他人事ではありません

土曜日に、またしてもサウジの石油施設が攻撃された。

8月の攻撃は、比較的イエメン（というかオマーン）に近いシャイバ油田が、イランに近い武装勢力のフーシによって無人機攻撃を受けた。巨額の武器購入で構築された鉄壁のはずのサウジの守りが、隣国の一武装勢力に破られた、と世界は驚いた。

そして土曜日、今度はさらにイエメン国境から遠い、アブカイクとクライスにあるサウジ・アラムコの石油施設が標的となった。そして生産量が半減した。

炎と煙をあげる写真はその時の模様とされる。

アメリカは、6月に自国の無人偵察機がイランに撃墜されたことをきっかけに、イランとの間が一触即発状態になった。トランプ爺が、攻撃命令10分前に中止を命じたのは記憶に新しい。今回はフーシが「無人機10機でサウジを攻撃した」と犯行声明を出したにもかかわらず、ポンペオ国務長官はそれを否定して、イランがイラクから攻撃を行ったと主張し、イラン外務省からは事実無根で意味不明、とコメントされている。イランとは対話の糸口を模索していた最中だというのに、トランプ爺は臨戦態勢も辞さず。

いろんな意味で背筋が寒い。

日本に置き換えるとさらに寒くて、風邪ひきそうだ。

煙をあげる石油施設は、大量の温室効果ガスを無駄に放出しただけで済むかもしれないけど、福島に攻撃されたらそんなんじゃ済まされないってこと。地上にどれだけ警備員を配備しても、今時捕まることを承知で正面突破してくるテロリストはいない。レーダーに引っかからないような低空で飛んできて、上から攻撃して、世界の注目が日本に集まるイベント中に犯行声明を出す、って可能性はゼロじゃない。そういう攻撃を、一体どうやって検知して迎撃するつもりなんだろう？

それから、シーレーンと原油依存の日本経済は、とても脆弱だということをまたも思い知らされた。中東からの原油とLNGに依存している限り、有志連合入りを求められたら断れない。アメリカのシェールガス・シェールオイルを輸入し始めたら、アメリカに全てを握られるも同然。

ふつ〜に考えれば、いつ営業してるか不安定な店を行きつけにするなんてことは、ありえないわけだから、そういう常識こそ必要なんじゃないだろうか。ましてや、温室効果ガスを出さなくても電気を起こす技術はたくさんあるし、プラスチッックや石油化学製品に変わる地球に優しい製品をどんどん開発して世界に売るいいチャンスじゃないかとも思う。