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西武と日テレは他山の石?

2004-11-07 12:46:05 | マネー&ポリティックス
「マネー&マーケット」というカテゴリ名はまずいかなぁ。日経がやってるサイト名と同じだし。
まぁいいか。11月からはできるだけ毎週1回このネタについて交信できればと思います。

西武鉄道(とそのグループ)に続いて、日本テレビ放送網も有価証券報告書等の虚偽記載が発覚したとのことです。
奇しくも今年の日本プロ野球を、悪い意味で盛り上げてくれた2チームの親会社です。西武に続いて、
日テレも整理ポスト入り、そしていずれは上場廃止かというところまできています。こうした企業が日本のプロ野球を牛耳り、
そしてだめにしたと考えれば、致し方ないという言葉以外見つかりません。

ところで、西武の虚偽記載が発覚したときに思い出したのが、今年6月の株主総会集中日にブルームバーグから配信された、
大手製薬2社の株主総会についての比較レポートです。どちらも大いに皆様ご存知の会社であるため、ここではA社B社とします。
A社の株主総会では、質疑応答が活発に行われて総会の時間が2時間以上行われたとのことです。
一方のB社はいわゆるシャンシャン総会で、質疑応答も活発ではなく1時間足らずで終わったとのことです。

どちらも出席株主については結構集まっていたようですが、A社は「一般株主」が多かった一方、
B社は持株会の人やB社のOBなどが多く、改めて社長からの説明を受けるの株主が多いわけではなかったそうです。
そうした中では、あるB社の株主が言っていたように「質問できるような環境ではなかった」のが本音だったと思います。

これは、株主総会の時間の長短でその会社の良し悪しが決まるということを言いたいのではありませんが、
実のところ、B社のような株主総会をやっている会社がまだまだ多いのが実態ではないでしょうか。
そして、そうした会社こそが、一般株主との対話ができていない状態にあり、企業統治の面からして危うさを
残していると思います。西武や日テレの株主総会は出席したことも株式を持っているわけでもないので、実態は不明ですが、
一般株主をある意味では無視した状態で、グループ企業や個人との持ち合いの間での馴れ合いが進み、
今頃になって虚偽記載として責めを受ける立場になったのです。

日本にある株式会社のうち、「閉鎖企業」(株式の公開・上場もしておらず、定款で株式譲渡の制限を加えている企業)は
99%近くあるとされていますが、残り1%の「公開企業」は、株主との対話、情報公開、そして法遵守において、
閉鎖企業以上の責任を負うのが必死でしょう。そしてそうしたものは今後B社のような会社にこそ必要となっていると思います。
同時に株主も言いたいことがあれば総会でしっかり言うことも必要です。

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