goo blog サービス終了のお知らせ 

時効警察 第9話(最終回) 最終回ピアノの女王は14曲で死ぬ

2006-03-30 21:52:16 | 時効警察

下町のモーツァルトといわれた放浪作曲家(雨田/ROLLY)が殺された事件を追う霧山。現場にはダイイングメッセージが残され、とうじは「男性の犯行の可能性」として捜査が進められましたが、いまは名の知れた作曲家として一年に一本のペースで自作曲を発表する「作曲家の女性」(冴島みどり/りょう)が、当時交際中であった「雨田への嫉妬」(あふれる才能を独り占めしたいと思った)から殺意をいだき引きこしたものでした。

時効警察 第9話「最終回ピアノの女王は14曲で死ぬ」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

今週もコメディセンスが光るセリフのおうしゅうでドラマはニギヤカニ。視聴者にどれほど届いているかは不明ですが、深夜の眠気を吹き飛ばす迫力は充分。

「才能ある作曲家の遺作を狙っての殺意……」という結末はある程度は予想できたものの、「奇行作曲家」の、死に際の心境(心意気)が、未来を感じさせるものとなっています。

橋のうえから突き落とされた雨田の心境――。死のふちにたったとき、並の人間であれば無念を引き摺るのが順当といえそうですが、「奇行でならした」雨田は、とっさに二つのことを考えたようです。

①ひとつは、みどりに被害が及ばないようにすること。②自分が作った曲が発表されること。恋人であるみどりに殺されたものの、彼女に作品を預けることによって、「自分の分身」が生きつづけるとでも考えたのでしょうか……もちろんそれは一瞬のひらめきでしょうが、作者はその「閃光」をドラマの中に記しています。

その後、みどりは「雨田の遺作」を毎年一作ずつ(十四年で十四作品)、自分の曲として発表し評価を受けていました。しかし今年発表する予定の、「十五年番目の作品」は、前半部分しか存在しないため、後半はみどりが独力で曲を作ることになりました。どうやらそれはかんばしくない完成度のようでやはり発表は中止。そしてみどりは自分のホントウの才能に気がついて……という結末。事件の背後を見る霧山の「神通力」は、なるほどとうならせるものが。

全九話、すべが1話完結という連続ドラマは、細部のこだわりと笑いへの執着によって安定した視聴者層をつかむことに成功。毎回繰り広がられる霧山と犯罪者との対決は手に汗握るものに。時効によって捜査が終了しても、「故人の意思や遺恨は永遠に続く」というドラマのメッセージは深夜の空間に刑事ドラマらしからぬ「無常観」をとき放っていました。(ドラマの視点)
記事がよろしければここを押してランキング順位にご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 第8話 最終章!! 美人教授の愛した数式

2006-03-30 21:50:50 | 時効警察
十五年前、大学の合格祝いの知らせを受け取った「仲良し二人組」が、郊外のレストランで盛り上がったのち、一人(弥生/桜井淳子役)はまっすぐ帰宅し、もう一人(律子/真木よう子)は野山で絞殺される(「死亡」)という事件があり、またも時効となりましたが、あれから十五年、いまは大学助教授の肩書きをもつ「弥生」になにかのにおいを感じ、霧山が動きます。

今週の演出は、テクノバンド「有頂天」でもおなじみ「ケラ」こと、「サンドロヴィッチ」。劇作、バラエティ番組などで精力的な動きを見せる演出家で、今回「時効警察」ではどんな作風になるのかと早々と注目を浴び、ここ終盤での登場となりましたが、女主人公(「弥生」)の人物描写がぴたりとはまり、どこへ飛ぶかわからない、スリルあふれた笑いのエッセンスを届けてくれました。

時効警察 第8話「最終章!! 美人教授の愛した数式」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

数学の天才、弥生は、国語がまるでだめ。それでも数式にかけては抜群の論理を展開し若くして助教授の椅子を手に入れました。律子が殺される直前まで、二人は一緒にいたというものの、店を出てからは別々の行動をとり、なんと律子は、「変質者がたびたび現れる」といううわさの野山に一人で出かけるという不可解な行動をとり、そのことで捜査線上に「有力者」が浮かびますが、「犯人である」と特定することは出来ませんでした。

弥生と律子の友情になにかのヒントがあると考えた霧山は、「二人が直前まで会っていたお店」に探りを入れ、ふたりには「共有の秘密」があることを探り当てます。

弥生は、数学が得意で国語が苦手でした。律子は国語が得意で数学が苦手でした。どうやら二人は、互いの苦手科目を「身代わり受験」して、それぞれ合格を勝ち取ったようでした。

しかし合格発表後の「打ち上げ」で律子は、そんな「身代わり……」をぽろっと歌に出したりしたことが、プライドが高く物事に慎重で意外に小心な、律子にとっては耐え切れないことでした。律子は口が軽いだけでなく、文才がありバラエティ作家になることが夢であり、この先「身代わり受験が、律子の心の中の、題材となり続ける」ことがおそらく必然であると考えたとうじの弥生は、「自分の将来のため、秘密の共有者である」律子を殺害したのでした。

霧山のそっくりさん(二役)が登場したり、ロシア語の通訳がめちゃくちゃであったり、また「多量の商品やサービスを提供する、大衆食堂」などというSF的な効果で視聴者を魅惑の世界へ。昨今お決まりのキャクターが氾濫するテレビドラマですが、視聴者の既成観念を超越する「サンドロヴィッチ」は、テレビのなまぬるさを破壊するさながら「宇宙人」のような存在か。(ドラマの視点)

記事がよろしければここを押してランキング順位にご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!


時効警察 第7話 主婦が素足になる理由をみんなで考えよう!

2006-03-30 21:49:29 | 時効警察
平成三年におきた「三億円強奪事件」の時効がきて「わたしが犯人……」と名乗り出る女性(聡子/葉月里緒奈)が現れました。聡子はたしかに自分がやったのだから、遺留品を返して欲しいといいますが、わけありでは?……と霧山が動きます。

時効警察 第7話「主婦が素足になる理由をみんなで考えよう!」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

どうやら事件は、「聡子」と「その友人・夏美」の二人三脚で仕組まれたようでした。聡子は、「発明マニア」で普段から人の考え付かないことばかり考えることが好き。実際にいくつかの特許を考案していたものの、なぜか自宅は貧乏すまい。それもそのはず、一攫千金を夢見てばかりでひとつの発明が終わるたび、散財し、いつまでたってもオカネがたまらない女性でした。

一方友人の夏美(松井涼子役)はいつも聡子にくっついて、アイディアを頂戴し、それを平気で自分のものにするという、ずる賢い女性でした。

犯行は、「昭和の三億円事件が未解決」であるということに着目し、同じことをやれば成功の確率が高いかも……という「聡子」の提案で行なわれました。現金輸送車の運転を担当する警備員同士で不倫関係におちた男女(二人組)を調べ上げた「聡子」は、①不倫関係にある二人を襲撃すれば、事件のことを口止めできることや、②現場に男性用の靴を残すことで捜査をかく乱できること、などと計算し、犯行を練り上げますが、しかし「夏美」はひとりでそれを成し遂げてしまいます。

こうして事件は時効になり、あの、三億円は、「夏美とその亭主」が保管しているはずでしたが、どうやら使い果たしたようで、「聡子」に分配が渡る予定はなく……。

聡子は、せめて現場に残した「靴」を引き取り、それで犯行手記を出版する予定でしたが、それもかなわぬこととなり、「発明家の才能がありながら貧乏を続ける」という「聡子」の境遇が続きます。庶民的だけどどこか知的な雰囲気を放つ「聡子役」を演じた、葉月さんの演技には引き付けられるものが。

殺人事件でもないのに「遺留品」という言葉が出てきて、中盤までは意味不明(?)でしたが、「犯人が落とした靴――」であることがわかり、なんとか納得。

事件は荒唐無稽な犯行であり、実現性にも乏しいものでしたが、もともとドラマは「時効管理課」という架空の世界。だからそれはあまり考えないことにして……。

勢いのある演出家や脚本家を集め、突如深夜枠に乗り込んできた異色の警察ドラマ。「そろそろ息切れ……」という気もしますが、なんとか緊張を持続させ、次のシリーズは、ゴールデンタイムでもうひと暴れしてほしいような……(ドラマの視点)


記事がよろしければここを押してランキング順位にご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!



時効警察 第6話 実録!?スナックママ整形逃亡15年

2006-03-30 21:48:06 | 時効警察
万引き現場を目撃したことから、補導した少女らの母親が経営するスナックに通うこととなった霧山、十文字ら警察の面々。十文字はお店のママ(通称「レイコ」、本名=茗荷谷かよ子/森口瑤子)に一目ぼれ。しかしどうやらそのママは「まもなく時効を迎える事件の逃走犯人」とわかり、恋に落ちた十文字は、苦渋な思いで刑事としての使命をまっとうします。

時効警察 第6話「実録!?スナックママ整形逃亡15年」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

恋におちた相手が「殺人犯」――。その状況が早いうちに示され、十文字(豊原功補)の苦悩と対極にある逃走犯の「犯行動機」や「その後の生活」「母と一緒に過ごした子供の記憶」などが次々と浮かんでいくさまは、まるでタイムマシーンにのってしまったかのような安心感に包まれています。

短い時間の中で、「ママに惚れてから、犯人だとわかり動揺し、逮捕を迷うもののそれでも手錠をかける」という、十文字の葛藤が描かれ、ラストは、「手錠をかけることで恋愛意識がかなう」という、はかない決着。

一方のレイコは「刑事の接近を知ると、それが運命なのだと逃げることもなく、十文字からの手錠を受ける」という、いざぎよい選択を演じ、ドラマに納得の結末を呼び込んでいます。

「母の罪は自分の罪だ」(「母が逃走犯であることを知る自分は、逃走補助した共犯ではないかという言い分」)と言い張る娘(真弓/吉高由里子)の気持ちに対し、「これから君がキチンといきていればお母さんも喜ぶから……」という、霧山のセリフは、娘の「あした……」を気遣う優しさにあふれ、またその一方で「時効事件に嫌気がもよおした……」霧山(オダギリジョー)の倦怠感は、自分の存在をあらためて認識するという「あした……」へもつながっています。

吉高由里子さんはまっさな新人(おそらく)のようですが、いまどきの俳優では珍しい「お嬢様風の存在力」。この回、演出を担当した園監督の次回作(映画)への出演も決まり、さらなる修行を積んでいるとか。期待が膨らむ新人である。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→


ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!

警察 第5話 キッスで殺せ!死の接吻は甘かったかも?

2006-03-30 21:44:54 | 時効警察
今週は人気ロック歌手、本郷高志の変死事件の謎を追いかける霧山。十五年前人気絶頂だった本郷が、ホテルの一室で開かれたプライベートパーティのと中、参加した女性とキッスをしたのち倒れこんでそのまま息を引き取りました。もちろんそれはすでに時効ですが、「キッスをした女性・夏川リナ(飯沢もも)」「当時のマネジャーの男性・及川(東幹久)「元妻でいまは医者の雪絵(奥菜恵)」などと接触していくうちに意外な事実が……。

時効警察 第5話「キッスで殺せ!死の接吻は甘かったかも?」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

その当時キスをしたのち倒れこんだ本郷の体から毒物が検出されなかったことから、捜査は迷宮入り。時効となりましたが、それを「アレルギー体質を利用した犯罪ではないか」と推測した霧山が、本郷の知られざる一面を浮かびあげます。

本郷は強いピーナッツアレルギーでした。妻となった雪絵は、お嬢様育ちで世間体を知らないまま育ちました。歌手として人気を得た本郷は、写真週刊誌に女性との仲をスクープされるくらい浮名を流し、それをみて嫉妬した妻は、「亭主の浮気相手」の家に「ピーナッツ袋」を送り、「あわよくば……」などと考えましたが、なんの反応もありませんでした。(女性がピーナッツを食べれば、なんらかのかたちで本郷の体に入ると考えた)

それもそれはずでした。じつは本郷は、「マネージャーの男性と交際し(男が好き)」それを隠すために、自分で週刊誌にタレコミ電話をかけ(「あの有名な本郷が女と……」などと)カモフラージュしていたのでした。

だからといって「本郷」をうらむわけではなく。事件があった「結婚記念日の夜」、雪絵はこころをこめた手料理を用意して自宅で本郷の帰りを待ち続けていましたが、その日、いつまでたっても本郷は現れず、そこへ……。マネージャーの及川が伝達のため、自宅に現れました。

「結婚記念日なのに。どうしてわたしを優先してくれないのか」及川の顔をみたことでいまさら怒りがこみあげた雪絵は、及川にピーナッツオイルをたらふくかけた料理を食べさせ、もちろんそのことは、及川の口に含まれたそのオイルがまもなく本郷の体に入ることを期待してのこと……でした。

そしてそのとうりになりました。プライベートパーティが始まる直前、及川と本郷は愛のくちづけを交わし、そのときオイルが本郷の体の中に入りました。本郷が亡くなった直接の原因は、「ピーナッツオイルが口移しで体に入ったから……」でした。

トリックは空想的で説得力に乏しいものの、「結婚記念日」を男性に寝取られた妻が衝動的に犯行をおこなったという動機付けがあったことでいちおうドラマとしての体裁は保ったようでも。「妻にもお嬢様風の、アレルギーがあった」という理由付けが、もっとストーリーにからめば作品の価値はさらにあがった可能性も。

それでも、「男気の及川」「冷めた女医・雪絵」というほかでは見られない個性的が光り、制作者のエネルギーが感じられる熱い作品です。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 第5話 キッスで殺せ!死の接吻は甘かったかも?

2006-03-30 21:42:59 | 時効警察
今週は人気ロック歌手、本郷高志の変死事件の謎を追いかける霧山。十五年前人気絶頂だった本郷が、ホテルの一室で開かれたプライベートパーティのと中、参加した女性とキッスをしたのち倒れこんでそのまま息を引き取りました。もちろんそれはすでに時効ですが、「キッスをした女性・夏川リナ(飯沢もも)」「当時のマネジャーの男性・及川(東幹久)「元妻でいまは医者の雪絵(奥菜恵)」などと接触していくうちに意外な事実が……。

時効警察 第5話「キッスで殺せ!死の接吻は甘かったかも?」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

その当時キスをしたのち倒れこんだ本郷の体から毒物が検出されなかったことから、捜査は迷宮入り。時効となりましたが、それを「アレルギー体質を利用した犯罪ではないか」と推測した霧山が、本郷の知られざる一面を浮かびあげます。

本郷は強いピーナッツアレルギーでした。妻となった雪絵は、お嬢様育ちで世間体を知らないまま育ちました。歌手として人気を得た本郷は、写真週刊誌に女性との仲をスクープされるくらい浮名を流し、それをみて嫉妬した妻は、「亭主の浮気相手」の家に「ピーナッツ袋」を送り、「あわよくば……」などと考えましたが、なんの反応もありませんでした。(女性がピーナッツを食べれば、なんらかのかたちで本郷の体に入ると考えた)

それもそれはずでした。じつは本郷は、「マネージャーの男性と交際し(男が好き)」それを隠すために、自分で週刊誌にタレコミ電話をかけ(「あの有名な本郷が女と……」などと)カモフラージュしていたのでした。

だからといって「本郷」をうらむわけではなく。事件があった「結婚記念日の夜」、雪絵はこころをこめた手料理を用意して自宅で本郷の帰りを待ち続けていましたが、その日、いつまでたっても本郷は現れず、そこへ……。マネージャーの及川が伝達のため、自宅に現れました。

「結婚記念日なのに。どうしてわたしを優先してくれないのか」及川の顔をみたことでいまさら怒りがこみあげた雪絵は、及川にピーナッツオイルをたらふくかけた料理を食べさせ、もちろんそのことは、及川の口に含まれたそのオイルがまもなく本郷の体に入ることを期待してのこと……でした。

そしてそのとうりになりました。プライベートパーティが始まる直前、及川と本郷は愛のくちづけを交わし、そのときオイルが本郷の体の中に入りました。本郷が亡くなった直接の原因は、「ピーナッツオイルが口移しで体に入ったから……」でした。

トリックは空想的で説得力に乏しいものの、「結婚記念日」を男性に寝取られた妻が衝動的に犯行をおこなったという動機付けがあったことでいちおうドラマとしての体裁は保ったようでも。「妻にもお嬢様風の、アレルギーがあった」という理由付けが、もっとストーリーにからめば作品の価値はさらにあがった可能性も。

それでも、「男気の及川」「冷めた女医・雪絵」というほかでは見られない個性的が光り、制作者のエネルギーが感じられる熱い作品です。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 第4話 犯人の575は崖の上

2006-03-30 21:40:53 | 時効警察
十五年前ドラマの撮影現場で起きた事件。主人公の女探偵が犯人を崖に追い詰める場面を撮影しようとしたそのときあやまって転落、死亡するという衝撃的な出来事。それはすでに時効処理されたものでしたが、あの男がふらりと撮影現場に訪れたことでいまいちど真実が再現されます。

時効警察 第4話「犯人の575は崖の上」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

十五年前思わぬことで主役を失ったドラマは、ただちに二代目のオーディションを行い、同じドラマに脇役で出演していた女優(アヤメ旅子/永作博美)に白羽が立ちます。

主役を奪いスキャンダルを肥やしに女優を続ける旅子に事件後取調べが行なわれたものの、確たる動機もなく、灰色のまま捜査は時効を迎えていました。

以後そのドラマ(「THEアネゴ探偵・寂水先生が行く!」)はなんとかもちこたえ、今日まで放送が続いていました。

放送が続くとはいうものの、どうもさいきんはマンネリ気味。ドラマの視聴率低下に悩む旅子は、時効捜査でその現場に現れた霧山を「十五年前の事件をイメージさせる宣伝マン」としてドラマに出演させようと言い出します。

自信あふれる旅子の行動にひっかかるものを感じた霧山は、十五年前の現場を目撃した「釣り人」や「音声スタッフら」に当時の事情を聞き、さらに「転倒シーン」を撮影したビデオの音声スタッフの立ち位置を見てやはりこれは「旅子」の犯行であることに気がつきます。

旅子は当時音声スタッフと交際中でしたが、「初代の探偵役女優」がその男をもてあそんでいたことを知ると、「そのことをおまえの亭主に言うぞ」という手紙を、ドラマの撮影中に突きつけました。(「ドラマの撮影シーンの中で」突然見せた)

そのことで「旅子」と「初代の探偵役」はもみあい、初代探偵は倒れて頭を打ち、崖の上で気を失いました。その時点で旅子に殺意はあったのかどうかはわかりませんが、その場にいた監督は、「これは連帯責任である」と初代探偵を崖から突き落とすことですべてが撮影中に起こった不慮の事故であるように見せかけることを思いつきました。

「スタッフ全員の意思によって、初代探偵が崖から突き落とされた」ということ。これは普段から「感情の起伏が激しくなにかと撮影に注文をつけてきた、わがまま女優への報復」の意味合いも込められていました。真実を明らかにしても霧山は「誰にもいいませんカード」を切りだし、それはまるで真実を知ることも無く命を落とした「初代探偵」へたむけられた「献花」のようでも。

後半、「劇中シーン(過去の再現)」と「霧山が追い詰めるシーン」が交錯し、スリリングな展開に。過去が明らかになっても、その「探偵ドラマ」は何もなかったように放送されると言う「諸行無常」の余韻で終わっています。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 第3話 百万人に無視されても一人振り向いてくれれば人はしあわせじゃない

2006-03-30 21:37:55 | 時効警察
十五年前列車のホームから転落し死亡した男性(町田/大西武志)の事故原因が、町田自身の不注意によるものかそれともそのとき一緒にホームいた男性(藤沢)や所属していた会社の不正がらみに関する「殺人」なのか、時効捜査を趣味とする、あの警官が今週も動き出しました。

時効警察 第3話「百万人に無視されても一人振り向いてくれれば人はしあわせじゃない」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
「時効警察」公式ページへ

時効を迎えたその事件に関する資料をもう一度読み返した霧山(オダギリジョー)は、事故直後それを目撃した「売店の、女性」の証言(ワイドショーのインタビュー録画)があまりにも思い込みに満ちていることに不審をいだき、

亡くなった男性と同期入社でそのとき徹夜で仕事をして一緒にホームにいた男性(藤沢)のもとをたずねます。同じホームにいたことで藤沢に「殺人」の疑いがかけられましたが、決めてがなく、いまは結婚し普通の生活を送っているようでした。

しかし藤沢の妻が「あのとき現場状況(転落事故のようす)を説明した売り子である」ことを知った霧山は、事件のにおいを感じ取り……。藤沢の妻・道子(緒川たまき)の周辺も調べはじめていきます。

いまは、生け花教室を主宰し「カリスマ師匠」として後輩の指導にあたる道子は、その研ぎすまされた美的センスゆえ、相手の気持ちをかえりみないで自己主張することもありそのことが夫婦生活を冷えた関係に。

十五前の転落時。亡くなった町田は、売店の店先に差し込まれ並べられていた「スポーツ新聞」が、見出しの色によって整然と飾られる(それはまるで花のような……美的な感覚)ことに関心し、「なんてきれいな……」とみとれているうちに誤ってホームから転落し入ってきた電車にはねられたという証言。

いまは夫の藤沢も当時同じ証言をしていましたが、そのとき「売店の中へ朝の日差しがおちていた」という発言があり、じつはその売店には、少なくともその時間は、日差しがあたらないことがわかり、夫のウソに気がついた霧山は、町田を突き落としたのはやはり「藤沢」であり、それをたまたま目撃した道子が「藤沢のためにウソをいった」ことをつきとめます。藤沢と道子の「口裏あわせ」によって、事件が隠されていました。

道子は、自分をみつめることが好きな女性でした。そしていつも自分の思い込みや欲求を実現しようとし周囲に波紋を広げる女性でした。窓から自分の仕事場を眺めることが好きでした。駅の隣にあるマンションから「自分の職場(売店)」を見ながら、自分の考えを見つめなおす時間が貴重でした。

しかしそんな習性が悲劇となりました。彼女が住むマンションが、売店への日差しをさえぎったことで「夫の証言がウソである」ことがわかりました。

「何にもいいませんから……」そういって霧山が藤沢の家を後にします。法律では裁かれなかったものの、親友に手をかけたことをいまも悩み続ける藤沢は、事件後「悪妻」によって悩まされ、誰かに真実を打ち明けることで自分なりのつぐないを果たしたいと考えたのでした。

霧山が事件の背景に気がつくきっかけは、「その時間、売店に日差しがかかっていたのかいないのか」ということが直接ですが、じつは道子の習性に引っかかるもがありそれが捜査を(趣味を)後押ししたという二重の状況が示されています。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→

ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ!
ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 五輪女王選考殺人!妹と監督の秘密 オダギリジョー 麻生久美子 池脇千鶴

2006-03-30 21:35:25 | 時効警察
水泳のコーチをしている藤山しおりは、かってはオリンピックの代表選考にも名前があがるほどの有名選手。しかし十五年前には、当時最後まで代表の座を争っていた「姉」が橋の上から「転落事故(死亡)」、それから数十分後、今度は水泳コーチが「ガス自殺」という悲惨な出来事が連続し、二つの事故は、当初「水泳コーチと姉が恋愛関係にあり、それがもつれたことで、姉を突き落としたコーチがその後自殺を図った」と関連付けることもできたものの確たる証拠もなく、事件とも事故とも区別がつかないまま、時効を迎えることになりました。

時効警察 第2話「五輪女王選考殺人!妹と監督の秘密」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補
水泳コーチ・小原安雄/田中要二 妹役・藤山しおり/池脇千鶴
「時効警察」公式ページへ!

二つの事件は報道が先行し、注目を浴びたことから、捜査本部も二人をつなげるための証拠をそろえることに精力を注ぎ、そのせいで真実は埋もれていました。

見込み捜査が続いたことを突き止めた霧山は、当時、「姉」の最大のライバルであった「妹・しおり」に事情を聞き、しおりの態度から早くも事件のにおいを感じ取ります。

別々に起こった事件ではあるがそれを無理に結び付けようとするからこんなことに。そう考えた霧山は、ふたつはほとんど同じ時間で前後して起きたとはいうものの、それぞれ
を切り離し、

「ガス自殺」は自殺ではなく本人の不注意で起こった不慮の事故であり、「転落事故」は実は「オリンピック出場権をとりあっていた妹がアネを口論の末、突き落とした」という殺意があった事件である、とそれぞれ推理を組み立て、それを裏付けるように「妹がアネを呼び出した留守番テープ」が発見されました。(十五年ぶり)「天才肌のアネを逆恨みした、努力家で秀才の妹の悲劇」という結末。

犯人や証言者のふところにするりともぐりこむ「霧山」のキャラクターは、警察のイメージをくつがえすような魅力を漂わせています。そのひょうひょうとした口調に威圧感がないぶんよけいに悲しみと痛みが残るような。全編に登場する「ギャグ」のセンスはサービス精神にあふれ、視聴者をひきつける努力と迫力がみなぎっています。(ドラマの視点)

よろしければお一つクリックでランキングにご協力下さい→


ブログランキングへ
「ドラマの視点」topへ! ドラマや芸能を他でも探す!

時効警察 時効が成立した完全犯罪を白状させる男

2006-03-30 21:32:59 | 時効警察
真面目で模範的な一人の警官が、ある日自分に熱中できるものがないことに気がつき、それなら「時効が成立した事件を自分の趣味にしよう」と思いたち、半分は趣味(?)半分は正義感(?)に突き動かされながら、事件の背景に迫っていくというドラマ。

テンポの良いセリフと斬新なカメラワークでたちまちドラマの中に引き込まれます。コメディだから……と視聴者を安心させない冒頭でのいきなりの「素っ裸強盗」の登場。

その後、サスペンス風の証拠集めが続き、ラストは、時効を成立させ完全犯罪を成し遂げた犯罪者にいまいちど反省を促すという納得の結末。深夜枠ならではの、とがったセリフのやりとりも見られ、出演者の個性がぶつかっています。

時効警察 第1話「時効が成立した完全犯罪を白状させる男」
霧山/オダギリジョー 交通課警官・三日月しずか/麻生久美子 十文字刑事/豊原功補 笠松ひろみ/東ちづる 水岡由起子/高田聖子

いまは、家庭料理評論家をしている笠松ひろみは、十五年前、「夫殺し」において疑惑を向けられたものの、アリバイが成立し、その後別の男性と結婚。いまは「料理評論家」という名声と「一粒種の、男の子」という子宝に恵まれ、何不自由のない生活をしていました。

そこへ「趣味の男――」霧山が現れ、彼女の身辺が騒がしくなります。霧山は、笠松ひろみのアリバイを証言した女性(由起子)が、当時「ひろみの亭主の愛人」であることに疑問をもち、ひろみと由起子が口裏を合わせ、事件の迷宮入りをたくらんだことに気がつきます。

十五年前、ひろみと亭主は些細なことで口論となり、かっとなったひろみが亭主の背中を刺すこととなり、亭主はその場で息絶えますが、ひろみは、その犯行を「第三者」のものとするため、亭主の愛人に「目撃証言」を頼み(別の場所にいたという偽アリバイ証言)、その見返りとして「十五年後――時効が成立したあとに」一億円の口留料を払うことを約束しました。

事件の背景をつかんだ霧山は、ひろみを自供へと追い詰めますが、名声を手に入れた料理研究家のひろみはじつは「荒れた家庭で育ち、家庭の味を知らないで育ち、それを探し求めようとしていまも仕事を選んだ」といういいわけが示され、これはあくまでも「殺人事件の動機」とはならず、「サスペンスドラマにおける、泣きオチの一つのパロディ」として挿入されているのが、なるほど心憎い演出といえそう。

事件はすでに時効が成立し、霧山の「趣味……」の、意味はないかと思われましたが、十五年前ひとつの間違いを起こしたその人物へ「他の誰にもいいませんから……(ご心配なく)」と書いたカードをひょうひょうと手渡すことで、今一度犯罪の重さを知らしめるという、刑事の意地を見せるラストとなっています。(ドラマの視点)





人気blogランキングへ!
「ドラマの視点」topへ!
ドラマや芸能を他でも探す!

ランキングに登録!よろしければおひとつクリックを!→