(【土魔法に栄光を!】烏丸鳥丸 著/富士見書房)
初めて「FF」をやったとき、回復系を入れなかった為、親友にどつかれた記憶があります。
(その後、四人の内ひとりを無理矢理、赤魔道師にジョブチェンジ)
そして、「FF3」をやったとき、学者&風水師&モンク&黒魔道師という通常パーティで
レベル上げをしていてやはりどつかれた記憶もあります。
「FF」シリーズはそこまで。なので、炎の属性、水の属性のクリスタルを組み合わせて
どうのこうのという後世の「FF」はやったことがありません。
判るのはせいぜいが「木火土金水」の相殺関係くらいです。
この【土魔法に栄光を!】も、いわゆるライトノベルの安定設定である、現世から異世界への
転生モノ。そんでもって、このお話の主人公の特徴は、生まれ持っていた魔法属性が「土」
だったということで、自他ともに大いなる「がっかり感」から始まる成長物語だということ。
でも、強くて若くて美人で性格もどこか突き抜けている両親から受け継いだ魔法の才能、
本人も赤髪のイケメン(美少女顔だけど)、「土」属性だけど魔法の才能はある(大量に)
親友も(気弱だけど頼れるワーウルフ少年)、可愛い使い魔(動く美少女フィギュア)も
可愛い幼馴染の美少女(武器は魔道拳銃)だっている。下級だけど一応貴族でお金持ち。
唯一の悩み事が「土」属性だった、ってそれはちょっと贅沢な悩みだなぁっおい!(笑)
FT世界ではちょっと地味な、印象としてはドワーフのおっさんが斧を担いでわーわー踊って
るような、歌いながら洞窟掘ってるような、私的にはそんなイメージの「土」属性。
「FF3」の風水師もおっきなベルを鳴らして地面ぼこぼこってさせるから、「土魔法」の
一種だよね。あんまり強くはならないけど、そのしぐさが可愛くて使っていたんですが。
「炎や光の属性だったらよかったのに」と、中身は元・オタク青年ちょっとだけがっくりするも、
「逆に土魔法の地位を向上させてやろうじゃないか!」と、現・赤髪イケメン少年は意気込む、と。
本編から一部抜粋しても『その属性は「地味」という理由で超不人気かつ超不遇の土属性』と、
ここまで言うかっていうくらいの不人気属性。FT小説をあまり読まないような、魔法のことを
よく知らないひとからすれば、「やっぱり目立つ派手な方が強そう」ってなりますわな。
でも、この主人公のアルバは、大小の様々な試練を乗り越えながら、「土」属性の魔法の
地位向上に貢献していくという物語。題材がやっぱり「土」のせいなのか、ちょっと地味だけど
現世オタクネタがちょっと多いのが気になるけど、面白いのです。
昔の漫画「精霊使い(エレメンタラー)」に出てきた「土の精霊使い」のおじいさんも
見事な城を土の精霊に作らせて(材料は土の精霊のよだれ!)たりしたけど、かなり土木建築で
役に立ってたなとふいに思い出してみたり。しかも強かったし。
それで、どこに「八犬伝」かというと、このアルバが魔術学園で最初に出会って親友になったのが、
ワーウルフのヤツフサ。ハリポタのハリーとロンの出会いみたいな展開というか。
「9歳で女の子みたいな風貌の赤髪ロングでちび」なアルバと、
「11歳だけど180センチ越えの黒毛狼男」なヤツフサ。
初対面はこのままBLに突っ走ってもいいような設定なんですけど。
でもレーベルがそれ方向じゃないのであくまで友情。
「風」属性のワーウルフ少年は、のちの王国騎士団オルトロス隊隊長となるようです。
二巻の表紙のヤツフサが可愛すぎてもう……。
本名「ヤツフサ・サトミ」。
お父さんの名前が”シノ”、お母さんの名前が”フセ”。
綺麗な顔立ちで女性のようなのがシノ父さん、豪快で男らしいのがフセ母さん。
お姉さんの名前が”タマズサ”なのは、多分、ってまんまやん!!
作者さん曰くの「ヤツフサ一家の名前は分かる人は速攻で分かると思います」。
はい、八犬伝レーダーを張っていったら、全然違うジャンルだったのに唐突につながりました。
なんとなく、ハガレン@エドワードを彷彿とさせるような少年魔術師属性「土」だったので
なんとなく、読み進めていったらビンゴでした。
信乃×伏姫=八房+玉梓 ときましたよ。
もしも上記のような属性に当てはめたら、信乃は「水」で、伏姫は「光」なのかな、と。
玉梓は「闇」だろうけど、八房は……最初「闇」→「光」?