kebaneco日記

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ケタ違い

2008年12月14日 | 折々の話題
麻生首相の赤面ものの漢字読み間違いや、数多くの勘違い発言が日本のメディアをにぎわせてる。麻生首相同様、先代のブレア首相から選挙せずに首相の席を引き継いてるゴードン・ブラウン首相、言い間違いで話題をさらうという共通点も持っている。しかし、さすがかつては7つの海を制した大英帝国の首相だけあって、言い間違いのスケールは麻生首相とは桁違い。

英国はこたびの金融危機・経済混乱で破綻懸念が持たれた銀行に対して、世界に先駆けて何十億ポンドもの公的資金を投じて対応した。その点を先日の党首討論で野党保守党デイヴィット・キャメロン党首に「巨額公的資金を使った銀行救済策の成果が、銀行の貸し渋り解消に繋がっておらず、資本注入は失敗だったのでは?」と聞かれて「われわれはその政策によってまず金融システムを救った。そして世界を救っただけでなく(we not only saved the world)・・・」と口走り議場は制御不能の大爆笑・野次応酬状態に。

ブラウン首相は引きつる顔をどうにか笑顔っぽいものに維持しようと必死にこらえて、ざわつきが収まるのを待ったあと「われわれは諸外国と協力して世界の金融システムを救ったのみならず、結果、銀行破たんの被害を受ける預金者が出るのを防いだ。銀行の融資業務の障壁を取り除いた。もっとも、野党としてはわれわれの国際舞台での指導力を歯噛みしつつ見ているであろうが(かなりはしょって訳してますけど)」と続けた。

キャメロン保守党党首には「首相が、自国のことをないがしろにして、世界を救うと大風呂敷広げてばかりいたってことが、これで議事録にものりますな」と再び笑いを誘う発言をされてしまった。

こちらにビデオクリップがアップされてます。「静粛に・ご静粛に」ってやってる議長の表情にもご注目。

けれども、英国がいち早く発表・実施した銀行救済策は、主要銀行への合計250億ポンドの資本注入、今後の資本注入のための資金として更なる250億ポンドの公的資金の準備、銀行が発行する債券の政府保証付与、中央銀行による資本市場への資金供給などからなり、今年のノーベル経済学賞を受賞したポール・クルッグマン教授から絶賛され、アメリカも重い腰を上げてまねしたものだ。さらにその後17.5%の消費税率を15%に下げる政策を打ち出すなど、スピード感・規模・内容の質において日本とは桁違いの政策を次々に投入している。そのため「サブプライム首相」とか「死に体」とまで言われ保守党にかなり水をあけられていた支持率も、この危機にあっての大胆な対応策を好感して回復が見られる。ブラウン首相の政策を批判するキャメロン党首には勝ち目はない。せいぜい笑いを取る程度だ。

ちなみにブラウン首相「90年代の日本の危機対応から学んだ(当時ブレア政権下で蔵相)」そう。でもそのココロは、「遅すぎ・小規模すぎだと危機が長引く」ってものだそうで、それが今回の大胆且つ的確且つ素早い動きに繋がったらしい。どこかの国の政治家・メディアは「日本が教えてあげられることもあるはず」と金融危機対応のサミットに臨んだ、よね。恥ずかしいったら・・・

麻生首相は11月の小沢民主党党首との党首討論で自らの立場の正当性を問われて、ブラウン首相だって選挙の洗礼を受けずに首相となったので、自分にはなんの問題もないと答えた。まぁそれはそうかもしれない。が、ブラウン首相を引き合いに出すなら、まずは彼の政治手腕を真似してからにしてもらおうか。

写真は産経からよん

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