1999年3月能登半島沖で2隻の不審船が発見され海上保安庁巡視船・巡視艇が出動し威嚇射撃を実施するも拿捕することができなかった「能登半島沖不審船事件」
この件には海上自衛隊舞鶴基地から護衛艦「はるな」(第3護衛隊群・直轄艦)、「みょうこう」(第3護衛隊群所属)、「あぶくま」 (舞鶴地方隊所属)も対峙 航空自衛隊は情報収集の名目で、三沢基地所属のE-2C早期警戒機を出動。結果として拿捕することは叶わなかった。本件が初めて「海上警備行動」が発動された。(海上保安庁の対処能力では対応できない対応能力を超えていると判断された場合 防衛大臣の命により実施 内閣の審議を経て内閣総理大臣の承認が必要)
海上自衛隊では護衛艦や哨戒ヘリコプターにこれを期に機関銃の装備の普及が図られた。また護衛艦付き立入検査隊が整備される。
海上保安庁ではこの事案を受け巡視船艇の能力強化などの不審船対策の強化に乗り出し高速特殊警備船の建造を計画 20ミリ機関砲を装備し速力40ノット以上の速力を計画することとしたもの。
全長95メートル 幅12.6メートルの当時のPL型巡視船としては大柄な船体
ウォータージェット推進で30ノット以上で不審船を追い詰めるために配備された巡視船
射撃管制機能を有している大型の40ミリ機関砲1門(ボフォース MK.3 40mm単装機関砲×1)と20ミリ機関砲1門(多銃身20mm機関砲)
現在では すがしま型掃海艇の機雷掃射用の機関砲と異なり船橋内から機関砲を操作できる。
「ヘリ甲板付き高速高機能大型巡視船」
ヘリコプター格納庫は装備しないが 海上保安庁が保有するすべてのヘリコプターの離発着が可能なヘリコプター甲板
煙突は廃止し両舷からの舷側排気を採用し重心を低く抑えた構造。ヘリテレ装置 船テレ装置 (巡視船の船橋の上にアンテナを取り付け、衛星を通じて海上保安庁に送信。映像は官邸にも転送される。船橋上に据え付けたカメラで撮影した映像のほか、海上保安官がビデオカメラで撮影した映像も伝送可能)
船テレ装置については尖閣警備に専従する巡視船全12隻への船テレ導入を決定済
新潟から岡山県の新来島サノヤス造船所に向かう第九管区新潟海上保安部 巡視船ひだPL51
設計は前進的でステルス性が考慮されたデザイン。マストも同様にデザイン
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