やっとこのテーマ(自殺)に、冷静に、客観的に向き合うことができつつあります。何度口ごもりながら語ってきたでしょうか。何度隠そうとしてきたでしょうか。
僕の人生にありえない恥、大罪。うつ、そして自殺。
こんな僕にも止めようのなかった破壊衝動が潜んでいることがわかった。すべてが壊れ、ぽしゃり、投げ出され、打ちひしがれ、そこから始まった。
自分を立て直すために、カウンセリングが、書くことが必要だった。
僕が今までに書いた小説、端的に言って、主題は破壊と再生だったのでしょう。ただそれを意識してはいなかった。書くことで破壊細胞が増殖し、耐えられなかったこともあった。免疫力、生活力、豊かな人間関係、そして精神保健の正しい知識を身につけるのが今までだったのかもしれません。
この本は、帯にもあるように、自殺を予防するための基本知識が簡潔に記されています。自殺の現状、他国との比較、年代別の特徴、背後にある因子、実際の治療過程、方法、「死にたい」と言われたらどうするか?
自殺は、救いを求める最終手段であることが多い。身体症状ばかり訴え、意識的にではなくても否認しようともする。それは周りの人も同じ。引き受けるということを、大変だから、避けようとする。でも、大変は大きく変わること。その変化の芽をいかに感じ取れるか。自殺に至る前の長い道のり、準備段階こそが重要です。兆候をあげてみましょう。それはうつ症状とほとんど重なります。
抑うつ気分-気分が沈み、涙ぐむ。自己に対する評価が極端に落ち、自信を失い、自分を責める。後悔ばかりしたり、絶望感が強まっていき、死ぬことさえも考えるようになる。
精神運動静止-思考能力が減退し、普通なら難なくやり遂げられることでも非常に多くのエネルギーが必要になる。集中できない、人と会うのが億劫だ、興味を持っていた趣味に打ち込めなくなる。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような感じ。
不安焦燥感-落ち着かず、イライラしている状態。じっと座っても、横になってもいられず、部屋中をウロウロ歩き回ったり、髪をかきむしったりする。
自律神経症状-不眠、食欲不振、頭痛、頭が重い、めまい、目のかすみ、耳鳴り、喉の痛み、声のかすみ、動悸、息苦しさ、便秘、下痢、関節の痛み、性欲減退、微熱、疲れやすい、などなど。
特に子供の場合は、言語化する能力が未発達のため、行動や症状に現れることが多いようです。首のない自画像を描いたり、画鋲を口に入れたり。
そうなりがちな思考パターンというのがあります。それらを知っているだけでも、かなりゆとりができると思います。
二分割思考、自己関連づけ、過度の一般化、選択的抽出、肯定的な側面の否定、破局視、読心、占い、縮小視、情緒的理由づけ、「~すべき」という言い方、レッテル貼り。それぞれ説明しようとも思いましたが長くなるので割愛しました。要するに、すべて言い訳です。自分の作った自分という姿に合うような言葉を選んでいるということです。そしてそれは、絶対ではありません。しかし、主観的な真実こそが、個人を動かす原動力にもなっているので、そこを理解しようとしない限り、その人も変わっていかないでしょう。
とにかく、自殺を美化してはいけないのです。一人線路に飛び込めば、何万人もの人々が立ち止まることになる。その与える影響は計り知れない。
自殺者年間3万人を越える今の日本。この中にいて、うつから自殺へという道をかつて歩んだことのある生存者として、僕のできることでなんとか力になりたい、という僕の核は、変わることがありません。
正しく見ること、聴くこと、感じること、そこからしか対応する手は出てこない。心に届き働く文章を、どうしても書きたい。それが僕の役割だから。
高橋祥友著/講談社現代新書/1997
僕の人生にありえない恥、大罪。うつ、そして自殺。
こんな僕にも止めようのなかった破壊衝動が潜んでいることがわかった。すべてが壊れ、ぽしゃり、投げ出され、打ちひしがれ、そこから始まった。
自分を立て直すために、カウンセリングが、書くことが必要だった。
僕が今までに書いた小説、端的に言って、主題は破壊と再生だったのでしょう。ただそれを意識してはいなかった。書くことで破壊細胞が増殖し、耐えられなかったこともあった。免疫力、生活力、豊かな人間関係、そして精神保健の正しい知識を身につけるのが今までだったのかもしれません。
この本は、帯にもあるように、自殺を予防するための基本知識が簡潔に記されています。自殺の現状、他国との比較、年代別の特徴、背後にある因子、実際の治療過程、方法、「死にたい」と言われたらどうするか?
自殺は、救いを求める最終手段であることが多い。身体症状ばかり訴え、意識的にではなくても否認しようともする。それは周りの人も同じ。引き受けるということを、大変だから、避けようとする。でも、大変は大きく変わること。その変化の芽をいかに感じ取れるか。自殺に至る前の長い道のり、準備段階こそが重要です。兆候をあげてみましょう。それはうつ症状とほとんど重なります。
抑うつ気分-気分が沈み、涙ぐむ。自己に対する評価が極端に落ち、自信を失い、自分を責める。後悔ばかりしたり、絶望感が強まっていき、死ぬことさえも考えるようになる。
精神運動静止-思考能力が減退し、普通なら難なくやり遂げられることでも非常に多くのエネルギーが必要になる。集中できない、人と会うのが億劫だ、興味を持っていた趣味に打ち込めなくなる。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような感じ。
不安焦燥感-落ち着かず、イライラしている状態。じっと座っても、横になってもいられず、部屋中をウロウロ歩き回ったり、髪をかきむしったりする。
自律神経症状-不眠、食欲不振、頭痛、頭が重い、めまい、目のかすみ、耳鳴り、喉の痛み、声のかすみ、動悸、息苦しさ、便秘、下痢、関節の痛み、性欲減退、微熱、疲れやすい、などなど。
特に子供の場合は、言語化する能力が未発達のため、行動や症状に現れることが多いようです。首のない自画像を描いたり、画鋲を口に入れたり。
そうなりがちな思考パターンというのがあります。それらを知っているだけでも、かなりゆとりができると思います。
二分割思考、自己関連づけ、過度の一般化、選択的抽出、肯定的な側面の否定、破局視、読心、占い、縮小視、情緒的理由づけ、「~すべき」という言い方、レッテル貼り。それぞれ説明しようとも思いましたが長くなるので割愛しました。要するに、すべて言い訳です。自分の作った自分という姿に合うような言葉を選んでいるということです。そしてそれは、絶対ではありません。しかし、主観的な真実こそが、個人を動かす原動力にもなっているので、そこを理解しようとしない限り、その人も変わっていかないでしょう。
とにかく、自殺を美化してはいけないのです。一人線路に飛び込めば、何万人もの人々が立ち止まることになる。その与える影響は計り知れない。
自殺者年間3万人を越える今の日本。この中にいて、うつから自殺へという道をかつて歩んだことのある生存者として、僕のできることでなんとか力になりたい、という僕の核は、変わることがありません。
正しく見ること、聴くこと、感じること、そこからしか対応する手は出てこない。心に届き働く文章を、どうしても書きたい。それが僕の役割だから。
高橋祥友著/講談社現代新書/1997
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