higher ground

甘いものと政治の話

失政

2021-09-23 09:30:54 | 政治

先日、日本の人口の29%が65歳以上の高齢者となったというニュースをみかけた。前年から22万人増加の3640万人。国連の調査によると総人口に占める高齢者の割合は世界最高だという。

これこそ日本政治の失敗を表している…と思った。

もちのろんだが、高齢者が元気に長生きするしてくれることは素晴らしいことだ。

ただ…いまの日本社会は極端な少子化がすすんでいる。これは単純に日本が子どもを産み育てることが困難である社会であることを表している。

少子化なのに保育園は待機児童であふれる。女性は出産した後の職場復帰が難しい。男女ともに育児休暇がとりにくい。非正規雇用が日本全体の40%を占め、いわゆる中間層の崩壊が起こっている(世帯年収の中央値はこの20年で100万円以上も下がっている)。

しかしこれらのことは、すべて政治が解決できることだ。

どこに金を使うのか。どうやってお金を集めるのか。

その答えは実は簡単だ。

少子化が進むということは、単純に納税者が減っていくということだ。納税者が減るということは税収が減り、必要なサービス(社会保障など)が受けられなくなるということ。それを考えたら、どんな政策よりまず優先して考えるべきことだ。しかし日本の政治はそれをしてこなかった。お金は何よりも優先してここに使うべきだ。

そしていま日本は、その税収を消費税に頼っている。しかし消費税というのは、低所得者にこそ重い負担率となる税金。こういう言い方は語弊があるかもしれないが、「取れないところから取ろうとする」血も涙もない税金だ。

税金の目的は「富の分配」。その分配機能に反するのがこの消費税。ここに頼るというのがそもそもの間違いなのだ。

所得税の最高税率は1990年度70%だったものが、2018年には45%に→これは富裕層(所得1億円以上)から税金を取らなくなったことを意味する。法人税は1990年度40%だったものが2018年には23.2%に→23.2%は世界と比べたら高いという人もいるが、日本では大企業ほど税制を優遇する処置がとられている。

そう答えは簡単。富裕層、大企業からきちんと税金をとればいいだけの話。

ていうと、金儲けできているのは勝ち組だから、それだけ努力しているから。という人がいる。

でも考えてみてくださいよ、「勝つ人」がいるというのは「負ける」人がいて成り立つ。ビジネスというのは一人ではできない。従業員がいて、お客さんがいて成り立つ。こういう社会のなかに還元するのが社会の一員としての役目といってもいいのではないだろうか。