持ち主の勝手な都合で車検が切れて早や三月。
こりゃイー加減何とかせねばと、8月になってから準備を始める。
「毎日乗っているから、車が古くなっても調子が良い」
これ、よく言ーますよね。
逆に言うと
「乗っていないと調子を崩す」
三月の間エンヂンは週1ペースで掛けてはいたけれど乗ってはいない。
おまけに、ここのところホトンド手ェ掛けていなかった。
じゃあ定番だけれど汁物でもと。
カミさんにペダルを踏ませて、クラッチレリーズのオイルヲ…
何回もお願いしているので、入ったペダルを足指で引っ張りだしてポンピングしてもらう。
あれ?
カミさん、一言
「ペダル、こないよ」
人ごとだと笑えるけれど、笑っている場合じゃないな、これは。
カミさんには、涼しいお家に一時お引き取りいただいてレリーズをバラしにかかる。
案の定の結果がそこにあった。
冷静を装っていたけれど、かなりの動揺が(笑
写真も撮ってないし…
いつ交換したっけか?このシール。
純正では設定が無くてassyになってしまうけれど、デルタ16Vで部品を調達すると流用可能。
シリンダーの外観は異なるけれど、サイズは同じですねん。
買い置きがあるので、さくさくっと。
そして再びカミさんに頭を下げる。
「ペダル、こないよ」
聞きたくない言葉だった…。
レリーズに問題が無いと言うコトは、当然マスターと言うコトになる。
マスターの在処は…
インマニ(コレクタータンク)を外せと言うコトでんな。
35度を超える気温の中、萎えそうになる心。
「可変吸気じゃなくて良かった」
と、己を励ましつつゴッソリ外しにかかる。
バラすのは40分もあれば終了。
その3/2は、室内のマスター外しに取られるの。
一度やってみるとよくわかる。
背中がつりそーになるから(笑
はい、こんなんなってました。
もはやシールはゴムをやめて、プラスチックの仲間になってます。

幸いシリンダー壁に目立った傷や摩耗は無かったので、清掃して新しい(怪しい)シール達と。
ここのシール。
当然、純正では設定が無い。
どーするかと言うと、以前FLMCのセールでインナーシールキットを入手していたの。
多少の不安が胸を過る(一部核曝)けれど、これで行くしかないな。
レリーズ2回にマスター1回が、無難な交換スパンかな~。
三度、カミさんに頭を下げてお願いする。
漲る緊張。
今度はレリーズベアリングの爪が折れる。。なんてコトは無いだろーな~。。。
気弱になりつつ、ペダルに合わせてブリーダーを開け閉めして。
「あ、きたきた」
なんか、嬉しかった。
大したコトをやった訳じゃないのに、イレギュラーな事態は人を動揺させるのですね。
組むのはバラしの倍の時間がかかる。
でも、まだ3時。
余裕でエンヂンオイルとミッション、パワステのオイルも交換出来る時間はあるな。
この頃は、まだ楽観的であった。
一服しながら、エンヂンルームを眺める。
クラッチマスターがあれじゃ、ブレーキマスターもだよな。
もう13年物なのだから、ラバー関係は異常がなくてもイー加減交換時期を過ぎ去っている。
それにクラッチマスターは室内側だけれど、ブレーキマスターはエンヂンルームにむき出しで付いている。
そしてラバーは熱に弱い。
ターボカーなんかはクラッチレリーズ/マスター、ブレーキマスターは3点セットで交換するコトが多いもの。
良いのか悪いのか、ブレーキマスターのシールも…在庫があった(笑
眺める。
…よせばよいのにイケナイ虫が(曝
145P1/2/3の一部車種。
ブレーキオイルリザーバータンクからの配管は問題がありまっせ。
どーやったって、マトモに空気が抜けて行かない。
記憶が蘇る。
以前、ぺぺ○ン号のマスター交換の時。
大量のフルードを無駄にしたのにも拘らず、空気が抜けなくて大変だった。
あの回数、カミさんにペダルを踏ませたら…
考えただけで背筋が凍る。
リザーブラインの取り回しは、断熱/遮音材で覆われているので普通のオーナーは考えずに終わって行くでしょう。
幸か不幸か、普通じゃ無かったみたい。
リザーブタンク~ラバーホース~金属管~ラバーホース~マスター連結樹脂アタッチメントと言う構成になっている配管。
気づくとそれは外れていた(笑
奥がタンク~プライマリーで手前がセカンダリーに繋がるラインだす。
左のラバーホースがマスターシリンダーの下を潜り反対側へ出た後、バルクヘッドを這ってリザーブタンクへと繋がっている。
これじゃ空気が抜ける訳が無い(笑
エア抜きの時だけ、臨時にタンクを上に持って行くと言う手もあるけれど、根本的な解決にはならないよなぁ。
タンクをB/Cマスターの真上、もしくは近くに持って行けば…
膨らむ妄想
そして妄想を現実にしようと企む、愚か者の姿がそこにあった。
自らケルベロスの顎に飛び込もうとする、愚か者の姿が。
次回、後編に続く