goo blog サービス終了のお知らせ 

振り向けば大宮の夜が明ける。 少し変わった角度から眺めるの!

大宮在住。
伸び行く大宮市、
その時々の目に留まったことなどを楽しくユーモアも交えて
書きたいと思います。

オリオン星に向かって叫んだ醜いよだかその3

2019-02-27 06:03:09 | ブログ

 

まだ読んでいない方は

第一回目はここからです。

 

① 醜いよだかの星を賢治が童話に描いた!

 

醜いよだかの星を賢治が童話に描いた、その2

 

 

 

 「お日様、どうか私を連れて行って。」


「おまえはよだかだな。なるほど辛かろう、

今夜星に頼んでごらん。」


野原の草の上に落ち夢を見ていたよだかでした。

 


 一本の若いススキの葉から露が滴った

冷たい物が顔にポトンと落ちた時、

目を覚ましたよだかでした。







 f:id:wonderlandchang:20180209222224p:plain

もうすっかり暗くなり、

青黒い夜空には一面の星が瞬いていました。

 


よだかは、空へ舞い上がりました。


今夜も山焼けの火は真っ赤です。


よだかは、その火のかすかな照りと、

冷たい星明かりの中を飛び回りました。

 


それからもう一度息を整えて、大きく羽を伸ばして、

大きく大きく冷たい夜空を旋回しました。

 

 

 そして

思いきって西の空のあの美しいオリオンの星の方に、

直っすぐに飛びながら叫びました。

 


「お星さん。

西の青白いお星さん。

どうか私をあなたの所へ連れて行ってください。

焼けて命を落としてもかまいません。」

 

 

 

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcSQDue3O9fFWQAx-dbZLYufTyXNacLpkU_4HSXPtEj0yyzdbH5e

 

オリオンは勇ましい歌をうたい続けていて、

よだかをまったく相手にしませんでした。

 

よだかは泣きそうになって、よろよろと落ちて、

そしてやっと踏み留まり、

もう一度一人で夜空を飛び回りました。

 

 

 

 

 

 その後は、

南の大犬座の方へ直つすぐに飛びながら叫びました。

 

「お星さん。

南の青いお星さん。

どうか私をあなたの所へ連れて行って下さい。

焼けて命を落としてもかまいません。」

 

 

大犬は青や紫や黄色で美しく瞬きながらよだかに、

言いました。


「バカを言うでない。

お前はたかが鳥ではないか。

お前の羽でここまで来るには、億年兆年かかるよ。」

とそっぽを向きました。

 

 

 

 

http://livedoor.blogimg.jp/dodaira_observatory/imgs/9/1/9122eb0d.jpg

 

よだかはがっかりして、よろよろ落ちて、

それからまた2回大きく飛び回りました。


それからまた思いきって

北の大熊座の方へ真っ直ぐに飛びながら叫びました。

 

「北の青いお星さま、

あなたの所へどうぞ私を連れて行ってください。」

 

 

 

大熊座は静かに言いました。


「余計なことを考えるものではない。

少し頭を冷やしてきなさい。


そういう時は、

氷山の浮いている海の中へ飛び込むか、

近くに海がなかったら、

氷を浮かべたコップの水の 中へ飛び込むのが一番だ。」

 

 

 

https://kotobank.jp/image/dictionary/daijisen/media/104977.jpg

よだかはがっかりして、よろよろ落ちて、それからまた、

4回空を大きく飛び回りました。


星になりたいと

永遠に夜空に輝く綺麗な星になりたいと願った

よだかだったのでした。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。