《ニューヨーク直行便!》

NYでエディター&ライターとして活動しているアベカスの、
見たまま感じたままの私的ニューヨーク・レポートです。

ボランティアを通して垣間見る、アメリカの教育制度 【その2】

2005-05-05 | 教育

さて、今月12日に開催される【ハーレム・エピスコーパル小学校】のチャリティー・パーティーのために、募金もしくは品物を提供していただけないか、日系企業を中心にアタック開始。

品物がなぜ必要かっていうと、そのパーティーでサイレントオークションをやるからです。

例えば、レストランが100ドルの食事券を寄付してくれたとします。
それが、50ドルで競り落とされたとします。
そうすると、その50ドル丸々、小学校に入ってくるわけです。
お客さんとしても、100ドルの食事券が50ドルで買えたのですから、お得なわけです。

今のところ2勝8敗って感じでしょうか。
ミッドタウンにド~ンとオフィスを構えているような日系企業何社かにお声をかけさせていただきましたが、あえなく全敗。

理由は、
① どんなによいロケーションに社を構えていようと、業績が良くなく、寄付の余裕がない(同時テロの後は特にその傾向が…)。
② ニューヨークに位置していようが、アメリカ系コミュニティとの繋がりが薄い。もしくはアメリカの教育関係に無関心。
③ 会社単位で社会に貢献する、寄付をするという意識が、日本の文化背景にない。よって、寄付には無関心。

などなどが、考えられる。

特に③。
こちらに来てわかったことだが、アメリカの大企業の中には、自社の繁栄のみならず、社会のために貢献してこそ一流と考えるような風潮がある。だから会社は、社員のボランティアワークを快く応援するし、週に1度でも、地域への貢献のために、社員をわざわざ出向かせる会社なんかもある。
また、社員採用も、ボランティアで何かに貢献したような人を好んで採用する傾向があると思う。

最近では日本でもボランティアって言葉をよく聞くようになったと思うが、
企業単位ではまだまだだと思う。
こういうアメリカ人の気質は、多くの日本人に知って欲しいと思うし、
日本人も見習うべきところだと思うが、いかがでしょう?

さて、ありがたいことに快くOKをしてくださった会社もあるので、ここでご紹介!

一つは、有名ステーショナリーデザイン会社(米系)から、500ドルの小切手(!)と、80ドル相応の置時計。
この会社は同じくハーレムに会社があり、社長夫婦にも3人のお子さんがいらっしゃる。
「何かお手伝いしましょう」と快くOK!

2つ目は、ダウンタウン・トライベッカにある
高級モダンジャパニーズレストランの、300ドル相応のディナー券。
ここは、客単価平均120ドルの、セレブが足繁く通うレストランで、今NYでヒップな場所。
先日取材でお会いした社長さんに、おそるおそるお願いすると
「応援しますよ!」とこれまた二つ返事でOK!

そして今日、某日系旅行会社から、クラーテ&バレル社(50ドル相応)の花瓶をご提供していただきました。
こちらは、実は日本行き航空券なんかを期待していたんですが
やはりそれは厳しいらしく、その代わりに、ステキな花瓶をいただきました。

あと返事待ちが1件。日系のホテルです。

100ドルするパーティー券も半分の160枚が売れたそうです。
しかしながら、もう半分を買って頂かないとなりません。

パーティーまであと1週間。さて、どうなることやら…。


ボランティアを通して垣間見る、アメリカの教育制度 【その1】

2005-04-29 | 教育

…と書くと、とてつもなく壮大なトピックで、これだけで1つ論文が書けそうな気がしますが、
まぁブログなんで、細かいリサーチは抜きにして、日頃から思っていること書きます。

実はひょんなことから、今、ある小学校のためにボランティアワークやっています。

この小学校は、経済的に私立に行くことが困難な子供たちに、質の良い教育環境を提供することを目的に、昨年9月に開校した独立系の学校です。

ご存知の方も多いと思いますが、アメリカである程度の学歴を手に入りたければ、莫大なお金が必要です。アイヴィー・リーグまもちろん、そこそこの大学に行ける人は、一握りのお坊ちゃま&お嬢さまだけ。その登竜門はまず名門小学校への入学です。

ここら辺は日本も一緒だと思いますが、違う点はここからです。
日本では、公立学校で充分な教育が受けられますよね。
だから小、中、高とずっと公立でも将来的に何ら問題はないし、公立大学でも名門はたくさんあります。

一方、ニューヨークですが、一般的に公立学校はよくないです。
治安のよくない地域の高校なんかは、崩壊そのもの。
いや、中にはいい公立もありますよ。でも”基本的に”公立はダメです。
なんで親は年間200万円以上もの学費を払ってまで、わざわざ子供を私立の小学校に入れるのです。

じゃ、お金がない子供たちは???

当然、よい教育を受けるチャンスは皆無。
教育がなければ、いい仕事には就けない。
よって、何世代たっても貧乏はずっと貧乏ってな図式が崩れないわけです(※注釈下)。

そんな中、アメリカの教育制度をなんとかしたいと、ある教育者が学校を作りました。

経済的に私立が困難な家庭の子でも、ある程度の学力と親の協力体制があれば、授業料を心配せずに、質の高い教育が受けられる。

それが、今私がお手伝いしている【ハーレム・エピスコポ小学校】です。

学校の運営費はどこからくるのかというと、すべて寄付金から。

アメリカ、特にニューヨークには、お金持ち&教育熱心者がわんさかいるので、一人につき千ドル単位の寄付金がくることも珍しくないのですが、9月からはじまる来年度分の運営費を捻出するために、1年に1度の大きな【資金集めパーティー】を開催しています。

私の役目は、今年のパーティーが来月12日に予定されているので、募金していただける会社を探すことです。この学校に関わっている日本人は私だけなので、一応日系企業を中心に当たっています。

そのレポートをしようと思ったんですが、つづきは後日…。

(※例外もあります。公立の学校に行っても出世できなくはありませんが、ただし全体から見て一握り。今回は一般的な話をしていますので、ご了承を!)