
この本と出会うまで、私の中で「読書」と「セラピー」がくっつくことはありませんでした。それだけでも大発見なわけですが、読んでみれば納得することばかり。
著者もまた、かつて「うつ病」を患い、読書によって癒えていった経験を持っています。
「Bibliotherapy(ビブリオセラピー)」はアメリカ、イギリスで実施されており、図書館で本が処方されています。イスラエルでは「読書セラピスト」という国家資格もあるそうです。
「うつ」が抜け切らないまま大学卒業となり、カウンセリングの学校に通うことだけ決め、次に決めたのが本屋でのバイト、執筆への思いはずっとありつつ、同時に続いてきたのは読書。今だってそう。ますますそう。本を読むことが楽しくて仕方ない。
「therapy(セラピー)」とは、そもそも何だろう?
辞書で確認すると、手術や薬を用いない治療法、心理療法とある。
カウンセラーはセラピストとも呼ばれます。
カウンセラーを志したことは、私の中でまだ生きています。
本屋でだってセラピーはできたのか、という感じ。
こんなときはこの本、あんなときはこの本、と提案できる能力も磨くことができた。
帯にも書いてありますが、ぎっくり腰には「夜と霧」。こんな発想はなかった。
でも確かに、つらい思いをしているとき、もっとつらい思いをしていた人たちを読むと、私だけがつらいのではなく、耐え忍ぶ力を呼び覚ますことができる。実際、「夜と霧」の著者フランクルは、ナチスによるユダヤ人収容施設から生還し、希望であった草稿を「夜と霧」として出版することができました。
他にもたくさん本が紹介されています。いくつかの絵本は買って読んでみようと思います。
それにしても、改めて読書の力は偉大だと思わされます。
没頭して時間を忘れられる。登場人物と自分を重ね合わせ、泣き笑いし、成長することもできる。再読によって過去と今の自分を比較できる。必要な技術を自分のものにできる。必要な言葉で、悪癖を絶つことができる。時空間を超えて、著者とつながることができる。語彙が増えることで表現力が上がり、生きやすくなる。一人では行けないところにも小説でなら行ける。より深い自分を発見できる。より多くの人たちの真実に触れることができる。知識によって迷わなくなる。本が、人と人をつなぐ。本が、私の体と心をつなぐ。
千冊読み込んで、やっと一冊この世に送り出せるかどうか、なんじゃないかと僕は思う。それくらいじゃないと失礼だという気持ちもある。それに、本屋で散々薄っぺらい本を返品してきたので、そうはなりたくない思いもある。
個人的なことはさておき、この本には本の選び方や読み方、向き合い方も書かれています。どんな本を読めばいいかわからない! とおっしゃる方が本屋でもいますが、読書の入門としても役立つでしょう。
私の本の選び方は「芋づる式」+「直感」+「信頼できる人のおすすめ」でしょうか。「心に引っかかったもの」はとにかく買うようにしています。本も一期一会ですから。
これからは「読書療法家」という視点も自分の中で育てたいと思うようになりました。
ちなみに「本屋」という詩を書いたことがあります。それは書店チェーン店を卒業し、自前で本屋を開業した友人に捧げたものですが、よかったらどうぞ。
興味のある方は著者が作った「日本読書療法学会」もどうぞ。
読むだけでももちろんいいのですが、私は書くこと、表現することもおすすめします。
自分の考えや想像を持ち、発表すること。受け応えがセットで、やっと人は十分に機能するようになるから。
寺田真理子 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2021
著者もまた、かつて「うつ病」を患い、読書によって癒えていった経験を持っています。
「Bibliotherapy(ビブリオセラピー)」はアメリカ、イギリスで実施されており、図書館で本が処方されています。イスラエルでは「読書セラピスト」という国家資格もあるそうです。
「うつ」が抜け切らないまま大学卒業となり、カウンセリングの学校に通うことだけ決め、次に決めたのが本屋でのバイト、執筆への思いはずっとありつつ、同時に続いてきたのは読書。今だってそう。ますますそう。本を読むことが楽しくて仕方ない。
「therapy(セラピー)」とは、そもそも何だろう?
辞書で確認すると、手術や薬を用いない治療法、心理療法とある。
カウンセラーはセラピストとも呼ばれます。
カウンセラーを志したことは、私の中でまだ生きています。
本屋でだってセラピーはできたのか、という感じ。
こんなときはこの本、あんなときはこの本、と提案できる能力も磨くことができた。
帯にも書いてありますが、ぎっくり腰には「夜と霧」。こんな発想はなかった。
でも確かに、つらい思いをしているとき、もっとつらい思いをしていた人たちを読むと、私だけがつらいのではなく、耐え忍ぶ力を呼び覚ますことができる。実際、「夜と霧」の著者フランクルは、ナチスによるユダヤ人収容施設から生還し、希望であった草稿を「夜と霧」として出版することができました。
他にもたくさん本が紹介されています。いくつかの絵本は買って読んでみようと思います。
それにしても、改めて読書の力は偉大だと思わされます。
没頭して時間を忘れられる。登場人物と自分を重ね合わせ、泣き笑いし、成長することもできる。再読によって過去と今の自分を比較できる。必要な技術を自分のものにできる。必要な言葉で、悪癖を絶つことができる。時空間を超えて、著者とつながることができる。語彙が増えることで表現力が上がり、生きやすくなる。一人では行けないところにも小説でなら行ける。より深い自分を発見できる。より多くの人たちの真実に触れることができる。知識によって迷わなくなる。本が、人と人をつなぐ。本が、私の体と心をつなぐ。
千冊読み込んで、やっと一冊この世に送り出せるかどうか、なんじゃないかと僕は思う。それくらいじゃないと失礼だという気持ちもある。それに、本屋で散々薄っぺらい本を返品してきたので、そうはなりたくない思いもある。
個人的なことはさておき、この本には本の選び方や読み方、向き合い方も書かれています。どんな本を読めばいいかわからない! とおっしゃる方が本屋でもいますが、読書の入門としても役立つでしょう。
私の本の選び方は「芋づる式」+「直感」+「信頼できる人のおすすめ」でしょうか。「心に引っかかったもの」はとにかく買うようにしています。本も一期一会ですから。
これからは「読書療法家」という視点も自分の中で育てたいと思うようになりました。
ちなみに「本屋」という詩を書いたことがあります。それは書店チェーン店を卒業し、自前で本屋を開業した友人に捧げたものですが、よかったらどうぞ。
興味のある方は著者が作った「日本読書療法学会」もどうぞ。
読むだけでももちろんいいのですが、私は書くこと、表現することもおすすめします。
自分の考えや想像を持ち、発表すること。受け応えがセットで、やっと人は十分に機能するようになるから。
寺田真理子 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2021
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