ストーリー:
文化祭を翌日に控えた、とある地方都市の高校。
軽音楽部の女子3名、キーボードの恵、ベースの望、
ドラムの響子は途方に暮れていた。
文化祭ライヴに向けて練習を重ねてきたのに、ギターの萌が指を骨折。
ブチ切れたボーカルの凛子と恵がバトルを演じ、
バンドが空中分解してしまったのだ。
3人が出演をあきらめようと思った矢先、
部室のラジカセからブルーハーツの「リンダリンダ」が聞こえてくる。
これやろうよッ!なぜか盛り上がってしまった女子たちは、
成りゆきで韓国からの留学生・ソンをボーカルに誘い、猛練習を始めるが。
(goo映画より引用)
出演:
ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織、三村恭代、
湯川潮音、、山崎優子、甲本雅裕
監督:
山下敦弘
「根性」、「努力」、「涙」というのが青春映画の根底にある要素だと思う。
しかし、この映画はそんなものはなく、サラりと描いているのに、感動できる。
間違いなく、青春映画、高校生映画の傑作と断言したいと思う。
面白い要素は2点あって、1つは、主人公4人の描写にある。
学園祭のステージまで3日間しかなく、時間も切迫しているとなると、
練習風景が繰り返し描かれるだろうと思われがちだが、
猛練習している場面は、殆どなく、映し出されるのは、練習以外の4人の姿。
そこで見えてくるのが、彼女達のキャラクター像。
韓国人留学生のソンは、分からないことの返事はかなりいい加減、人の恋愛に興味津々。
恵は、なげやりで気の短さは天下一品だが、実際はとても優しい女の子。
響子は、皆をまとめている様で実際はちょっといい加減。典型的な高校生タイプ。
望は口数が少ないが、言うことはどれも的を得ていて、縁の下の力持ちタイプ。
その4人のキャラが手に取るように伝わる光景の数々。
皆で深夜の学校に忍び込んでの練習、練習の間にボーっとしている姿
望の家での夕飯の風景、そして、練習中のピリピリした雰囲気。
どんなシチュエーションでも、性格が物語るシーンがいくつもあり、
女の子達の考えや性格が手に取るように分かる。
別にセリフ過多でもなく、ストーリーの流れで掴み取ることができる演出は見事。
もう1つは、学校生活のリアルさである。
廃校となった学校を借りてのロケのおかげと言える部分もあるのだが、
そこで生活している生徒達の姿も主人公同様にさり気なく見せてくれる。
あまりやる気なさげな先生、軽音部のゆる~い上下関係、留年してまったりしている学生、
突然恋の告白言おうとする生徒、その告白の場所は決まって備品室。
映画のラストのライブシーンでは、ステージ周辺でノッている生徒もいれば、
後ろの方ではゴロンと座って眺めている生徒もいる。
観ていて思ったのは、自分の学生時代とオーバーラップしてくるところだ。
映画の中の一コマ一コマが、デジャヴーのようで驚いてしまった。
特に秀逸なのは、学校風景をスライドショーのように映し出す場面。
そのシークエンスは、学生時代の寂寥感を募らせてくれる。
この点も、監督のリサーチの賜物なのだろうか。
山下監督独特のオフビート感覚。
彼の作品にあったドライな眼差し、どことなくズレた雰囲気は今回も健在。
ソンちゃんが告白される場面、ソンがカラオケ屋での店員のやり取り、
最も面白いのは、恵の誕生日を祝う場面(夢だけど)、
ゲラゲラ面白い訳でなく、含み笑いをさせられるところが山下監督らしいところだ。
設定もボーカルを韓国人にしたところも独特のように思える。
そんなドライな感覚であっても、ラストのライブシーンは熱い。
仰々しい盛り上げ方ではなく、ストーリーの流れが後押ししていると言っていい。
4人の学園祭当日までの3日間の時間を共有できたからであろう。
彼女達の晴れ姿を見て、素直に感動することができる映画である。
※余談
恵、響子、望が、何のコピーバンドをやるのか決めるシーン。
その中で、ジュンスカ、プリプリ、ユニコーンが古いと言われ、
更には、ジッタリンジンは存在すら知らないとされていた・・・。
自分の高校時代によく聴いていたバンド達が過去のものになったのかと痛感・・・。
文化祭を翌日に控えた、とある地方都市の高校。
軽音楽部の女子3名、キーボードの恵、ベースの望、
ドラムの響子は途方に暮れていた。
文化祭ライヴに向けて練習を重ねてきたのに、ギターの萌が指を骨折。
ブチ切れたボーカルの凛子と恵がバトルを演じ、
バンドが空中分解してしまったのだ。
3人が出演をあきらめようと思った矢先、
部室のラジカセからブルーハーツの「リンダリンダ」が聞こえてくる。
これやろうよッ!なぜか盛り上がってしまった女子たちは、
成りゆきで韓国からの留学生・ソンをボーカルに誘い、猛練習を始めるが。
(goo映画より引用)
出演:
ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織、三村恭代、
湯川潮音、、山崎優子、甲本雅裕
監督:
山下敦弘
「根性」、「努力」、「涙」というのが青春映画の根底にある要素だと思う。
しかし、この映画はそんなものはなく、サラりと描いているのに、感動できる。
間違いなく、青春映画、高校生映画の傑作と断言したいと思う。
面白い要素は2点あって、1つは、主人公4人の描写にある。
学園祭のステージまで3日間しかなく、時間も切迫しているとなると、
練習風景が繰り返し描かれるだろうと思われがちだが、
猛練習している場面は、殆どなく、映し出されるのは、練習以外の4人の姿。
そこで見えてくるのが、彼女達のキャラクター像。
韓国人留学生のソンは、分からないことの返事はかなりいい加減、人の恋愛に興味津々。
恵は、なげやりで気の短さは天下一品だが、実際はとても優しい女の子。
響子は、皆をまとめている様で実際はちょっといい加減。典型的な高校生タイプ。
望は口数が少ないが、言うことはどれも的を得ていて、縁の下の力持ちタイプ。
その4人のキャラが手に取るように伝わる光景の数々。
皆で深夜の学校に忍び込んでの練習、練習の間にボーっとしている姿
望の家での夕飯の風景、そして、練習中のピリピリした雰囲気。
どんなシチュエーションでも、性格が物語るシーンがいくつもあり、
女の子達の考えや性格が手に取るように分かる。
別にセリフ過多でもなく、ストーリーの流れで掴み取ることができる演出は見事。
もう1つは、学校生活のリアルさである。
廃校となった学校を借りてのロケのおかげと言える部分もあるのだが、
そこで生活している生徒達の姿も主人公同様にさり気なく見せてくれる。
あまりやる気なさげな先生、軽音部のゆる~い上下関係、留年してまったりしている学生、
突然恋の告白言おうとする生徒、その告白の場所は決まって備品室。
映画のラストのライブシーンでは、ステージ周辺でノッている生徒もいれば、
後ろの方ではゴロンと座って眺めている生徒もいる。
観ていて思ったのは、自分の学生時代とオーバーラップしてくるところだ。
映画の中の一コマ一コマが、デジャヴーのようで驚いてしまった。
特に秀逸なのは、学校風景をスライドショーのように映し出す場面。
そのシークエンスは、学生時代の寂寥感を募らせてくれる。
この点も、監督のリサーチの賜物なのだろうか。
山下監督独特のオフビート感覚。
彼の作品にあったドライな眼差し、どことなくズレた雰囲気は今回も健在。
ソンちゃんが告白される場面、ソンがカラオケ屋での店員のやり取り、
最も面白いのは、恵の誕生日を祝う場面(夢だけど)、
ゲラゲラ面白い訳でなく、含み笑いをさせられるところが山下監督らしいところだ。
設定もボーカルを韓国人にしたところも独特のように思える。
そんなドライな感覚であっても、ラストのライブシーンは熱い。
仰々しい盛り上げ方ではなく、ストーリーの流れが後押ししていると言っていい。
4人の学園祭当日までの3日間の時間を共有できたからであろう。
彼女達の晴れ姿を見て、素直に感動することができる映画である。
※余談
恵、響子、望が、何のコピーバンドをやるのか決めるシーン。
その中で、ジュンスカ、プリプリ、ユニコーンが古いと言われ、
更には、ジッタリンジンは存在すら知らないとされていた・・・。
自分の高校時代によく聴いていたバンド達が過去のものになったのかと痛感・・・。
山下監督のさりげない描写が、
学園生活の時代に巻き戻されたといいますか。
あんな光景あったなぁと観ていて思ってましたもの、私も。
80年代を彩ったバンドの名前が次々と出た時、
映画を観ながら「お~!」と思ってばかりでした。
客観的な学園生活の描かれ方がいいですよね。
自然と学生時代に帰れたといいますか。
ジッタリンジン、リアルタイムで見たというだけで、
世代差を痛感してしまいます…。
学園モノを見ていると、デジャブを感じることがよくありますが、この映画は特にそれが強かったです。
閑散とした体育館、これからどうやって盛り上がるんだろう?と心配していたら、雨が降ってきてみんな体育館へ来始めた!という流れがとても好きでした。
だったのですね。なるほど。
こーち・かーたーのトレーニングには耐えられそうにない私ですが
リンダのオフビートな青春にはえらくハマりましたー
ジッタリンジンを知っているコがいることの方が意外でした・・。