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さらばダイエー

2004-10-13 22:11:18 | マネー&ポリティックス
ダイエー、機構活用を決断 民間主導の再建を断念 (共同通信) - goo ニュース

日本経済が不良債権の重みから抜け出せないでいた2-3年前、日本経済の建て直しには
「ハードクラッシュ」か「ソフトランディング」かという議論が盛んでした。
かつてのスーパーマーケットのトップランナーであったダイエーは、多くの「ゾンビ企業」とともに
この議論でも常にトップランナーであったにも関わらず、ゴールに着いたのはビリという形です。
それも、ハードクラッシュでもソフトランディングでもない、言うなれば超低空飛行の最中に、
空中給油機から燃料を支援してもらうようか感じです。

日本にとっても、ダイエーの問題が不良債権問題での最後にして最大の壁であったことには間違いありません。
ダイエーの支援をするのが、政府の肝いりでできた「産業再生機構」というところがそれを意味しています。
その代わり、機構によるダイエー支援が失敗した場合、それは日本政府としての不良債権対策の失敗を意味するので、
どのような声があるにしろ、失敗は絶対に許されません。


うちの近所には恐らく全国のダイエー店舗の中でも五本の指に入るであろう某支店があります。
今日も店舗の周りではテレビ局が買い物客相手にインタビューをしていました。
ダイエーの中では「優勝セール」になる予定だった「ホークス応援感謝セール」(東京でホークスを
シーズン中から熱心に応援していた人が多いとは思えないのだが)を開催中。本当なら優勝セールとして大々的に行い、
願わくは産業再生機構の横槍ももう少し待ってもらう方向に持っていきたかったのでしょうが、
プレイオフ中に機構が口出しをし、セールも休日を含んで行うこともできず、おまけに東京は天気が悪いとあり、
「3打席5三振」並みの成績と言わざるを得ないでしょう。

しかし、これはダイエー、銀行、政府の撒いた種であると思うので致し方ありません。
なぜダイエーはもっと早くにダイエー以外の民間主導でのあっと驚く支援策を出すことなく、今頃になって民間主導を言い出すのか、
銀行や政府ももっと早くに見切りをつけてもよかったのではないか、そう考えざるを得ません。
個人的には、ダイエーぐらいの店舗網と店員を擁するのであれば、88円ショップをやったり500円券を渡したりしないで、
ハードランディングでも十分に再生は可能ではなかったかと思います。恐らく多くの外資のファンドまたはウォルマートのような
外資スーパーはもっと早い段階で民間によるダイエー支援の声が上がれば、手を挙げていたに違いありません。
潜在的には日本の消費力は魅力なのです。しかし、少し前にはまだ存在していた一部のアンチ外資を唱える官僚や議員「のおかげで」
ここまで生き延びたことに感謝すべきです。

再生機構はダイエーを食品主体のスーパーへと変換しようと考えているようですが、
これも一時期食品スーパーが強かった頃の幻想ではないかという印象も頭の片隅にはあります。
それはともかく、ダイエー問題の決着をもって、規制、護送船団、先延ばし(無駄な延命)という日本経済の悪しき伝統が
完全になくなることを願うばかりです。

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