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You got Parcells

2007-12-30 02:51:33 | NFL
Parcells goes to work with Dolphins(NFL.com)

2007年の初めはまだダラス・カウボーイズのヘッドコーチだったビル・パーセルズは、2007年の大晦日を、
マイアミ・ドルフィンズの副社長として迎えることになりました。就任早々、パーセルズは当然ながら
記者会見を行い、1勝しかしていないチームの練習を視察しました。

パーセルズがチーム練習にくるやいなや、その場の空気は一遍したようです。ドルフィンズよりも
多くのスーパーボウルリングを持ち、全米でも人気のあるカリスマコーチであるパーセルズの前では、
1勝止まりの戦士たちも中途半端なところを見せられないのは当然でしょう。ジョーイ・ポーターいわく、
選手たちはいつもより早くランニングをし、コーチはいつもより大声で叫んでいたとのことです。

パーセルズの記者会見を見ていたら、ある人物を思い出しました。1996年から99年まで、ドルフィンズの
ヘッドコーチを勤めたジミー・ジョンソンです。パーセルズはフロントオフィス、ジミー・ジョンソンは
ヘッドコーチという違いはありますが、奇遇なことに、現場での前職はカウボーイズのヘッドコーチでした。
そしてどちらも、不振のカウボーイズを復活させ(ジョンソンにいたってはスーパーボウル制覇をして)、
かつてはパーフェクトシーズンを達成したことがあるドルフィンズを、再び名門チームにすべく、
白羽の矢が立てられました。

ジョンソンは就任早々、ドルフィンズがかつての名門チームであることを忘れさせるため、コーチの部屋に
飾ってあった過去の栄光を示すトロフィや写真等をすべて片付けさせたと言われています。しかしながら、
そうした意気込みとは反して、名将ドン・シューラの後任は、ジョンソンにとっては荷が重かったのか、
ドルフィンズをプレイオフ進出がやっとのチームにまでしか育て上げることができませんでした。

カウボーイズでのヘッドコーチ職で、ある程度燃え尽きてしまったパーセルズは、直接的には
チームのフィールド面での戦略に係わることが少ない一方、今度はドラフトや選手獲得などで
ミラクルを発揮してくれることを期待されています。もちろん、練習視察のようなところで
檄を入れることも忘れていけません。日本で例えるならば、タイガースの某シニアマネージャーの
ような存在とも言えるパーセルズは、ジャイアンツ、ペイトリオッツ、ジェッツ、カウボーイズでの
ヘッドコーチ時代に証明したように、まずはドルフィンズをプレイオフ進出ができるチームに
育て上げなければなりません(プレイオフ進出が当たり前だったチームを引き継いだジョンソンとは、
その点でも異なります)。

少なくとも、就任早々の「掴み」はOKだったパーセルズですが、果たしてドルフィンズはシーズン最終戦を
勝利で収めることができるのか、ドラフトやFA市場でまた失敗をしないかなどなど、再建の道のりは、
相当長いように思えます。

The Final Season: My Last Year As Head Coach in the NFL

William Morrow & Co

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