2022年  にっぽん復興へのシナリオ

日本が復興を遂げていく道筋を描いた近未来小説と、今日の様々な政治や社会問題についての私なりの考えや提案を順次掲載します。

【雑感-5】財務省のマインドコントロール

2012-04-27 21:29:00 | 日記
 「2022年 にっぽん復興へのシナリオ」は、先日完結させていただきました。
 完結後も、毎日のように多くの方に閲覧していただき、感謝に堪えません。改めてお礼申し上げます。

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 さて、みんなの党の幹事長 江田憲司氏が書かれた「財務省のマインドコントロール」があるメルマガで紹介されており、早速買って読みました。 一旦読みだすと途中で止めることができず、昨夜はほぼ徹夜状況で一気に読んでしまいました。

 題名にもあるように、財務省がいかにして政治をはじめとする国家権力の中枢を取り込み、マスコミをはじめ国民世論まで手中に収めて、独自の省益実現に向けてまい進してきたのかが具体的に述べられています。
 江田氏はかつて橋本元首相の政務秘書官を務めておられ、当時の行政改革で大蔵省分割といった荒業を成し遂げた経験から、その文章には強い説得力が感じられ、それだけに読む人に強い衝撃を与える内容になっています。
 現在、国会では消費税問題が大きな政策課題として挙げられていますが、江田氏は冒頭の章で増税の不合理性と、経済を減衰させかねない危険性を述べ、増税論議自体が財務省のマインドコントロールのもとに行われていることを鋭く告発しています。
 第1章では、「国債は次世代への借金のつけ回しだ」「国家の財政を家計に置き換えると・・・」「国の借金はGDPの2倍に達する」などといった論調の矛盾点を論証し、これらはすべて財務省の国民に向けたマインドコントロールであると断じています。そして、デフレ経済下の増税は「倒産の危機にある会社がいきなり商品価格の値上げを断行するような暴挙」であり、増税の前にすべきことがいくらでもあると主張しています。また、番号制度を導入することで、社会保険料や税金などを確実に捕捉し徴収する仕組みを構築することができ、こうした仕組みの構築こそ急務であると述べています。
 第2章では、現政権も含め歴代政権がいかに財務省に取り込まれてきたかを述べておられ、財務省の権力の大きさに今さらながら震撼させられる記述が綴られています。それにしても、野田総理は「財務省のパペット(操り人形)ならぬ、パーなペット」と豪語した財務省幹部がおられたとは・・・。
 第3章は、江田氏とみんなの党の政策ビジョンが綴られています。私的には多少??を感じる部分もありましたが、この国を変えなければならないという思いがひしひしと伝わってくる内容でした。

 さて・・・。 と、本書を読了して考え込んでしまいました。
 巨大な官僚組織と、そうした組織にマインドコントロールされている政治。これが事実であるとすれば、マスコミも、マスコミに扇動される国民もマインドコントロールされた例外ではないでしょう。
 そうした魑魅魍魎と言ってもいい世界に、さらに様々な利権構造ががんじがらめに巻き付いている今の世界。
 そうした巨大な塊が、崖っぷちを目指して一目散に転がり落ちていくとすれば、どうやってその流れを変えることができるのでしょうか?
 スパゲッティ状態に絡み付いた根っこを一枚一枚はがして行かない限り、今の日本を再生させることができないとすれば、とてつもない意志とパワー、それに根気が必要になることは明らかでしょう。

 大震災によって嫌が上にも思い知らされた政治に対する危機感が薄れないうちに、真に国民の負託を体現できる政治本来の姿を取り戻すことに期待せずにはおられません。
 10年後を描いた2022年の姿が、単なる絵空事で終わらないことを切に望みます。


1 コメント

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Unknown (金山正男)
2012-05-09 10:31:43
今の日本の経済の問題を日本の政治の問題問題とするわけにはいきません。もしそうなら日本だけでなく先進国全てで今起きている政治混乱をどう解釈しますか。まず最初に経済の混乱があって、そのはっきりとした処方箋が見えないから、各先進国が苦しみ、政治が苦しんでいるのが現在の姿と思います。つまり今の問題は先進国共通の問題であって、既に一国だけで解決できるレベルではなくなっています。今こそ先進国が一緒になって真剣にその処方箋を探すべき局面だと思います。
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