徒然なるままに・・・

映画よりJAZZにシフトチェンジ中・・・。

【映画感想・ラ行】 ランド・オブ・ザ・デッド ★★☆

2005-09-22 | 【映画感想・ラ行】
ストーリー:
ゾンビがうごめく世界。生き残った人間たちは、
遮断された要塞の街で恐怖と貧しさのなか暮らしている。
一方、少数の裕福な上流階級は、街の高台に立つ塔、
フィドラーズ・グリーンで不自由のない生活を送っていた。
外の世界から食料などの必需品を調達する傭兵、ライリーは、
北へ逃亡する資金を貯め、傭兵を退職しようとしていた。
その頃塀の外では、歩き回るだけだったゾンビたちが進化し、
組織を組んで塔へ向かっていた…!
(goo映画より引用)

出演:
サイモン・ベイカー、デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント、
ジョン・レイクザモ、ロバート・ジョイ

監督:
ジョージ・A・ロメロ

ゾンビを生み出したジョージ・A・ロメロ。
本家の彼が、新たなるゾンビ映画の進化形を描いた作品となっている。

ゾンビの進化した形とは、
今までのイメージ(動きが遅く、知的でない)を完璧に覆し、
動物的本能を兼ね備えた存在となった。言わば、新種誕生と言ったところか。
ゾンビ同志が意思疎通をし合い、単体でなく群れをなして活動し、
活動範囲という部分では、陸上でしか移動できないはずだったのに、
水の中に入ることも抵抗を示さず、あっさりと移動可能になってしまったのだ。
進化した姿は、猿⇒類人猿⇒人の変化の過程を辿っているかのようだ。
創造物であるのだから、何でもありという点では問題ないし、
何故そうなったのかを説明してもらう必要もない訳で、
兎に角、変化した所を見せるだけで、大きな説得力があるように思う。
その上、ゾンビが常人を食い尽くす場面は、豪快でエグい。
内臓剥き出し、腕や足をチキンかの如くムシャムシャと食う様は、
ゾンビの凶暴性を曝け出すと共に、美的ですらあるように感じた。

ロメロ監督は、人間が暮らす背景はいつも時代を反映させていた。
今回も外堀に水を張り巡らし、ゾンビが進入できないようなテリトリーに人を住まわせ、
そのテリトリー内で、貧困層から富裕層まで暮らしている状況となっている。
あからさまに貧富の差を露見し、更に、富裕層は虚栄心を見せつける。
その姿が、実はアメリカ自体であることを暗喩している。
そんなソサエティーを打ち破らんばかりに、ゾンビが食い尽くす。
終盤、テリトリー内での人間が食われる光景を見ると爽快な気分になる。
現状をぶち壊す過程を見せられているから、そう感じたのかもしれない。

ゾンビの進化ぶりには、興味を抱いたのだが、ストーリーに斬新さはない。
先行きが見える展開で、あまりの予定調和ぶりに退屈な部分がある。
しかし、これはゾンビの暴れっぷりを眺める映画であるのだから、
これはこれでOKなんじゃないのか? 


最新の画像もっと見る