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マジックが切れた

2005-04-09 22:12:12 | NBA
NBA=マジックのヒル、故障者リスト入り (ロイター) - goo ニュース

何も知らない人がこの4行の記事を読んだだけでは、NBAの選手が故障者入りしたんだなという
認識しか起こらないかもしれません。しかしこの裏側には様々な思いが存在しています。

アメリカのプロスポーツの中でもジェントルマンとして知られるグラント・ヒル。
90年代後半、デトロイト・ピストンズ在籍時代には毎年のようにオールスターに選ばれた上、
特に子持ちの親からの人気が高かったと言われています。いわゆる「ソーシャルモデルとしての
スポーツ選手」という考えが根付き始めた頃でもあり、グラント・ヒルはアメリカ国内でも、
その筆頭のひとりとされたからです(その対極にいるであろう人は、例えばデニス・ロドマンや
アルバート・ベルなどだったのでしょう)。

しかし、2000年にオーランド・マジックへ移籍し自分自身も子を持つ親になったグラント・ヒルは、
ある日子供にこう言われてショックを受けたそうです。

「お父さんがプレイしているところを見たことがない」

それもそのはず、2000-2001シーズンから3シーズンの間でプレイしたのは合計で42試合。
オーランドに来てからのヒルはケガとの戦いに明け暮れ、それこそマジックが起こらない限り、
試合に出ることができなかったわけです。

しかし2004-2005シーズン、シーズン当初から目立ったケガをすることなく、かつてのヒルが
コート上に帰ってきました。首を長くして待っていたファンもヒルの活躍に応えるかのように、
オールスター投票でスターターの地位を与えました。これだけケガで欠場していたにも拘らず、
人気に衰えがない選手は、恐らくヒルをおいて他にいないのではないでしょうか。

そのグラント・ヒルがオーランドでの「定位置」に戻ってしまったのがこの記事の内容となります。
過去3シーズン出場分以上の試合に出ることができたことは、ヒルにとって何らかの手ごたえを
得ることができたと思いますが、自らのケガによりマジックのプレイオフ進出が難しくなったこと、
そして1シーズンをDL入りすることなく終えることができなかった悔しさは残ることでしょう。

Hill thrilled but not satisfied-Marc Stein(ESPN.com)

Grant Hill's Comeback Season Is Over(ABC news)

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