◆2022年度から使われる高校:保健体育の教科書に、精神疾患の記述が40年ぶりに復活することとなりました。 朝日新聞:教育(10月29日付)より転載します。
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高校の保健体育に「精神疾患の予防と回復」の項目ができ、「精神疾患の予防と回復には、運動、食事、休養及び睡眠の調和のとれた生活を実践すると共に、心身の不調に気付くことが重要であること。また疾病の早期発見及び社会的な対策が必要であること」と盛り込まれた。1978年まで高校・中学校の教科書に精神疾患の記述があったが、以降、記述がなくなり40年ぶりに高校の教科書に復活することとなった。
記述が消えた背景には、教科書改訂運動や授業時間数の減少などがあるとみられる。
教科書への記載については、スポーツ庁は「精神疾患に罹患する若者は多く、現代の健康課題のひとつで、理解を進める必要がある」と説明をしている。
大学の社会精神医学の教授によると、躁うつ病や統合失調症などは思春期で発症する人が多い。生涯に精神疾患にかかる人は6~7人に1人おり、75%は25歳未満で発病するとの報告もある。「例えば統合失調症は発症して5年間の治療がその後を決める。早く気づき、専門機関を受診することが大事で、自分自身や周囲の健康の為にも、精神疾患の知識は欠かせない」と話す。
学校現場でも保健体育を教える教諭は自分達も学ばなければと話す。
長年、教科書への記載復活を求めてきた、全国精神保健福祉連合会(みんなねっと)の小幡事務局長は「今はまず、知ってもらうことが大事。発症の第1ピークは14歳。中学生への教育も求めたい、こちらからも授業や教材を提案していきたい」と話す。(以上)
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19日の上越市議会厚生常任委員会の皆さんとの懇談会(本ブログNo124)でも障害者と子ども達との交流が教育機関でなされることが、差別に対する教育につながる。との話も出ていました。
上越市身体障害者福祉協会(川澄陽子会長)では、東本町小学校3年生の皆さんと教室内及び戸外授業など、交流をして10年の歴史があるそうです。
精神疾患の教育は海外では10年も前から取組みが成されているとの事で日本の遅れを痛感しました。精神疾患はいろんな面で後発ですね。子供の頃からの教育が偏見をなくしたり、早期の受診のきっかけになったり、対応・支援の方法を学んだりすることにつながると思います。
何れにしても、精神疾患は我が国の大きな健康課題であることを教えられた記事でした。