現実ブログ 「遺品が語る真実」 遺品整理ブログ
遺品整理屋は見た”天国へのお引越しのお手伝い” 孤独死 自殺 遺品整理 不用品 遺言 ・・キーパーズ




今日、生前のご相談でお伺いした方は、独身を通し長年会社に貢献してきた方でしたが、体調を崩しリタイヤして寝たきりに近い状態になったとたんに多くの友達が離れていってしまったそうです・・・
その事をお話になっているときが、一番悲しそうな表情に見えました。

思うように体が動かなくなっても、何とか前向きに考えようと努力して少しずつ現実と向き合いながら生きていけるようになったそうですが、昔の事や離れていった親友の事を考えてしまうと、その気持ちが崩れそうになるのだそうです。

今、この方は孤独死を覚悟されています。

そしてそうなる事を自ら避けようとしておられませんでした。

そうならないようにするには、それだけ皆に迷惑を掛けないといけないから・・

誰にも迷惑を掛けたくないというお気持ちは、とても強いものがあるのです。

友達に裏切られた事や、親友が自分から去っていった時の辛い経験を乗り越えたからこそ、誰にも迷惑をかけてはいけないんだという意識が強くなったのかも知れませんね。

幸い介護保険適用外の年齢ですが、※要支援を認められ週3回は、ヘルパーさんがお世話に来てくれるようになったそうです。


・・・・・・・・・・・・・・


私は今、ものすごく反省しています。

実は事前のお約束で、「玄関まで迎えに出れないのでドアの鍵を開けておきますね」「もしかしたら電話にも出れないかもしれませんので」とおっしゃっていた事を私は忘れてしまっていたのです・・・

それで、玄関先まで行ってインターホンを5回も鳴らしてしまい、玄関先から電話を3回も掛けてしまったのです。
そしてそれでもご返事が無かったので、お約束を忘れて一旦帰ろうとしてしまったのでした。

その時に頭の中によぎったのは

もし中で倒れられていたら・・・・

縁起でもない事をふと思ってしまい玄関のドアのノブを握ったのです。

そうすると、鍵のかかっていないドアが開きました。

その時でした、”あっ!”お電話で約束していた事を思い出したのです。

そして、中に入り玄関からお名前を呼びました。

すると、微かな声で「はいどうぞ・・」と言う返事が聞こえたのでした。

私は、部屋の奥のベットの部屋まで行きました。

そして「すみません、お約束を完全に忘れてしまっていました、何度も何度もインターホンや電話を鳴らしてしまい申し訳有りませんでした。お体が動かせないのにお辛い気持ちにさせてしまって・・・」

そういって謝ったのです。

しかし、その方は「良いんですよ」と言って、ニコっと笑ってくれました。

そして、1時間ほどお話をさせていただき帰社しました。

この仕事をしているにもかかわらず、本当に大切な事を忘れてしまった自分自身に腹が立つと同時に、体の不自由なかたへの申し訳ないという気持ちが当分心に残るでしょう。

○○様、本当に申し訳有りませんでした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

これまで、孤独死を防ぐ事についてのお話を沢山して参りましたが、孤独死も選択肢の一つかも知れません。

私たちは孤独死を減らそうとしているのではなく、死後その事実に気づいて下さる人が自分の周りにどれほど居るかどうか、またその事実をその人達にいつ気付いてもらえるか?が重要なんだという事を訴え続けています。

そして、そのために大切なものは浅くて広い人間関係ではなく、少なくても身近な深い人間関係だといえるでしょう。

この方のように精神的に前向きでしっかりしておられる方は、そう多くないと思います。最期に人に迷惑を掛けないような終い方が自分で納得できる生きた証となるのかも知れません・・・

人間関係を保ちながら、その人たちに迷惑を掛けないように・・

そういう思いの単身世帯者の中高齢者は、とても多くいらっしゃいます。


 



コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (能登のちゃこ)
2007-12-02 20:40:14
 一年に2000件ものお仕事依頼を受けられる管理人さんのお仕事、打ち合わせ事項がフッと頭から抜けてしまっても無理ないような…。
 本当に細やかな気遣いの必要なお仕事、ご苦労様です。いつも大変ですね。

 でもでも、ご依頼主の心に添えなかったことを猛省してらっしゃる管理人様に好感を覚えます。
 直前に思い出されて良かったですね。
 グッジョブ! キーパーズさん!
 
 
 
こんにちは (ありてん)
2007-12-03 14:01:44
ブックマークに参加させていただいております「ありがと屋」のありてんです。
心のこもったお仕事ぶり、いつも尊敬しています。
電話に出る事も、玄関に出向く事も儘ならない方が
一人で暮らしていらっしゃるという現実。
とても心が痛みますが、いつか自分や身内にもその様な事態が訪れるかも知れませんね。
まさに、他人事では有りません。
こちらのブログを拝見するたびに、自分の心の片隅にこの現実を忘れずにとどめておこうと思っています。
益々のご活躍を。
 
 
 
ぶしつけなお願いですが・・・ (はいさい)
2007-12-24 04:22:58
今の時代、避けては通れない「孤独死」・・・
しかも、その時はいつやってくるか、誰にも判りません。その上、物が溢れ返っている現代では、昔のように「きれいに」最期を迎えることもままならないのですね。
キーパーズさんのお仕事も、ますます必要とされるでしょうが、本当に大変なお仕事だと思います。でも、誰かがやらないといけないことなのでしょう。誰にも迷惑をかけないで死ぬことは不可能ですから・・・。

私は、今「孤独死」をテーマに物語を書いています。
遺品整理の仕事を題材として、展開するストーリーです。このブログや、キーパーズさんのHPも参考にさせて頂いております。書籍化するかはまだ未定です。
「天国へのお引越し」というフレーズに、とても惹かれるものを感じました。商標登録されているのですがもし、よければタイトルに使わせて頂けないでしょうか?
突然のぶしつけなお願いで、恐縮ですが、使わせていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
 
 
 
(能登のちゃこ)さま (管理人)
2007-12-24 17:25:10
返事が出来ず申し訳有りませんでした。

お伝えしておりました、「日米スーパーシニア親善野球」の運営でバタバタしておりましてなかなか手がつけられませんでした。

おかげさまで無事成功いたしましたので、ブログ上でご報告いたします。

いつも元気の出るコメント感謝します。
 
 
 
(ありてん)さま (管理人)
2007-12-24 17:26:04
返事が出来ず申し訳有りませんでした。

コメントには、いつも感謝しております。

お伝えしておりました、「日米スーパーシニア親善野球」の運営でバタバタしておりましてなかなか手がつけられませんでした。

おかげさまで無事成功いたしましたので、ブログ上でご報告いたします。
 
 
 
(はいさい) (管理人)
2007-12-24 17:30:46
「天国へのお引越し」は、おっしゃるように当社の登録商標ですので、使用していただくわけにはいきません。

これまでも、無断使用をしていたケースには、特許事務所を通じ警告等を行いそれなりの対応をさせていただいております。

きついような言い方に聞こえるかも知れませんが、だからこそ登録商標なんです。

ご了承下さい。

 
 
 
Yoshikunpatさま (管理人)
2007-12-30 14:48:03
有難う御座います。

良いお年をお迎え下さいませ。
 
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