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相棒Ⅳ 汚れある悪戯 第11話

2006-01-08 21:01:21 | 相棒Ⅳ
元旦スペシャル二時間30分というたっぷりとした内容。連続誘拐事件を背景に、殺したいほど憎んでいるにもかかわらず(殺意があるにもかかわらす)、はっきりとした行動で憎む相手を殺すことができなかった「女性」と「父親」の悲劇が描かれています。

相棒Ⅳ 第11話 元旦スペシャル「汚れある悪戯」
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、薫の恋人で新聞記者の役・奥寺美和子/鈴木砂羽、小料理屋の女将さんの役・宮部たまき/高樹沙耶、鑑識係りの米沢守/六角精児
総務部の城崎愛梨(葉月里緒奈)、総務部長・平林(斎藤洋介)、畑山財閥の御曹司・哲弥(甲本雅裕)
「相棒」公式ページ

銀行に勤める女性がお昼休みに誘拐されます。犯人は捜査員をほんろう、身代金の受け渡し場所をさんざん振り回したあげく、要求した身代金五億は空からばら巻き、誘拐した女性はかすり傷なしで見つけ出されます。

しかし右京は女性が、「替えめがね」(いつも使っているものと違うめがね)で誘拐されたことに不審を持ち、さらに女性には縛られた形跡が乏しく、証言もあやふやなことから「狂言」であると見破ります。

そんな中、第二の誘拐事件が起きます。誘拐されたのは畑山財閥の御曹司・哲弥。またも非常線がはられ、捜査員は父親に「現金」を用意させ、それを指定通りマンションに配達すると、その部屋には「縛られ、すでに息絶えた哲弥」がいました。

調べを進めると、「殺された哲弥」と「第一誘拐事件で狂言を行った愛梨」は男女関係にあり、哲弥は普段から人をくったような行動をし、家族や周囲に波紋を広げていたことがわかりました。

「第一誘拐事件」は、「哲弥のいたずら」を「愛梨」が演じたものであることがわかりました。これは右京の推測通りです。

よって、「第二誘拐・殺人事件」は、とうぜん愛梨に疑いの目が向きます。しかし右京は「放蕩息子を恨むとすれば父親ではないか……」という推理にたどり着き、畑山の父が浮上します。

「二度目の誘拐も狂言……」だったことがわかりました。愛梨は「一度目の誘拐」の顛末を父親に相談したことで、父はついに息子への未練を断ちます。これまでさんざんてこずらせてくれた息子を自分の手で……と思いつめ、

二度目の誘拐事件は、「哲弥が自身の発案で――自分が誘拐されたといって実家に身代金を要求する」というもので、それらしくみせるために、自らの体を縛り付けられた映像をネットに流し、ホントウらしくみせようと手の込んだことを考えました。

しかしそれが思わぬ結果を……。ネットに流す映像を撮り終えた後、愛梨は、哲弥に「血を抜くという暗示(実験のようなもの)」をかけ、これにかかった哲弥は縛られたままショック死するという結末となりました。

じつは父親は自分の手で息子を殺そうと思いその場にきたのでしたが、すでに死体となった息子の首にもう一度ヒモを巻きつけ(すでに死んでいましたがそれでも自分の手で殺したいほど息子の悪癖に我慢ならなかった)、「二度殺す」という結末であったことがわかりました。

元旦スペシャルとあって、普段は省略されるような、捜査手順や配置などもわかりやすく紹介。視聴者をぐっとテレビの中に引き込んでくれました。最後は、薫の「結婚届け」というお年玉もあり、新春の門出にハナを添えていました。(ドラマの視点)





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相棒Ⅳ 殺人生中継

2006-01-08 20:59:55 | 相棒Ⅳ
お天気予報の生中継が行われているその真っ最中、悲鳴が聞こえてきました。急遽予定を変更し、コーナー担当の、八木沼リカは、声のする方向へ走り出しました。女子アナの仮眠室で心臓を一突きされ、息絶えていたのは、先輩アナの綾瀬。お天気レポートが「殺人レポート」に切り替わり、番組は騒然。本庁捜査一課が動き出します。

相棒 第Ⅳシリーズ 第10話「殺人生中継」
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、薫の恋人で新聞記者の役・奥寺美和子/鈴木砂羽、小料理屋の女将さんの役・宮部たまき/高樹沙耶、鑑識係りの米沢守/六角精児
八木沼リカ(宮地真緒)、角田六郎(山西惇)、先輩アナウンサー・綾瀬圭子(東風平千香)、アナウンス部長の仁科真由美(竹井みどり)
「相棒」公式ページ

殺された綾瀬圭子アナは、ストーカーに悩まされ、その線から捜査が進められていきますが、「圭子」と「アナウンサー部長・仁科真由美」と「同じ局に勤めるその夫」が過去の三角関係であったことがわかり、仁科が有力な人物として捜査が進められます。

しかし右京は、圭子が殺された状況から「身内の犯行」と推定しさらに、仮眠室の窓が開き悲鳴を外にもらすようなしくみがあったことから「その時間アリバイがありいかにも犯人でないような顔をしている人物がほんとうのハンニンである」と推理を進めます。

右京が目をつけたのは、その中継を担当した「八木沼リカ」アナ本人でした。

八木沼は、圭子から発声の指導を受け、親しかったというものの、殺すほどの動機があったのか。またカセットテープをタイマーで操作し、中継時間にあわせて「事前に録音していた悲鳴の声」を外にもらすという手の込んだ操作をしたとして、「圭子の悲鳴」をどこで手に入れたのか、ということがはっきりしないところでしたが、追い詰める右京の迫力に耐え切れず、八木沼はついに自供を始めます。

八木沼は、先輩・圭子アナを慕い続け、テレビ局に勤務する前から手紙を出すなどのストーカー行為で圭子に近づこうとしました。同じテレビ局に入ったのも圭子と一緒に仕事ができるからという理由から。そして圭子から手取り足取り指導を受け、それをばねに生きていました。しかし最近、師弟関係がうまくいかなくなり、「圭子との関係や圭子そのものを独占したい」という気持ちにかられるようになり、とうとう殺意をいだくまでになったのでした。犯行に使用した「悲鳴を録画した音源(CD)」は、誕生日パーティで、圭子をびっくりさせたとき、ビデオに納めたものでした。

「先輩・圭子アナを永遠に自分のものにしたかった」という八木沼に対し、右京は「それは違う。あなたは彼女を永遠に失った」と言い返します。女子アナウンサーに憧れ、学生時代はストーカー行為をしていた女性が、その後、テレビ局のアナウンサーになってまで、相手を求め続けるという「執着の凄まじさ」描かれた作品です。(ドラマの視点)





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相棒Ⅳ 監禁

2006-01-08 20:58:29 | 相棒Ⅳ

秘密組織の金塊が暗号によって金庫に封印されたという。時価四億円。金庫の所有者(新田)は、先祖より金塊を受け継いだものの、暗号文の解き方はわからず、そのまま放置していましたが、たまたまクラブで知り合った女性(ミサエ)にそのことを話したところ、「まかせて……」と、ミサエは金庫を開ける方法をあれこれ考えだしました。

相棒 第Ⅳシリーズ 第8話「監禁」
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、薫の恋人で新聞記者の役・奥寺美和子/鈴木砂羽、小料理屋の女将さんの役・宮部たまき/高樹沙耶、鑑識係りの米沢守/六角精児
進藤ミサエ/佐藤江梨子、新田信彦/酒井敏也
* *「相棒」公式ページ

ミサエ(佐藤江梨子)は、前科がある札付きでした。新田に近づいたのは、金塊の所有者であると聞いたからでした。その暗号さえ解けば金塊が手に入る。そう考えたミサエは、頭脳明晰な男を誘拐しました(「著名な大学教授」と「優秀な歴史評論家」)が、話がこじれ、二人はその屋敷で息をひきとりました。刑事課では、二人の失踪事件を追っていましたが手がかかりはないようでした。

暗号文解読は優秀な頭脳をもつ人間しかできない。そう思ったミサエは、三人目の男を選びました。杉下右京は、「東京大学法学部出身で和製シャロックホームズ」。と雑誌に紹介されそれをみたミサエは、「ファンです……」と右京に近づきましたが、面倒なことが嫌いな右京は、「和製シャーロクホームズというのは、もうひとりの刑事のほうなんです」などとぼけたことが状況を複雑にしました。

ミサエは、右京ではなく亀山を誘拐し、その亀山が「和製……」だと思い込み、椅子に縛り付けたまま、「早く暗号を解け……」などと暴力を振るいます。もちろんそんなことをいくらいっても、「肉体系……」の亀山がそれを解けるはずがありません。

ミサエは、亀山が「和製……」ではないことに気がつき、亀山を殺そうとします。が、そのとき……。単独捜査を進めていた右京がその屋敷に現れます。「助かった」と亀山。

右京は暗号文をひとめ見ただけで事件の背景を見抜きます。「これは暗号文じゃない……」そういって右京は、新田をにらみつけます。新田は、ミサエに言い寄る手段として、「オレは金塊を持っている。ただし金庫の中。誰も開けられない」ということによって、存在しないはずの金塊があたかもその金庫に保管されているかのような状況をでっち上げ、ミサエの気持ちを永遠に引き寄せようとしたのでした。

金庫の中にはカネ目のものはなく、中にはなんと「推理小説集」が入っていました。新田はそのコレクター。妄想の中で大金持ちになった自分を作り上げていました。

そして、その推理コレクションの中には、右京が中学生時代に同人雑誌に投稿した小説も入っていました。こんかい新田がたくらんだ、「先祖から受け継いだ金塊。大金持ちの夢……」という妄想は、右京があの時書いた小説を、見事にまねたものだったことがわかりました。

サトエリの悪役がぴたりとはまり。演出の狙いは的中。ストーリの荒唐無稽さと無駄のないつくりに口をあんぐりという人も多いのでは。見逃した人は残念。こんかい「相棒Ⅳ」のシリーズは、きわめて話題作が多いので、「踊る大走査線」のように再放送するたびに視聴率があがる可能性もあり。TV朝日・編成は一考あれ!(ドラマの視点)


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相棒Ⅳ 波紋

2006-01-08 20:56:55 | 相棒Ⅳ

カネのけがれを嫌った、とある学生が、六百万円もの現金を交番に届けたことで巻き起こる「現金争奪戦」の模様が描かれています。

相棒 第Ⅳシリーズ 第7話「波紋」
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、薫の恋人で新聞記者の役・奥寺美和子/鈴木砂羽、小料理屋の女将さんの役・宮部たまき/高樹沙耶、鑑識係りの米沢守/六角精児
お金を拾った学生さんの役・池田/中村友也、下園巡査/音尾琢真、近所の老婦人・梶多恵子/絵沢萌子
**「相棒」公式ページ

心理学を専攻するその学生は、競馬の大穴を引き当て、なんと「600万円」という現金を手にしましたが、お金の使い道も価値もわからず、ただそれを忌み嫌う無垢な人間でした。

学生は、それを交番に届け、これから巻き起こるハプニングを高みで見物しようと考えました。ほんとうの持ち主は自分だから、一定期間が過ぎたらまた自分の手元に戻ってくることも計算済みでした。

しかし、封をしたままのその現金をめぐって(「現金は自分のものだと名乗る人物がつぎつぎと現れて……」)事件が起き、あまりの反響に学生は動揺を隠しきれないようす。

「麻薬の売人」が学生を襲います。「あのカネはオレのもんだ」と。しかしどうやらそれは思い違い。その男は、カネを拾った学生の顔写真が雑誌に掲載されたのを見て、なぜかそう思ったという。そしてその売人は殺されてしまいます。これは、「600万円の落し物」とは直接はつながらない事件であることがわかり、これに関しての捜査は終わります。

「600万円」をせしめようと、本気で考え抜いた人間がいました。それは、落し物を受け取った交番のお巡りさんでした。お巡りさんは、現金を受け付けたときにお札の番号を控えていたことを利用し、一人暮らしの老婦人と共謀して、「そのカネは老婦人の家から盗まれたもの、なぜならその婦人は番号を控えているから……」という筋書きをつくり、老婦人にいったんお金を引き取らせ、あとで分け前をもらおうとしました。

しかしカネを手にした老婦人はそれは自分のものだと言い張り、共謀者である、お巡りさんを突破ねたことから、お巡りさんはその夫人を殺害することになりました。

カネをめぐっての悲しい争奪戦。右京は、交番にいた老婦人とお巡りさんとの会話から、二人が、競馬の愛好者であることに気がつき、さらにお札の番号を知ることができるのは落し物を受け付けたお巡りさんだけであることに注目、共犯を見破りました。

学生の、ほんのきまぐれが、その後の連鎖を生むという、ちょっと怪談ハナシ、っぽい感じもあります。人物の背後が良く練られ、完成度の高い作品となりました。(ドラマの視点)


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相棒 密やかな連続殺人/悪魔の囁き

2006-01-08 20:55:42 | 相棒Ⅳ

広域犯罪における警察組織の死角をつきながらほぼ毎年行われてきた不可解な殺人事件の共通性をつかんだ右京と薫コンビが、次第に真理に近づき、事件の陰に潜む人間の病巣を浮かび上げていくという意欲作。前編と後編をあわせると、二時間サスペンスのボリュウムとなりますが、犯罪を真正面から見ようとする右京と、退廃的な思想で犯罪を正当化する見えない快楽性がぶつかりあい、独特のムードを作り上げています。

相棒 第Ⅳシリーズ 第4話(前編)&第5話(後編)
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、
村木重雄/小日向文世、村木の妻・順子/山下容莉枝、
精神科医・内田美咲/奥貫薫、助手・安斉直太郎/高橋一生
**「相棒」公式ページ

女性の変死体があがりました。片方のピアスがもぎ取られた状態。右京(水谷豊)は、この十五年の間、全国で起きた「片ピアス女性殺人事件」の状況を調べました。死体は東京で浮かびましたが、殺人は荒川の上流である「埼玉県」で行われたことがわかりました。

捜査本部は、十年以上前、警視庁管内で発生した「片ピアス女性殺人事件」の被疑者(村木)をもう一度洗いましたが、決め手はなく、どうやら一方の、村木の妻(順子)に疑いの目が向けられました。順子は、病的に村木を支配し、村木も妻に支配されることで快楽を感じているような夫婦でした。

右京は、今回の事件と、この十年あまり全国で起きた「片ピアス殺人」との共通点を探そうとしました。その殺人は、ひとつの県でひとつしか(同一地域では一回だけ行う)行われていないことから、「これは広域捜査のうらをかいた、快楽殺人ではないか」と仮説を立て、全国を飛び回る職業を持つ人物が犯人ではないか、と推理を進めます。

村木は、もとは人気予備校講師で、各地の予備校を転々と動く生活をしており、やはり村木は疑わしく、その妻、順子にも共犯の疑いが向けられます。

今回の事件の被害者は、「デートクラブ嬢」で、女性の相手をすることもあったという証言から、順子への調べは厳しくなりますが、実は、その時間、順子は、いきつけの精神病院の助手(安斉)とホテルにいたことがわかりました。アリバイは成立となりました。

犯人はやはり村木なのか? ビルの屋上で問い詰める右京に対し、村木はこれまで「十件の犯行をした」と自供し、「オレは捕まらない」という意味の、呪文を残し、そのままビルから飛び降りてしまします。(即死)

これまで全国で起きていた「片ピアス殺人」は、十件では終わりませんでした。少なくともあと「数件」(今回の事件も含む)は別の誰かがやったことが明確になりました。

誰が? 犯人は日本各地を回ることが多い人物であることが確実なことから、順子が通う病院の女医師内田と、その助手・安斉が捜査線上に浮かびますが、

事件の背景を知った内田医師が、安斉を問い詰めることになり、ついにもうひとりの犯人が浮かびました。安斉――。

安斉は、魔物のように殺人に取り付かれた村井の狂気に陶酔し、捕まらない殺人方法を伝え聞くことになり、それを実行に移していました。彼が、師匠・村木から伝授された捕まらない方法とは、「同じ地域では一回だけ」「同じ手口を使わない」「証拠を残さない」という三か条。

しかし今回、死体は埼玉県から東京に流れ着き、「同じ地域では一回だけ」という状況が壊れ、埼玉県で見つかるはずの死体が東京で見つかることとなり、その結果、東京の過去の事案と結びつくという予想外の展開が出来あがり、犯罪が浮かぶ結果となりました。

ドラマの中で描かれる精神世界(村木、安斉の、二人)には、怪しいムードが漂い、犯罪者の心理を導き出しています。犯罪にのめり込むのも、それを回避するのも、紙一重での、個人のふんばりであることを教えてくれる作品です。(ドラマの視点)


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相棒Ⅳ 閣下の城 の視点

2006-01-08 20:54:28 | 相棒Ⅳ

頭脳明晰の刑事、杉下右京(水谷豊)と、御人好しな熱血漢、亀山薫(寺脇康文)が難事件に取り組む推理サスペンス。二人は、警視庁生活安全部「特命係」という窓際の部署で捜査を続けますが、表舞台の捜査陣を出し抜く動きを見せ、行き詰まった組織捜査に波紋を広げます。

相棒 第Ⅳシリーズ 第一話
二時間スペシャル 「閣下の城」
杉下右京/水谷豊、亀山薫/寺脇康文、
閣下こと北条晴臣/長門裕之、繭子/高橋かおり
**「相棒」公式ページ

元事務次官、殺人を犯したにも関らず超法規的な処置で仮釈放された「閣下」という愛称の男が、かって自分を逮捕した右京と薫をパーティに誘います。もちろん何かのたくらみがあってのこと。

その席上で、閣下は、二回り以上も年下の秘書(繭子/高橋かおり)と結婚すると発表し、パーティの招待客は色めき立ちます。数日後、この屋敷で働いていた繭子の従兄弟(イトコ)が殺され、イトコは繭子と親密な関係にあったことから、まず繭子が疑われます。

「閣下の妻になろうとする繭子が、結婚前の男性関係を清算しようとして犯行に至った」という仮説で捜査が進みますが、その状況はすぐに打ち消されます。

イトコの死体のそばには、中世の騎士が用いた「鉄のよろい」やサーベルがあったことから、犯行に及んだのは、この屋敷に関係が深い人間である可能性が……。

さらに捜査を進めると、イトコは、胸をサーベル(剣)で突き刺され、亡くなったことがわかり、犯行は……。
「閣下が行った」という状況で進みます。

繭子は、閣下の犯行に関し、「右京刑事に復讐するためにあの人がたくらんだ」と語りました。捜査において、繭子がやったという状況を作り上げ、裁判になったら、本当の犯人である閣下が出てきて、警察に一泡ふかすという手のこんだ作戦だったと――(①繭子が語る事件の背景)

しかしそれはあくまでも、
自分の罪を逃れるための言い訳でした。

イトコを殺すことをけし掛けたのは、繭子のほうでした。繭子は、いつまでも自分にまとわりつくイトコがうっとおしくなり、計画を練ったのでした。まず繭子が警察に捕まり、その後で本当の犯人だと閣下が名乗り出る。裁判は長引く、生きているあいだ判決は出ない。だから「イトコの殺人を請け負って欲しい」と閣下をけし掛けたのでした。(②これが真実)

真実は(「②」は)封印されました。「①」によって閣下が逮捕されました。

閣下と繭子の結婚は、一見すると閣下のきまぐれに(右京への復讐)見えましたが、それは表向きでした。

イトコを殺すこと。犯行の動機つけ。警察への対応。それらは繭子が計画したものでした。閣下を手玉にとった繭子は、「妻」の座を手にいれ、陶酔の悦に入りました。

一方監獄の中の閣下も満足でした。「溺愛の女性」を手に入れ、酔い痴れていました。閣下が正気なのか。ボケているのか。それはきわどい描写なのかも。独創性と創作美が漂う、意欲的な作品となりました。(ドラマの視点)


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