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川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

なぜ、地方参政権なのか。

2007-07-29 07:28:58 | 在日コリアン
 我が家の「一応庭」の百合が咲き誇り、ギボシが清楚な花を咲かせました。やりきれない蒸し暑さに夕べは今夏、はじめてエアコンのスイッチを入れました。しばらく、こんな日が続くのでしょうか。僕の体調には暑い方がいいので我慢我慢。
 今日は投票日なので参政権について。民主主義を標榜する今の時代に、祖父母や曾祖父母の代からこの国に生まれ育って自己を形成してきた人たちが選挙権も被選挙権も持たず、今日の一日を過ごす。どんな精神状態に置かれるのだろう。僕にはとんと、想像がつきません。そして、そんな不条理に目立って声を上げる当事者もいないのですから驚きです。40万人の在日コリアンにかかわることです。
 マニフェスト(といっても新聞に出ている一覧表ですが)をみると公明党だけが「永住外国人の地方選挙権付与を実現」と書いてあります。近頃、目に見えて増えている中国人などのうち「永住資格」を持つ人たちについていっているのなら理解できます。人口減少社会に来てくれ、この社会に住み着いて貢献してくれる外国人に地域社会の一員として地方選挙権を付与することは未来志向のよい政策だと僕は思います。
 しかし、在日コリアン問題の解決にはなりません。なぜ、この社会のフルメンバーとして処遇してはならないのか。
 ネックになっているのが「国籍」であることは明らかです。国政に参与するためには国籍を持つことが必要なのです。外国人に国政参与の権利を保障している国は世界のどこにもないのです。40万人の在日コリアンは1952年以来外国人とされ、親子代々それを維持しているために起きている問題です。
 旧植民地出身者が半世紀以上も居住国、出生国の国籍を付与されない等という例は世界のどこにもありません。なぜ、こうなってしまったのか、どう解決したらよいのかを智恵ある者は考えなければなりません。
 先日、ある在日コリアンの知識人と話していてあきれたことがあります。外国人に参政権を認めていないのは世界中で日本だけだというのです。この人は50年あまりをこういう認識を持って生きてきたのです。父母の世代が受けてきた受難と自分が体験した民族差別のトラウマが「日本」という国を冷静に見ることができない感情を育てたのでしょうか。「反日」が衣を着ているようです。
 かつて、朝鮮総連系の学生組織にオルグされて民族意識に目覚めたばかりの高校生が似たような言説を弄したことがあります。自己確立の過程でやむを得ないことと思ってきました。歴史や現実をリアルに認識していくことで自分に自信がつき、地道な生活者となって社会変革の担い手になっていくことが期待されますがなかなかに難しいことです。
 反日感情が先に立ってしまったら、現実が見えなくなってしまいます。在日コリアンの国籍問題がなかなか解決しない一つの原因はここにあると僕は思います。帰化により日本国籍をとった人たちを「民族の裏切り者」と処断してきたリーダー層の感情は今日に至っても根強いものがあります。このような感情を鼓舞し、金父子の独裁体制に囲い込んできたのが朝鮮総連の「民族教育」です。
 ほとんど実体がないにもかかわらず、民団(在日本大韓民国民団)が在日コリアンの代表であるがごとく振る舞っているのも同じ事情によるといえるでしょう。
 民団は定住外国人の地方参政権の獲得を目下、最大のスローガンにしています。朝鮮総連はあいかわらず、金父子への忠誠を誓い、民団の運動は日本人化を促進するものと妨害しています。
 在日コリアンの大多数はこれら二つの組織の影響下にはいません。実体としてはコリア系日本国民として生きている人々が大半です。にもかかわらず、「国民」として処遇していないのが問題なのです。ならば帰化によって国籍をとればいいのではないか、という声が聞こえてきます。事実、そうやって国籍を取得している人が1年に1万人くらいいます。しかし、それでは真の解決にはならないから僕は朝日新聞に投書したのです。16日の「川越だより」をもう一度読んでください。
 matumotoさんが二重国籍に言及されています。僕もそういう検討に賛成です。現に今回の選挙にペルーの元大統領フジモリさんが立候補しています。日本は法律上二重国籍は認めていないのに(22歳までにどちらかを選択)、実際は認めているのです。韓国の場合は日本より厳しく、外国の国籍をとったものは政府が一方的に国籍を剥奪するという法制度になっているようです。ですから、韓国の法律を改正させねばなりません。
 コリアンの友人たちに呼びかけます。もっとしっかり声を上げてください。我々にも選挙権を!と。そしてみんなで力を合わせて「国籍取得特例法」を成立させよう。