鶏口舎(けいこうしゃ)な日々

木彫りとレジンで招き猫やお地蔵さんなどを制作している「鶏口舎」です

樹齢1000年以上の台湾紅檜の机を作りました

2024年06月05日 | 木彫の話し(道具や材料、木材について)

樹齢1000年以上の台湾紅檜の机を作りました(台湾紅檜は東アジア最大級の巨木です)
台湾紅檜についての解説記事があります→クリックで記事が開きます

色塗り用の机を新しくしました
木材は川越銘木センターさん→クリック ホームページ
から仕事のパートナーのピノッキオの韮澤さんの勧めで購入していました
なかなか机にする機会がなかったのですが、この度色塗り用の机として
鶏口舎のアトリエに仲間入りしました


この机の凄さは川越銘木センターさんの社長さんの
ブログを読んでみてください→クリック 川越銘木


前よりか広くなりましたので使いやすいです
なによりも紅檜の色合いと匂いが素晴らしいです
これから、20年30年と鶏口舎と共に歩んでくれる机になります


私目線ではこんな感じになります
今は、彫りと色塗りとパソコン作業は一部屋でやっています

クレイケーキを作ったり書類整理は居間のテーブルでやっています
実は居間のテーブルも同じ紅檜からとれた共材で作る事にしました
楽しみです
いろいろ協力してくれたピノッキオの韮澤さんにはとても
感謝しています
そして長い間大事に保管してくださった川越銘木センターさんにも
とても感謝しています
木彫り作家さんはぜひ一度行ってみると良いですよ
大変大きな倉庫に素晴らしい木材が沢山あります
ちなみに今作っている子供ペンギンは川越銘木センターさんに
伺った時に買った木曽檜を使っています
(どこで買った木とかそういうのはわりと覚えていますよ)


最後に28歳の時に一人暮らしをする為に買ったこの白いテーブル
とは昨日お別れをしました
11年間鶏口舎の色塗りを支えてくれたテーブルでもあります
なぜかひのちゃんが載ってくれて良い写真が撮れました
ありがとう!

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天然木曽檜(ヒノキ)

2017年02月10日 | 木彫の話し(道具や材料、木材について)

久しぶりの天然木曽檜シールです
必ず、シールがついているわけではありません
でも、シールがついていると、何か嬉しい〜

この天然木曽檜(キソヒノキ)についての説明は→こちらの記事参照


塗り終わった方たち


ねこ雛人形は作る事にしました

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鶏口舎で用いている台湾檜、台湾紅檜材の解説

2016年10月15日 | 木彫の話し(道具や材料、木材について)

寄稿:ピノッキオ韮澤やすおみ

今回は、鶏口舎さんが用いている台湾檜(タイワンヒノキ)と紅檜(ベニヒノキ)を解説します。

僕は、鶏口舎さんが使用する木彫材を探したり、見極め買い付けたり、それを製材するお仕事を頂いております。
用材ブレーンといったところでしょうか。
僕自身、木工玩具作家であり、自分のところで使う材も探しているので、
良い材を共有しているともいえます。


台湾檜の犬張子

★まずは台湾檜と紅檜の概要
さて、今回の台湾檜(タワインヒノキ)、紅檜(ベニヒノキ)についての解説ですが、
こちらの材もまた素敵な材であり、鶏口舎さんに納品しておりまして、すでに、
その材の作品を世に送り出していらっしゃるようですね。

台湾檜(タイワンヒノキ)と紅檜(ベニヒノキ)は数千年ほど生きる木です。
日刊林業新聞社 銘木要覧(めいぼくようらん)の解説によると、
確認されている紅檜(ベニヒノキ)の大木は樹高40メートルを超え、
直径は12メートルを超えるそうです!ひえ~!大きい!
紅檜(ベニヒノキ)は東アジア最大の木なのです!この顔文字を使いたくなりますね
(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!!

ぜひベニヒノキで画像検索してくださいね。屋久島の縄文杉の直径が約5メートルですから、
縄文杉を実際に見たことがある方は尚更ビックリな大きさだと思います。
日本の大木が赤子に見えますよ。

さて、台湾檜(タイワンヒノキ)の方ですが、こちらは日本のヒノキと同じような大きさに育ちます。
二千年以上生き、直径が3メートル以上になるそうです。


なお、台湾檜(タイワンヒノキ)と紅檜(ベニヒノキ)は、日本のヒノキの近縁種であり、台湾の固有種となります。

そんな台湾檜(タイワンヒノキ)と紅檜(ベニヒノキ)を鶏口舎さんに納めているわけですが、現物画像を後ほど公開します。

※台湾檜(タイワンヒノキ)
※紅檜(ベニヒノキ)
読み方を覚えましたか?以降読みがなを省略しますので、ここでバッチリ覚えてくださいネ


★現在は入手困難な貴重な木
台湾檜や紅檜。一般のかたの間では、あまり聞きなれない樹種名だと思いますが、
奈良の大仏殿、首里城、明治神宮の鳥居などに使われてきた材です。
日本は早々に大木のヒノキを切り倒し尽くしてしまったので、台湾の山に頼ったのです。

しかし現在は・・・・入手が大変困難です。
乱伐(らんばつ)を避ける為に台湾政府が1992年に伐採禁止を決め、
森林の保護に努めておりますので、素晴らしい材だけれども、
枯れたり強風で倒れるなどのレアケース以外では出荷されない状況です。
しかも、それらの材でさえ、中国や新興国の経済発展に伴い、
競りで日本以外の国の業者が落札するケースが目立ち、日本の業者が輸入できる事がほぼ無い状況です。

僕が鶏口舎さんに納品した紅檜の入手の経緯はこんな感じです。
某政府のとある機関が自らの施設に使うために、某銘木店の倉庫にて発見された事を聞きつけ買い付けに。
全てを買い上げていかなかったので、残った分を販売して頂きました。
伐採禁止は厳格なルールなようです。身内だとしても、伐採を許すような特例が無いのだなと
知ったエピソードとなりました。(詳細は鶏口舎さんも知っています)

★鶏口舎さんに納品した紅檜
では、実物画像を元に、紅檜を先に解説します。
紅檜はその名の通り、台湾檜に比較し材の色がより赤く、どちらかといえば赤身が薄い台湾檜のほうが需要が高く、
かつては台湾檜のほうが高値で取引されていましたが、現在では紅檜も入手困難な為に、
状態の良いものが在庫として残っていれば、高値で取引されています。

紅檜の素晴らしさを画像でお見せしましょう。
こちらが鶏口舎さんに納品したものの一部です。すでにこのサイズに製材済みの古い在庫です。
何かに使おうとこのサイズに挽いたまま、数十年以上、使用されることなく今日に至ったものです。


45センチ幅の柾目(まさめ)の材です。柾目(まさめ)は1本の木の30パーセント以下しか採れない貴重な部位です。
柾目(まさめ)の板は貴重ですからより高値になります。すーーーっと流れる木目です。
しかも、途中で切れておりません。これは素晴らしいですよ。マグロで言えば大トロみたいなものです。
柾目でも途中で斜めに流れて途切れていたら価値が下がってしまいます。
大トロみたいな貴重な部位がよくぞ残っていました・・・


表面を拡大すると・・・・年輪がとにかく続いております・・・・。
45センチの幅の中に何百本の年輪があるのでしょうか?
どなたか数えてみませんか?拡大画像をどうぞ。(僕は途中で数えるのをやめました・・・@@,)


0センチから10センチ


10センチから20センチ


20センチから30センチ


30センチから40センチ


40センチから45センチ。何百年分の年輪があるのでしょうか・・・

比較対象が欲しいですよね?樹齢60~70年くらいの、岐阜県産の植林ヒノキを比較対象として撮影しました。

柾目の板の幅が45センチもあるという事は、相当な大木の証です。
日本の植林ヒノキでは絶対に採れないサイズです。
幅と年輪の数。この差が価値の違いです。


側面はこんな木目が現れています。屋久杉の笹杢(ささもく)と呼ばれる木目に似ています。
ヒノキやスギの大木にはこのような繊細な木目が現れる事があります。


参考までに屋久杉の笹杢の現物です。(柿木司氏の屋久杉成長調査に照らすと樹齢1000~1600年の材)。


★台湾檜について
こちらは少しの量しか確保出来ていないのですが、相当な大木であったことが分かります。



弧の大きさで直径を推定できそうですね。

さきほどもお伝えしましたが、明治神宮の木造鳥居が台湾檜で造られた事は有名な話ですが、
近日、修復の為にその他材となるそうです。台湾檜が入手できませんので仕方がないですね。
日本での大木の乱伐は1000年以上前から始まった訳ですが、当時、正確な国土の地図はなく、
山や大木が無限にあるかのような錯覚をしてしまい、大きな木造建築物を無理して作り過ぎてしまったのです。
そして今、古いものを維持していく事は大事ですが、しかし、現実というものもありますから、
海外の大木に日本文化のしわ寄せを求めるくらいなら、多少の設計のリファインは仕方ないのかな・・・と、
僕個人は思う事があります。

★大切に大切に・・・・
日本は大木のヒノキを切り尽くし、台湾の山に鉄道を作ってまで大木を大量に切り出してきました。
そのような過去の歴史については、ここで語る事はありません。

ただ思う事は、今、残っている台湾檜、紅檜を、作品に転生させたいということ、
みなさんの身近なところで可愛がってもらえたら・・・その木はきっと喜んでくれるだろうということ。
そんな事を鶏口舎さんと、ふわふわと思っています。
残り少ないそれらの材を、大切に・・・ほんとうに大切に、最大限ムダが無いようにしていきたいと思います。

★鶏口舎さんにインタビュー
鶏口舎さんのブログでありながら、鶏口舎さんに取材しちゃいました。

韮澤より:質問
今回の台湾檜と紅檜をどのように感じ、どのような気持ちで制作していますか?

鶏口舎:返答
台湾檜を彫った時の衝撃を今でも覚えています。
いつも使う天然木曽檜とはちがう、圧倒的な魂みたいな
ものを感じました。
紅檜も手に取った瞬間に、作るべきものが、思いつきました。
長く生きてきた木には、何か不思議なパワーを感じます。
彫っていますと、木が私に語りかけてくるような気がします。
その魂を作品に込めて、お守りになるような作品を作りたい
と思っています。

以上にて、今回の記事を終わります。

★あとがき
鶏口舎さんの作品は空気が違う。そのような評価が僕の所へも聞こえてきます。

その“空気”の理由は何でしょうか?

塗りのお仕事も彫りのお仕事もお上手です。そういう技の部分も理由としてあるでしょう。
そして・・・・・大木の材を用いているという理由もあるでしょう。

大木は・・・・・長い年月を、春夏秋冬を、晴れの日を、雨の日を、穏やかな日を、嵐の日を、数百年以上も生きてきました。
その生命力が、作品に宿っているから、何やら空気が違う作品になるのかもしれません。


木は二度生きる、というフレーズを鶏口舎さんは好んで使います。その通りです。
鶏口舎さんが、大木を作品に転生させ、世に送り出し、みなさんのお家で、大木の第二の人生が始まります。

人里離れた山で長く生きていた大木が、作品となって、みなさんのお家でほっこりと第二の人生を始めるのです。

長い年月を生きた木に敬意を籠めて、今日も一生懸命に彫っている鶏口舎さん。大木も喜んでいる事でしょう。

僕も、今後も、一生懸命に材を探し、鶏口舎さんにバトンタッチし続けていきますね。

鶏口舎作品の魅力の神髄に迫る記事にもなりました。それでは今回の寄稿記事を終えます。

今後も、素敵な材を納品した際は寄稿させて頂きます。



韮澤やすおみ(木工玩具制作ユニット・ピノッキオ。もぐらのもぐインターネット絵本作者)

★その他の材も解説しております。
鶏口舎で用いている天然木曽檜材の解説(クリック)
※鶏口舎で用いている一位材の解説(クリック)

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鶏口舎で用いている天然木曽檜材の解説

2016年10月09日 | 木彫の話し(道具や材料、木材について)
鶏口舎さんの天然木曽檜(てんねんきそひのき)の解説 

寄稿:ピノッキオ韮澤やすおみ

鶏口舎さんが木彫り作品に用いている、天然木曽檜(てんねんきそひのき)について解説します。
天然木曽檜(てんねんきそひのき)の全てを語ろうとすれば書籍を数冊作れるほど奥深いものです。
今回の記事は要所を語るに留めます。

僕は、鶏口舎さんが使用する木材を選定し、準備するお仕事を頂いております。
鶏口舎さんの用材ブレーンといったところでしょうか。

さて、鶏口舎さんが主な材として使用している天然木曽檜(てんねんきそひのき)。
とても素敵な存在です。今回の記事では・・・・

●そもそも天然木曽檜(てんねんきそひのき)とは?
●鶏口舎さんが天然木曽檜を主な材として選定した理由

をテーマに解説していきます。

※天然木曽檜(てんねんきそひのき)。以降読みがなを省略します。
ここで読み方を覚えておいてくださいね。


★伊勢神宮と天然木曽檜と鶏口舎の話
伊勢神宮をご存じかと思います。神社本庁の本宗です。
20年に一度建て替えることもご存じかと思いますが、その式年遷宮(しきねんせんぐう)の際に、
最も神聖な箇所には天然木曽檜を使用する事が指定されています(後半でもう少し詳しく)。
鶏口舎さんは伊勢神宮近くの「おがげ横丁 吉兆招福亭」にも作品を納めております。
そんな点と点を繋いでいくと、天然木曽檜と鶏口舎さんの関係が見えてくるのですが、
今回の記事は、点と点を結んでいく形で進んで行き、最後に謎を解く形で終わります。

では、「点」を一つずつ語っていきましょう。



★天然木曽檜。なぜ天然?
日本では、ヒノキとスギを人工的に植林して生産している山が多くあります。
いわゆる植林ものです。それに対し、種から芽が出て自然に育った実生(みしょう)
のヒノキやスギがあります。銘木(めいぼく)業界では、植林のものと、実生のものを分け、
実生のものを、天然ヒノキ、天然スギと読んでおります。
ですから天然木曽檜は、種から芽が出て自然に育ったヒノキという事になります。

★ビジュアルで知ろう♪天然木曽檜
さて、木曽の山で種から芽が出て自然に育った天然木曽檜。実物をスキャナーで読み取りました。
埼玉県飯能市(はんのうし)の山に植林されていたヒノキと比較してみましょう。





木曽の山は年間の平均温度が8度程度だそうです。寒い事もあり成長が遅いのです。
その結果、年輪の間隔が大変詰まっており、高級な木材となります。


★そもそも、ヒノキとは?ここであらためて



日本書記によると、スサノオ神の胸毛が抜けて日本の国土でヒノキになったそうです。
それが現実の出来事かは分かりませんが、しかし不思議な事に、ヒノキは日本固有の種類です(台湾に近縁種がある)。

日本固有の種ではありますが、長い時間を掛け日本各地で気候に合わせて進化し、各地により少々個体差があります。
そして、その差は、木材の品質としても現れます。ヒノキ材は産地により品質の差があるのはその為です。

★天然木曽檜の価値を知ろう
天然木曽檜の価格的な価値ですが、天然木曽檜は、国産ヒノキ材の中で群を抜いて高値で取引されております。
ここで1例を。

例えばこの天然木曽檜の一枚板。川越銘木センターさんの倉庫で撮影してきました。
推定樹齢1000年以上。節(ふし)は一切無し。幅1メートル弱。長さ4メートル以上。
この寸法で無節の天然木曽檜の一枚板は、国内での在庫はこれが最後と言われております。
節があるもの、幅が狭いものはあるのですが、ここまで極上のコンディションのものは枯渇しております。
さて、こちらの物件はお幾らくらいでしょうか?想像してみましょう。








50万円くらい?いやいやそんな訳はありませんね。じゃあ100万円くらい?
その金額では「桁」が違うかな。まあそんな価値がある材なのです。
川越銘木センターさんは良心的価格なのでその価格で決して高いという事はありません。
売主さんが違えば2000万円という事だってありえるでしょう。さらに高くても僕は驚きません。

この材を廊下の床板としてフローリングの代わりに、表面を仕上げてこのままハメ込み使うとか、
細かく分けて幅広の階段に使い、木目が繋がった階段として利用してもいいかもですね(もったいないですが)。
玄関の式台にしてもいいかも。
高級和食店のテーブルにしても良いでしょう。お店の空気が凛とするでしょう。料理が引き立ちますね。

木材としての価値について話題を変えます。
天然木曽檜の色味は、ヒノキの中では白い部類になり、建具などに用いれば美白で品がある風情になります。
赤身が強いヒノキでは赤い建具になってしまい、どうしても見劣りしてしまいます。
そのような赤身が強い材は脂分が多いので、住宅の柱などの構造材に向いております。木曽檜は化粧用の高級材というわけです。

職人や作家、加工する立場からすれば、天然木曽檜は適度に柔らかく、細かな作品を作っても割れが起こりづらく、
繊細な加工が出来るのです。極上のフィーリングです。僕も大好きです。


★鶏口舎さんが天然木曽檜をなぜ使うのか?
鶏口舎さんが、天然木曽檜への思いを、時々言葉にしているので、
それらを僕の中で集約し、ここで代弁してみます。

「私の作品は物理的に小さなもの。その中に、最大限の何かを籠めたい。
だから、出来る限り素晴らしい材から彫り出してあげたい。
すると、小さな作品たちが、ちょっぴり誇らしげな顔になる。」

「利益を考えたら、ぜったいに天然木曽檜を使えないと思う。
でも、お客様に可愛がってもらいたい。嫁いでいく作品に私がしてあげられる事は、
最高の材から彫り出してあげる事」

「最高の材とは?日本人にとって伊勢神宮は特別な場所。その、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)で
、最も神聖な箇所である、ご神体を安置する御樋代木(みひしろぎ)は、
天然木曽檜を材とする事が指定されている。それをもって最も神聖な材と言える。
日本人である私が、木彫り作家として天然木曽檜を主な材とする事に、特別な意味を感じる。」

「天然木曽檜を彫るときは気持ちが高まる」

このような理由が鶏口舎さんのマインドにあるようです。僕はその思いに共感し、材を集めています。




ちなみにですね、天然木曽檜にも多少のバラつきがありますが、鶏口舎さんは、
それらの個体差をズバりと見抜きます。経験数十年の名大工さんもそういう個体差を見抜くわけですが、
名大工さん並みの感性を持っております。びっくりする事に気づくのです。
いつか別の機会で詳しく語りたい逸話があります。鶏口舎さんがある事を指摘してきて、
僕は木曽の製材所に問い合わせし、「よく気づきましたね・・・」と驚かれた事があります。
ふつう、気づかないらしいです。どうして気づかれたのですか?とのことで、
そう感じたそうです、と僕は返答しておきました。

天然木曽檜を極めんとする作家。僕はそう鶏口舎さんをリスペクトしています。


★鶏口舎さんへの製材
今回の記事の最後になりますが、こんな風に僕が準備をして、鶏口舎さんに送っているんだよ、
という現場からのレポートです。

まず、僕はいくつかの仕入れ場所を確保しています。それらの場所の中で、
鶏口舎さんのお目にかなうレベルの天然木曽檜を探します。

各仕入れ場所にて、最初は、うるさいやっちゃな〜と煙たがられました。
しかし最近では僕(と鶏口舎さん)の熱意に負け、良さそうなものを取り置いておいてくださるように。
そして、僕と鶏口舎さんのところは厚い信頼関係がありますので、たまには先に買っておき追って連絡することも。
現在、2018年の春くらいまでの分は確保できていると思います。

鶏口舎さんが使用している天然木曽檜は樹齢300年程度の材です。
天然木曽檜は、基本的にはそれくらいの樹齢のものが計画的に出荷されています。
樹齢100年くらいの木曽檜は細すぎますからね。
300年でやっとそこそこの太さになります。

植林ヒノキが30センチの太さになるには60年程度と言われておりますが、
天然木曽檜が30センチの太さになるには200年程度掛かります。














★今回の記事まとめ。三行で簡潔に。
一・伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮で、最も神聖な箇所に天然木曽檜の使用を指定されている。神聖と言える材。

二・美白で木目が詰まった材。高級品には最高。職人や作家が繊細な加工が出来る極上の材。しかし超高価。

三・鶏口舎さんは小さな作品の中に最大限のモノを籠めたいという思い。必然的に天然木曽檜を用いる事に。



★資料 日刊林業新聞社 銘木要覧より
・天然木曽檜は銘木中の銘木
・名古屋営林局付知営林署の天然木曽檜出荷台帳によると、明治神宮、出雲大社、
法隆寺金堂、熱田神宮、白鶯城心柱、皇居用材などの記録もある。


★オマケ情報。盆栽としてのヒノキ
盆栽としてのヒノキ。有名な品では皇居で培養されているヒノキの盆栽は樹齢100年を越えています。



こちらは鶏口舎さんが育てているヒノキの盆栽です。
こんな大きさですが、15年程度の樹齢と推測されます。津山ヒノキと呼ばれる種です。

まだまだ小さな品ですが、樹勢が良く、今後が楽しみな盆栽です。


以上です。今回も最後までお目通しいただきありがとうございました。
ピノッキオ韮澤やすおみ

★その他の材も解説しております。
※鶏口舎で用いている一位材の解説(クリック)
鶏口舎で用いている台湾檜、台湾紅檜材の解説(クリック)

*鶏口舎追記*
天然木曽檜の記事を読んだお客様から、こんなメールをもらいました。
『神社検定に合格したところ、認定証が伊勢神宮の遷宮に使われる
木曽の檜を使ったもの(小さい盾状)という説明付きで送られてきて、
とてもいい記念になっています。
名前と合格認定番号は焼き印風になっています。何だか厳かな感じ。。』

木曽檜は、神社検定の認定証としても使われているというお話に
とても嬉しくなりました。

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天然木曽檜 製材

2016年10月02日 | 木彫の話し(道具や材料、木材について)

9月にピノッキオさんに、天然木曽檜を製材してもらいました


ここから更に小さく製材をして、使います

この天然木曽檜は、すごく質が高い、彫りやすいものなので、
招きねこなど、細かいものを彫るように使います


材料の入手というのが、木材の仕事では
大変重要になってきます
銘木と言われる、良い材料は、値段は高いですが、
やはり良いものです


ネックレスの紐
先日ブログに、もうないと書いたところ
ピノッキオさんが持っているぶんを、いくつか譲って
くれました…
メーカーで廃盤になっているため、このぶんが
なくなりましたら、おしまいですが、大変
ありがたいです
緑系、青系以外にもう2色増えました
雫ネックレスを作ろうと思っているので、
そちらに使う予定です


ピノッキオさんの絵本が動画になりました
ぜひご覧ください↓クリック
http://mogura-no-mogu.blog.so-net.ne.jp/moguranomogu-ep1

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