◆前号に引き続き、家族支援の必要性について家族支援を推進されている佐藤純氏の論文「何をすることが家族の支援になるのか」を紹介します。
◯佐藤純氏は、京都ノートルダム女子大の准教授で、昨年、新潟で開催された精神保健福祉フォーラムにもお出でいただきました。
~「何をすることが家族の支援になるのか」~
◯下記のとおり「1~8」に整理してあります。前号は5~6でした。今回は7~8です。
1.相談の実態は半数が家族、心労が心配、一体誰に支えられているのか!
2.家族支援=家族心理教育と言われたが!
3.家族支援=家族心理教育+家族自身の人生の支援!
4.家族自身の困難について:医療も専門職も目が届いていない!
5.ACT―K(アクト-K 京都)の活動からみる家族自身の人生への支援のあり方!
6.英国に見る家族支援;家族と別に暮らすことが可能な支援!
7.「家族がケアをするかしないかを選択できる権利を保障する」ことの意義!
8.さいごに・・・!
7.「家族がケアをするかしないかを選択できる権利を保障する」ことの意義!
(1)これまで述べたように、我が国では家族のケアなしに地域生活をおくることが難しい状況にある。そのため、まずは当事者自身も支援するスタッフも、家族によるケアを当てにせずとも地域生活が可能になるよう、きめ細やかな訪問による地域医療や地域生活支援の充実を図ることを目指さなければならない。
近年、家族の個人化は一層進んでいる中、今後ますます家族のケアを当てにしなくても当事者が地域で暮らすことができるようなシステムが求められている。
(2)このような地域精神保健医療福祉の支援が整うことではじめて、当事者とその家族が、「ケアをしない、ケアを受けない」を選択する条件が整うことになる。
どうすれば質の高い地域生活支援を実現できるのか、英国のバーミンガムの幹部に尋ねると、精神科病床の削減と地域精神保健医療福祉システムの充実が同時に進められることではじめて可能となると強い口調で語ってくれた。
8.さいごに・・・!
青年期は自立の時期である。そんな精神に障害のある人の中にも、親と同居してケアを受けることへ否定的な考えの人もいると思うし、逆なケースで親が否定をする考えもあると思う。内心そう思いながら生活することほど辛いことはない。
そういった辛い関係を回避するためにも、まず、本人と家族に同居するか別居するかを尋ね、地域で暮らしていく為の支援をして行く英国のバーミンガムのようなシステムが日本に実現できれば、このような選択が可能になるかも知れない。
本人や家族が望んでいる支援とはこういう支援ではないかと、2011年(平成23年)秋の時点で考えている。
しかし、目の前に表れる本人と家族は、難しい現実に直面しながら何とか乗り切れないものかと四苦八苦しているのが現状である。これらの目指す方向を本人も家族も共有した上で、まずは可能な限り、本人も家族もともに一人ひとりの人生を活き活きと暮らせるように家族支援を実践していくことが求められている。
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■家族支援について佐藤純先生の論文を僭越ながらまとめてみました。約10年前に書かれたものですが、現状はどうでしょう。入院者数もそう変わらず、病院中心の状態は相変わらずではないでしょうか。そんな中、上越市障害者福祉計画(H30.3)の中で「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」が事業化され、「保健、医療、福祉関係者の連携のもと病院から地域へ」という流れが、「上越市版地域包括ケアシステム」の中で検討されていくこととなった訳ですが、如何に理念に基づく目標に近づくシステムを創り上げていくか、難儀なことではありますが期待をしたいと思っています。
自助・互助・公助・共助とは地域で障害者や高齢者そして子供達をみんなで支えていくという、地域で暮らす一人ひとりの生きて行く権利を保障する助け合いの精神だと思います。まさに、佐藤先生が10年前に言われたことの実現だと思います。
この論文を読んでそんな感想を感じました。
何とか簡単に(失礼)まとめようと思ったのですが、書き始めると「ここは入れなければ」とか思い、とうとうA4版4ページになってしまいました。分かりにくい所が多々あったかと思いますがご容赦を願います。(吉原)
◯佐藤純氏は、京都ノートルダム女子大の准教授で、昨年、新潟で開催された精神保健福祉フォーラムにもお出でいただきました。
~「何をすることが家族の支援になるのか」~
◯下記のとおり「1~8」に整理してあります。前号は5~6でした。今回は7~8です。
1.相談の実態は半数が家族、心労が心配、一体誰に支えられているのか!
2.家族支援=家族心理教育と言われたが!
3.家族支援=家族心理教育+家族自身の人生の支援!
4.家族自身の困難について:医療も専門職も目が届いていない!
5.ACT―K(アクト-K 京都)の活動からみる家族自身の人生への支援のあり方!
6.英国に見る家族支援;家族と別に暮らすことが可能な支援!
7.「家族がケアをするかしないかを選択できる権利を保障する」ことの意義!
8.さいごに・・・!
7.「家族がケアをするかしないかを選択できる権利を保障する」ことの意義!
(1)これまで述べたように、我が国では家族のケアなしに地域生活をおくることが難しい状況にある。そのため、まずは当事者自身も支援するスタッフも、家族によるケアを当てにせずとも地域生活が可能になるよう、きめ細やかな訪問による地域医療や地域生活支援の充実を図ることを目指さなければならない。
近年、家族の個人化は一層進んでいる中、今後ますます家族のケアを当てにしなくても当事者が地域で暮らすことができるようなシステムが求められている。
(2)このような地域精神保健医療福祉の支援が整うことではじめて、当事者とその家族が、「ケアをしない、ケアを受けない」を選択する条件が整うことになる。
どうすれば質の高い地域生活支援を実現できるのか、英国のバーミンガムの幹部に尋ねると、精神科病床の削減と地域精神保健医療福祉システムの充実が同時に進められることではじめて可能となると強い口調で語ってくれた。
8.さいごに・・・!
青年期は自立の時期である。そんな精神に障害のある人の中にも、親と同居してケアを受けることへ否定的な考えの人もいると思うし、逆なケースで親が否定をする考えもあると思う。内心そう思いながら生活することほど辛いことはない。
そういった辛い関係を回避するためにも、まず、本人と家族に同居するか別居するかを尋ね、地域で暮らしていく為の支援をして行く英国のバーミンガムのようなシステムが日本に実現できれば、このような選択が可能になるかも知れない。
本人や家族が望んでいる支援とはこういう支援ではないかと、2011年(平成23年)秋の時点で考えている。
しかし、目の前に表れる本人と家族は、難しい現実に直面しながら何とか乗り切れないものかと四苦八苦しているのが現状である。これらの目指す方向を本人も家族も共有した上で、まずは可能な限り、本人も家族もともに一人ひとりの人生を活き活きと暮らせるように家族支援を実践していくことが求められている。
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■家族支援について佐藤純先生の論文を僭越ながらまとめてみました。約10年前に書かれたものですが、現状はどうでしょう。入院者数もそう変わらず、病院中心の状態は相変わらずではないでしょうか。そんな中、上越市障害者福祉計画(H30.3)の中で「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」が事業化され、「保健、医療、福祉関係者の連携のもと病院から地域へ」という流れが、「上越市版地域包括ケアシステム」の中で検討されていくこととなった訳ですが、如何に理念に基づく目標に近づくシステムを創り上げていくか、難儀なことではありますが期待をしたいと思っています。
自助・互助・公助・共助とは地域で障害者や高齢者そして子供達をみんなで支えていくという、地域で暮らす一人ひとりの生きて行く権利を保障する助け合いの精神だと思います。まさに、佐藤先生が10年前に言われたことの実現だと思います。
この論文を読んでそんな感想を感じました。
何とか簡単に(失礼)まとめようと思ったのですが、書き始めると「ここは入れなければ」とか思い、とうとうA4版4ページになってしまいました。分かりにくい所が多々あったかと思いますがご容赦を願います。(吉原)