例えばおいしい餃子を作ったとして、それを自分で作るのではなく、
時給800~900円の人たちに作らせる能力。
それから、同じ餃子でも付加価値をつけるというのもある。
例えば四季折々の季節感を盛り込んだり、中国4000年の歴史を
ひもといて、その中から何らかの付加価値を引っ張ってきてアレンジする
みたいなこと。
オペレーターとしての価値には限界がある。
それに開発する価値と人を育てる価値が加わると、人件費は広がる。
(「齋藤 嘉則の現場イズム」 著:齋藤 嘉則、東洋経済新報社より引用)
■この文章を取り上げた理由:
料理人は料理をうまく作れるのは当然。
「自分はこれだけ料理が上手だ」とアピールされても、
突き詰めるとこの人は一時間につき餃子を何個作るかという話になります。
そして、その価値しかないとすると、限界はすぐに表れます。
その限界を超えて、より高い価値を出すにはどうすればいいのでしょうか?
3つの方法があるのだと思います。
1つは、自分と同じだけの高いスキルを持った人を育てることです。
弟子を1人育てられれば、従来比2倍の生産量になります。
2つめは、プロセスを変えて、従来とは比較にならないだけの
スピードを実現することです。
人間の力では1時間に餃子を500個作るのが限界だとすると、
同じレベルの餃子を1時間に1000個作れる機械を発明するなどです。
そして、最後が、従来より質の高い仕事をすることです。
上の例で言うと、従来より格段においしい餃子を作ることです。
そう考えてみると、イノベーションの種ってものは、
意外にゴロゴロ転がっているのかもしれません。
あとは、それを実現するための論理や仕組みを作れるかどうか。
その勝負になるのではないでしょうか。