろしく

絵や写真をクリックすると、その関連ページが参照できます

アクセスカウンター


2017年10月2日
今年は9月末になって旧に寒くなってきました。 先日の明け方には14℃になっていました。 そんなに低温では無いのですが、暑さに慣れた体には寒く感じます。

気候の急変と共に、政界が騒がしくなってきました。 安倍首相の突然の解散に端を発して、大きな政界再編に結びつきました。 それにしても民進党は情けないですね。 一度政権についた党とは思えない、まとまりの無さと誇りのなさです。

希望の党に入れてもらえないとかの、何とかしてくれない病に取り付かれているとしか思えないです。 安保法案にあれだけ反対していた政治家が、アッサリ希望の党に合流できると思う方がおかしいのであって、正反対の意見を持つ政治家が同居してたのですから、ここはアッサリ党を半分に割って、リベラルと言われる政治家は行くところが無いのですから、保守サイドが希望の党と合流したら良かったと思います。 しかし前原党首にそこまでの力すら無かったのか、はたまた個人の能力のせいか、なんとも無様な最後となりました。

民進党の原理主義者」、「理想主義者」、「現実主義者」などと言われて来た政治家たちが、何も言わないのも失望です。 リベラルの新党立ち上げが話題になっていますが、最初から粛々と撤退すべきだったと思います。

小池知事が出馬するのでは? と言うことが話題になっていて、先週の段階では出るのではとなっていたのですが、日曜日のNHKの番組で、出ないと若狭議員が述べたので、その可能性は急速に減ってきています。 恐らく過半数に達する候補者を用意できていないと思いますが、これくらいの票読みは、希望の党はもちろん政治評論家やマスコミに出来て当然だと思います。

自公が過半数を割ると、維新などとの連立内閣の可能性が出てきますが、これは日本にとって悪夢以外の何者でも無いと思います。 世界の中で日本の政治だけが安定してポピュリズムとは無縁だと思われていたのですが、とうとう日本にもポピュリズムの波が突然あらわになったと言うことでしょう。

この点では世界を十分見て、世界の流れを体感してきたはずの安倍首相の想定ミスだと言わざるを得ません。 やはろ3期目を睨んで、来秋の退陣を想定していなかったので、早期解散に踏み切ったのですが、パンドラの箱を開けてしまったと言うことです。 最後に残ったのが希望だと言う話ですが、現在ではポピュリズムと言う怪物が残ったとなってしまいます.

最近のIT分野では量子コンピュータが話題を集めています。水中での量子通信や衛星との量子通信も高速で行われるようになり、いよいよ量子による情報処理が本格的になりそうです。 AI分野の技術シンギュラリティと言うかクオンタムジャンプはディープラーニングでなされ、認識技術の飛躍的な向上に繋がりました。 しかし更なるジャンプには別の技術が必要で、これが量子情報処理かも知れません。 これによりAIも自意識を持つようになり、人間に一歩近づくかも知れません。 あと10年内には、何らかの結果で出てくるでしょうから、生きているうちに、自意識を持つAIを見ることが出来るかも知れません。

量子コンピュータの分野では半導体の上で量子もつれを作って処理するものが主流ですが、量子ビットの数が少なくこれ以上の規模拡大には制約がありましたが、最近のニュースで、光を用いた量子コンピュータが発表されました。 予算の時期なので、来年度の予算狙いのプロジェクトがどんどん発表されますが、これはすごいものだと思います。 量子ビットも数百万ビットも見込めるとのことで、非常に大きな可能性を感じさせます。

今月の読み物は、江戸の長者番付 (青春新書インテリジェンス) 菅野 俊輔 (著)
Kindle版 ¥864 新書 ¥961

大名やトップクラスの武士の年収は、現代の地方自治体に当たるので、現代と比べるのは余り意味がないと思います。 面白かったのは歌舞伎の入場料とかミソ醤油や傘下駄の値段なんかは面白いです。 現代と比べて意外に高いものと安いものや、ほとんど変わらないものも多くあります。

明治維新によって徳川幕府が否定され、その治世であった江戸時代が必要以上に過小評価されていますが、この本を読むと、特に江戸時代後半は現代とほとんど変わらない生活を送っていたことが、良く分かります。

本書にはあまり記述がありませんが、当時もサラ金があって、大名は年貢米の前借りでお金を借りていました。 それも利率は非常に高く、十数パーセントから20数パーセントにもなります。 金貸しは当然に儲かりますから、時々徳政令で借金棒引きをされても、何とか生き延びることが出来たのでしょう。

面白いのは、1両10万円で換算すると、千両は約1億円。 千両箱と1億円入りのアタッシュケースはほぼ大きさも重さも同じようなものになります。 また1石は1両相当ですので、この換算で行くと、加賀100万石は1000億円となり、これは知行の石高なので税率40%とすると、400億円となります。 一概に比較は出来ませんが、石川県の平成29年度一般会計予算が約5300億円で、しかも市区町村の予算が入っていませんので、当時は非常に小さな経済圏であったことが分かります。

内容紹介
江戸幕府の八代“暴れん坊"将軍の年収は、なんと1294億円!
その将軍に勝るとも劣らない1000億円超の年収を稼いでいた人物とは?
江戸きっての大豪商である三井越後屋・三井八郎右衛門の驚愕の収入は?
いっぽうで、“宵越しの金を持たない"庶民や、内職が欠かせない下級武士の稼ぎは……
驚くべき年収ランキングから、江戸のリアルな生活事情が見えてくる、興味津々の一冊!