EigenWolf

今度の東北大震災がきっかけでBlogを始めました.

ワクチン接種と感染拡大の拮抗

2021年06月21日 11時43分41秒 | 報道/ニュース

報道によると6/21日現在、ワクチン接種は約3000万回となっている。日本の人口は約1億3000万であるので、全国民が免疫獲得するには2億6000万回の接種が必要である。割合を取ると、現時点で約11%、7月下旬で23%、8月下旬でも35%程度で、多く見積もっても50%に満たない。更に言えば2回接種の後、3週間以上経過しないと十分な免疫獲得が出来ないのであるから、オリンピック期間中はせいぜい全国民の30%程度しか免疫獲得していない事になる。

感染はスプレッダーと未感染者の接触によって起きる。既に感染して免疫を獲得している人口(約80万人)はワクチン接種による免疫獲得人口(数千万人)に比べ無視出来るから、一人のスプレッダーが他人にうつす確率は、「全人口」から「ワクチン接種による免疫獲得人口」を差し引いた分の約7割程度に減少する。しかし、この数値はオリンピック期間中の蔓延を防ぐには十分ではない。

感染拡大は自発的に起きる自然現象であるから、これを食い止めるには大きなエネルギーが必要なのである。ワクチン開発に注がれた膨大なエネルギー、日本における死にものぐるいの接種拡大の努力は大きなエネルギーであるが、時間的に間に合わなかった、ということである。「オリンピック開催の成功に向けて国民が一致団結するかもしれない」というもう一つの期待があったが、この期待も裏切られそうである。

「様子を見極めながら」有観客かどうかを判断する状況ではない。オリンピックは無観客の選択肢以外残されてはいないのである。物理的にほとんど有り得ないヤジロウベエのような均衡に期待するのではなく、どんな小さなエネルギーも感染拡大を阻止する方向に注ぐ必要がある。オリンピック期間中の感染が原因で亡くなる人も相当いるはずである。国民の健康と命を守るという気持ちが誠のものであるならば、結果がどうあろうとも保険の担保は出来るだけ多く取るべきである。最小の努力で多くの成果を期待してはいけない。注いだエネルギーに見合った分しか成果は返ってこないのである。