年末 ４

「別にアンタを責めてるんやないで？年末休むから…」
「どこも休みですよ」
「…わかってる。だから、薬が」
「きれるのでしょ？」
「…そう。そやねん」
「それで休まれたら困るけど、休むからそのぶん出しといてくれってことでしょ？」
「…そうや」
「ワリカンで？」
「ちゃうから」
「わかりました。一応出しておきましょう」
「…ありがとうございます」
「今からやったら一日に届くかわかりませんが」
「年賀状かい！」

年末 ３

「だからこの日まで診てきたんですよ」
「そうや！俺も通ったよ。お宅を信頼して」
「私も信頼してます。妻もいます」
「それはしらんけど」
「小太りです」
「いや、そんなんええから」
「私の方からコクりました」
「そんなんええねん！とにかくお宅を信頼してきたんだから！」
「それはありがたいです。なかなか信頼は買えません」
「…まぁ、だから～」
「お金では買えません！」
「もうええから！とにかくやな…」
「わかってます。わかってますよ、ホントに」

年末 ２

「じゃあ聞くけど、何でお前病気になってン？」
「…それは…」
「そやろ？俺かてそやもん。何でって言われるとわからんモン」
「わからんのに医者やってええんかい？」
「いや、医療のことはわかるよ。そらそうや。勉強してきたし」
「俺は医療のことわからへんねん！庶民やねん！だからお宅のトコにきたんやないか！」
「呼んでへんもん」
「呼ぶとか呼ばんとか、そういう問題ちゃうねん！！」
「じゃあ、どういう問題なん？」
「お前さぁ、仕事やろ？仕事と決められたからには、専門やねんから、診るやろが！」
「そうや」
「そやろが！」
「だからここまで診てきたじゃない」
「いやいやか！？」

年末 １

「年末は病院休みますんで」
「は？…それは死ねって事ですか？」
「いやいや…そんなこと一切思ってないですよ」
「じゃあなぜ？」
「それはウチも…ねぇ…？年末ぐらいはゆっくりしたいじゃないですか？」
「でも僕、年末も病気なんですよ？」
「私も病気なんですよ」
「お前医者やろが！」
「好きで医者になったわけちゃうんじゃ！」
「ほな何で医者やっとんねん！」
「そんな感じやってん！」
「どんな感じじゃ！」

今日の一言

にゃんにゃん