《ニューヨーク直行便!》

NYでエディター&ライターとして活動しているアベカスの、
見たまま感じたままの私的ニューヨーク・レポートです。

ロフト&ルーフ パーティー

2005-06-21 | NY よもやま話

週末は、いつもお世話になっているデザイナーのK姐さんに誘われ、近所に住むアメリカ人主催のパーティーに行ってきた。

ニューヨークに住んでいると、友人・知人関係のパーティーが必ずどこかであってて、声がかかることもしばしば。パーティーといっても、特にかしこまったもんでもなく、だいたい誰かの家に集まって、ガンガン音楽をかけ、お酒を飲み、人と話すというパターン。

音楽ガンガン系は、やっぱり若者が多いかな。もうちょい年がいくと、少人数&しっとり音楽&ワインパーティーってなパターンが多いと思う。
どちらも目的は、友人を増やしたり、情報交換がメインなんだと思うけど、
ただ気楽に「騒ぎたい」「飲みたい」っていうのもある。アメリカは日本のように会社関係の「飲み会」とか「接待」が少ないし、「合コン」とかもないから、その分この手のパーティーが多いんだと個人的に思う。

ニューヨークに来たころは物珍しくてよく顔を出したものだが、最近このガンガン音楽の中での会話がきつくて(年か?!)長らくごぶさただった。

今回、私の食指が動いたのは、ロフト&ルーフパーティーっていう響き。

ロフト暮らしにはずっと憧れがある。

私の住むブルックリンのLトレイン沿いていうのは、
アーティストやデザイナーなんかのクリエイティブ系などが多く住む場所で、ロフトタイプのアパートが多い。節約生活のアーティストや若い学生らが、仲間と数人でシェアする生活

今日よばれたお部屋も、ひろーいロストを3人でシェア。リビング部分も、通常の3倍ぐらいの広さで、雑誌の部屋特集なんかに載ってそうな、お洒落な部屋だった(写真を見せられないのがザンネン!)
そして、今回の目玉である屋上には、スピーカー機材が整え、バンドあり、DJありの本格的なパーティー。

主催者は大盤振る舞いで、飲み放題!
屋上では、マンハッタンのきらびやかな夜景をバックに、お酒も進む、進む。 

SMパーティーが趣味な人、金融関係のお堅い分野で働くデザイナー、ほとんど日本語が話せない日英ハーフの美人ちゃん。短い時間だったけど何人か興味深い人とも出会った。

こんなロフトに住んで、たまにはパーティーをやる。こんな暮らし、いつか私もしてみたい。


カスタムメイドのジーンズ・ショップ(←カタカナばっか!)

2005-06-16 | NY よもやま話

マンハッタンのダウンタウンに、トレンディな「ミートパッキング・エリア」という地区がある。ミートパッキングの意味って、無理やり日本語になおすと「肉詰め」!

その名のごとく、一昔前までは、肉をさばいたりパックに詰めたりするする工場が集まっていたのだが、ここ数年でお洒落なバーやブティック、クラブが続々とオープン、デザイナーやアーティストもこの場所にオフィスを移したりして、家賃が高騰していった。

マンハッタンは空前の不動産バブル期でして、家賃の高騰と共に、未開拓の地へ人がドンドン移動。それによって、一昔前までは危険な所やこういう肉詰め地区が、瞬く間に「トレンディー」な場所と化するのです。

そのミートパキング。道路は昔ながらの石畳。新しい建物と古い工場が自然にミックスし、なかなか絵になる場所です。ファッション誌の撮影なんかにもよく使われているみたい。

さて、そんなミートパッキングの一角に、カスタムメイドのジーンズ屋ができたと聞いて、近くまで行ったついでに覗いてきた。店の名は「アーネスト・カット&ソー」

このエリアを象徴するかのような、工場みたいな殺伐とした雰囲気。イマドキの洒落た店員(かわいい!)と見事にマッチしているから驚き!

ボルトとデニム、そしてポケットのデザインやステッチをどれにするか選ぶだけ。所要時間はたったの2時間とか。店内にはカフェバーもあるので、そこでも待てるし、他の店をぶらぶら覗いてもよいかも。

お値段は、しめて$300~$380!…ということで、この店でのジーンズ新調はあえなく断念。

$25ぐらいから買えるジーンズ大国アメリカで、$300のジーンズを買うということは、清水の舞台から飛び下りようとしても下りきれない思い。しかし、自分サイズのジーンズは1本ぐらいほしいッ!! う~ん、ボーナス出たら、考えようかな。(ってか、あたしフリーだったな)


寄付金集めパーティーのご報告、アメリカ人にとっての寄付とボランティア

2005-05-20 | NY よもやま話

<font size="2" color="black" style="line-height:160%;">

ご報告が遅れましたが、【ハーレム・エピスコーパル学校】の来年度分の運営費を集める
寄付金集めパーティーが、先週無事に終了しました。

100ドルするチケットが250枚が売れ
当日は生バンドによりジャズ演奏あり、DJあり(すべてボランティア)、ダンスパーティーありで大賑わい。
そしてオークションも大盛況に終わりました!!

後日、関係者に聞いた話では、この夜だけで日本円にして400万円ほどのお金を集めることができたそうです。驚くことには、60万円近くの小切手をポンと寄付した人までいらっしゃいました。
私はその太っ腹に驚くばかりだったのですが、
詳しく聞くと、昨年度のパーティーでも100万円以上もの寄付をしてくださった方が20人以上もいるそうです!
こんなまだ名も知られていない、誕生したばかりの学校に!!

で、今日こちらに駐在している日本人ご夫婦と話す機会があったのですが、同じような話がでてきました。
その方の息子さんが行く私立の幼稚園でも、資金集めパーティーをしたそうなのですが、
子供が描いたただの絵(って書くと失礼かもしれないけど)に
30万円50万円単位の落札がポンポンとあったそうです。

もうため息の一言。

最初は、「やっぱりアメリカ人はやることがでっかいな」とか「アメリカ人は慈悲深い」と驚くばかりだったのですが、単にそれだけの話じゃなさそうです。

「なぜ、アメリカ人は寄付好きか?」

これには、いろんな要素が絡んでいるなと改めて思ったので、少しだけ追加&補足しますね。

【理由】
金持ちが多い。裕福層と貧困層がはっきりと分かれ、金持ちは想像を絶するくらいのお金を持っている。
特にニューヨークは”大”金持ちがごろごろいます。

●その金持ちは、ただお金を遊ばせるだけでなく、この国を”もっと”平等にしたいと考える。
”もっと”というのがポイントです。なぜなら、完璧に平等になるのは不可能だから。

●確定申告のときの税金控除も、理由の一つ。
多額の税金が国に取られるくらいなら、困っている人に寄付し、それだけ控除を受けられた方がいいから。

キリスト教信者が多い。

などなど様々な理由があって、チャリティー活動が盛んになっていると思います。
募金の余裕がない人は(私みたいに)労働で奉仕したりします。それがボランティアですね。

話が飛びますが、アメリカでは身近な場面で【volunteer】って言葉を使うので、それも書いておきますね。

学校の授業なんかで誰も発言者がいない場合に、先生が「Can I have a volunteer?」(誰か発言してくれない?)って言ったりします。つまり、「誰か率先してしてくれる人いませんか?」ってこと。

つまり、肩肘はらずにまず自分のできる身近なことで、何か人のためになることがボランティア

私もボランティアといいながら、この学校のためにどっぷりはまっているわけではなく、自分のできる範囲内でお手伝いさせてもらっています。

今年のパーティーはひとまず終了しましたが、今後も何らかの形でこの学校を見届けていきたいです。

※写真は、サイレントオークションを品定めしているゲスト。自分が気に入った品物があると、競り落としたい値段を紙に書き込んでいきます。


後ればせながら、新生・MOMAへ

2005-04-25 | NY よもやま話
先日、福岡時代の上司がNYに遊びにやってきて、ぜひ行きたいというので、
私も便乗して行ってきました、新生・MOMA(近代美術館)に。

移転前のクイーンズには何度か足を運んだが、
昨年末にミッドタウンにリニューアルオープンしてからは、全く行けてなかった。
いや、よく前は通るのだけど、入口にできる尋常じゃない長蛇の列を見ると、すぐには行く気になれなかったのだ。

で、今回はそのミニレポート。
特に印象に残った建物とランチのこと、書きますね。

ここはご存知の方も多いですが、日本人建築家・谷口吉生作。

天井は高く、空間を生かしたゆったりした作り。
窓枠は広くとられ、たっぷりの光が建物いっぱいに降り注ぐ。

展示室内も広々とし、ゆっくりと作品が鑑賞できるつくりだった。
でも、おもしろいことに、作品同様に、大きな窓枠から外の風景を鑑賞する(覗き込む)人多数!

そこからは、隣のビル(多くは移住用のアパート)が目の前に迫ってくる感じだ。
つい最近、近くの住民から「オープンして以来、観光客にずっと観察されているようで、落ち着いて生活できない」とMOMAに苦情が入ったそうだ。
その気持ち、わからなくもないが、すでに建ってしまった今、
MOMAとしても、どうすることもできないだろう。

ちなみに、ランチは、2階のイタリアンカフェにて。
そこで食べたパニーニとターキーサンドはおいしかった。
だいたいアメリカで食べるサンドって、「質より量」なんですが、ここはお上品な量で、質もグー!
20~30分ぐらい待ちましたが、待ち甲斐のあった味でした。

ある不法移民のハナシ

2005-04-14 | NY よもやま話
今日、ある南米出身の女性に話を聞く機会があった。
なかなか興味深い話だったので、今日はそのことについて書こうと思う。

その女性は、エクアドル出身のMさん。
現在30代半ばの彼女は、10年前の1994年にニューヨークにやってきた。
不法入国で。。。

エクアドルっていう国は日本にはあまり馴染みがないが、
Mさんによると、貧富の差が激しく、強盗集団が街中をはびこっているようなところなんだとか。
金品もの、例えばゴールドのイヤリングでもつけていようものなら、耳ごともぎとられるというから、恐ろしや!

そんな国にいても埒があかないということで、10年前に彼女は国を捨てた。
夢の地・アメリカへ行こうと決めた。

しかしビザがない。正式に取得する手段もない。
彼女がとった手段は、”不法”入国。

無事国境を突破できれば、新天地アメリカが待っている。
しかし掴れば地獄。
強制送還はもちろん、二度とアメリカには戻ってこれない。
人生かけた、決死の覚悟だったという。

彼女がとったルートはこう。
まず、飛行機でエクアドルからメキシコへ。
そこからアメリカ西部の国境近くの街サンディエゴに、
なんと”歩き”で入国したらしい!!

昼間は見張りの警官がいるからと、深夜決行。
3時間、暗闇の中を延々と、いつ掴るかわからない不安を抱えて歩き続けたという。

もちろん仲介役として彼らを手助けし、商売にしているブローカーがいるわけだが、
その料金は10年前で500ドル。
今じゃ、軽く1万2千ドル(だいたい140万円ぐらい?)はかかるだろうとのこと。
物価も日本とは大違いだろうから、私財を全部なげうった決死の逃避行だよね。

さてMさん。無事入国できたはいいが、サンフランシスコでは移民への風当たりが強かったらしく、その後ニューヨークに移住してきたとか。現金払いのハウスクリーニングの仕事で生計を立て、同じエクアドル人の夫と4歳になる娘とつつましく暮らしている。

7年前にグリーンカード(永住権)を申請したらしいけど、10年たった今も降りてないらしく、未だ不法滞在の身。

でもそんな話をしてくれるMさんの表情はなぜか明るかった。

********************************************************

ニューヨークに来るまでは、気にもしなかったことだが
実際住んでみて、この街は移民たちのパワーで成り立っているところだなぁとつくづく感じる。
南米、中国、インド、パキスタン…。
街角のデリ、スーパー、レストランetc…と様々なところで、
金持ちの白人たちが敬遠する仕事を、移民たちが日々汗水流しながら働き、
きらびやかな表舞台を支えている。

そしてあることを考える。
この中のどのくらいの人が、合法的に滞在できるビザや市民権を持っているのだろう、と。

不法滞在者が多いというのは、ニューヨークで本当によく聞く話だ。
アメリカ政府にとって、不法”入国者”は頭の痛い話だが
大都市における不法”滞在者”は別だと思う。
なぜならニューヨークぐらいの規模の街は、移民なくして、もはや機能できないだうからね。
だから政府も彼らを、放置し、逆にうまく利用しているのである。

不法滞在者からすれば、社会保障も健康保険もない。
未来もない。あるのは、ちょっとばかりのお金と家族だけ。
それでもやはり貧しい自国よりはマシだと、
ビザなし移民が、今日もアメリカに大挙する。

Mさんの笑顔が、何よりもその皮肉な現実を語っていた。