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エネルギー政策論争

2021年09月21日 20時19分13秒 | 報道/ニュース

危険な原子力発電に代え、生命に優しい自然の代替エネルギーに頼ろうとする意見があり、政策論争にもなっている。安全なエネルギーの開発をすすめ健康で明るい国づくりを目指す、という考えはそれ自体すばらしいものであり、議論の余地はないように見える。

しかし、安全な代替エネルギーとはなんであろうか?「風力、水力、地熱、太陽光、...」その他色々挙げる事が出来るかもしれない。注意しておかなければならない事がある。基本的に、この太陽系には原子力エネルギー以外のエネルギーは存在しないのである。上に挙げたエネルギーは、その源は太陽(及び、その母体である超新星)のエネルギー、すなわち水素の核融合エネルギーからもたらされたものである。「石炭、石油」は地球が何億年という歳月をかけて蓄積した太陽の核融合エネルギーの化身に過ぎない。何億年という歳月が化石燃料を極めて質の高い燃料に変化させた一方で、上に挙げた「安全な代替エネルギー」はエネルギーの質と密度が低く、「石炭、石油」等の化石燃料の代用にはならない事はもうはっきりしている。

誤解しないでほしいのは、エネルギーとは技術革新によって作り出せるようなものではない。単にそこにあるものであり、我々はそれを利用出来るだけである。技術の進化によって開発・改良出来る工業製品とは全く質的に異なるずっとずっと根元的で基本的なものなのである。「石炭、石油」が使えない時代に進みつつある状況で、残されたエネルギーはただ原子力のエネルギーのみである。「安全な代替エネルギー」という夢の様な政治家の甘言に惑わされてはいけない。幸いにこの地球上にはまだ利用可能な若干の「核分裂物質」(超新星爆発の残骸であり、海水中に含まれるウラン同位体)や豊富な「重水素・トリチウム」等が存在する。文明的な社会を続けていくということが地球文明の避けられない道筋であるならば、我々はなんとしてでも核分裂、核融合の原子力を手なずける必要があるのである。《核兵器に転用出来るので原子力は危険である》といった政治の話とは全く次元の異なる「人類が文明を存続させるための」根源的で深淵な問題なのである。原子力の利用は我々の子孫に文明的な生活を続けさせるための残されたただ一つの道である。文明的な生活を持続させるという事が社会全体の同意であるならば、我々はこの道を進んで行くしか選択肢はないのである。



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