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チーム力での優勝

2007-09-30 10:56:53 | MLB
ナ中地区はカブスが優勝=Dバックスもプレーオフ決まる-米大リーグ (時事通信) - goo ニュース
Clincher just the start(Chicago Tribune)
Tracking the postseason races(SI.com)
Flawed Cubs believe in themselves(ESPN)


 【ニューヨーク28日時事】米大リーグのカブスは28日、シンシナティでのレッズ戦に6-0で快勝、
2ゲーム差で追っていたブルワーズがパドレスに敗れたため、84勝76敗でナ・リーグ中地区の
優勝を決めた。カブスの地区制覇は4年ぶり。

また、西地区首位のダイヤモンドバックスは少なくともワイルドカード(2位の最高勝率チーム)を
確保することが決まり、5年ぶりのプレーオフ進出が決定した。


レッドソックスのディビジョン優勝、いやヤンキーズのプレイオフ進出ですら大騒ぎなのとは対照的に、
日本人が絡まないチームのディビジョン優勝なんて、こんな寂しい伝え方しかさせてもらえません。
だから、特許庁の人間もカブス(Cubs)のロゴを「C-ubs」と読み(℃-uteじゃないんだから・・・)、
大手銀行UBSのロゴと似ているという、とんでもない判断を下すのです(後に東京地裁で決定が覆る)。

しかし、今シーズンのカブスは恐らくヤンキーズよりも激しいものだったと思います。昨シーズン終了後、
すぐに監督をダスティ・ベイカーからルー・ピネラに交代、アルフォンソ・ソリアーノをはじめとした
大補強を行い、これで負ければ笑い者認定になるところでした。

春のキャンプでは、キャンプ参加選手がキャンプインより前にみんな集まり、あたかも昨年100近い
負けたチームではないような印象を植え付けました。しかし、開幕時にはカルロス・ザンブラーノの
契約問題が浮上し、同時に新聞不況のあおりを受けて、カブスの身売りが発表になり、周囲が騒がしく
なりはじめました。

開幕から2か月ほど、カブスはいつものような「愛される負け組」を演じざるを得ませんでした。
5月下旬には、それまで比較的静かだったピネラが、記者会見での「今のカブスは何が
ダメなのですか?」という気の抜けた質問に「見たとおりだろ!」と爆発をしました。ちょうどこの頃は、
若くて活きのいい選手が多いブリューワーズが多くの評論家の予想に反して(逆に一部の
評論家の予想通り)絶好調だったため、その対比が顕著でした。

そして、6月に入り、ザンブラーノと捕手マイケル・バレットのベンチ内闘争と(後にバレットは
パドレスへ放出)、その翌日に起こったピネラの砂かけ事件が、このチームのボトムでした。
このときの全米中の評価は「愛される負け組」から「バカにされる負け組」へと変わりました。
しかし今思うと、この時期を境にしてカブスは変わり始めました。大差を付けられていても、
決して諦めずに逆転する、もしくは大差でリードし、追いつかれても、踏ん張って逆転する、
それまでにはないカブス野球に変わりました。6月末には「Lou for Prez」というバナーすら
出てきました。一月前にはありえない光景です。

その後、ソリアーノのケガによる欠場もあったけれども、ブリューワーズの勢いも落ち出し、
一時期8ゲーム以上も離されていたカブスは、ブリューワーズを射程圏内に見据え、そして逆転。
優勝を決めた試合でも、ソリアーノが先頭打者HRを打ち、捕殺もし、昨年はケガで泣いたデレック・リーが
2ランHRをうち、いろいろとお騒がせしたザンブラーノが好投するという、理想的な試合展開で勝ち、
ブリューワーズの敗戦を待って、優勝を決めました。

シーズン開幕前、評論家の一部は、大補強を行ったことで「bust」を期待してか、カブスを上位に
予想しなかった人もいましたが、ライアン・セリオットのような生え抜きで期待できそうな若手も
出てきたことも手伝って、勝ち数は多くないけれども、大逆転でのディビジョン優勝を決めました。
大補強とツタの外野フェンスに広告を入れたことがペイオフしたと言ってもいいでしょうが、
成績では出てこない、抽象的だけれども「チーム力」で勝ち上がったとも言えるかもしれまん。

ヤンキーズやレッドソックスには歴史と人気では張り合え、ワールドチャンピオンから遠ざかっている
年数では他を圧倒している(最後のチャンピオンは1908年)カブスですが、10月に入ってからの戦いで、
勝ち組に変われるかどうかも決まるはずです。

101 Reasons to Love the Cubs (101 Reasons to Love)

Stewart Tabori & Chang

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MLB プレーヤージャージカブス(A.ソリアーノ #12/ホーム)


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