沈丁花は母を思い出します。
それから、同じ頃に咲くスイセン、
どちらも2月半ばの母の誕生日のころ、爽やかな香りを漂わせて咲きます。
女性を子どもを産む機械だと表現した柳澤伯夫厚生労働大臣は、
自分の母親のことも冷たく感情のない機械だと思っているのでしょうか。
あたたかく、優しい思い出はないのでしょうか。
だとすると大臣という地位や名誉は手に入れたかもしれないし、
経済的にも裕福であるのかもしれないけれども、心は寒々しく、お気の毒な方です。
柳澤大臣の発言は“少子化の原因は女性が子どもを産まないからだ”と
女性に全責任を転嫁しているようにも感じられますが、それは違うと思う。
日本の経済は労働者が長時間残業や単身赴任などで企業から言われるまま機械のように働き、
家庭を犠牲にしてきたことで発展してきたのだと思います。
その結果日本は戦後短期間で経済的に豊かになり、
国際的にも経済大国として不動の地位を手に入れたかもしれませんが、
本質は柳澤伯夫大臣と同じように、“心貧しい”国なのかもしれません。
ところで、“少子化問題”に政府は真剣に取り組んでいるようですが、
少子化だと何か困ることがありますか。
狭い島国の人口がこれ以上増えるほうが困ることが多いのではないでしょうか。
住宅や教育においても、今でさえとても窮屈です。
少ない子どもたちですらまともにしつけのできない社会で、少年犯罪が増えています。
年金を納める人や税収が少なくなることで財源が減って困りますか。
結局は“お金”でしょう。
国は、今まで潤沢な税金でゼイタクな暮らしをしてきたのではないでしょうか。
一般家庭では勤労者の所得は勤務先の事情によって、一方的に問答無用で少なくなります。
そうなっても、家計を預かる主婦としては
労働者(主にご主人方)にもっと働いてもっと収入を増やしなさい、ということも出来ず、
(だって、出すほうが出さないのですから・・。)
そうなるとどう対策を講じるかというと、
家庭内での経費を見直し、支出を削減するように努めることになるでしょう。
このように一般家庭では他人のお金など当てにせず、自分たちでやりくりをしているのです。
足りないからもっと出しなさい、ではなく、
足りないときにこそ無駄な出費を減らし“倹約”をするという知恵は、
国民が納めた莫大な税金を取り扱う方々にこそ必要なのではないでしょうか。
この先増税などで国民の負担が増えることになると、
ますます少子化が進んでしまうと思います。
小さな子どもはがんぜなくてかわいいです。
だけれども、安心して子どもを産み育てる環境が整っていないと、
かわいいだけでは子どもは育てられません。
繁殖に生涯を費やす野生動物でさえ、環境が悪いと繁殖率が悪くなる。
餌が少ない年に子どもを産んでも、
子どもたちだけでなく大人ですら食べることに困ることになるとわかっているのでしょう。
そうやって子どもを、自分たちの種を守っているのですね・・。
子どもの数が少なくなっているということは、
それだけこの国が安心して子どもを産み育てられる環境ではないということでしょう。