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第1話(4)

 戦国の世(4)

 王直の海賊船に乗りたいという応募者は、種々雑多な人間の集まりだった。
禄を失った武士、一山当てたい若者、盗賊まがいの男達だった。

 隼人らは、兵蔵という精悍な組頭の前で面接を受ける。
「姓名、出身は?」
「実戦の経験は?」
あとは、太刀筋と歯の状態を見て合否が決まる。

 隼人は久助と共に、13番隊に配属された。
なにがしかの銭を渡され、自分の武器、装具などを調達する。

 隊長の下、訓練が始まる。
「よいか、命を惜しむな。お宝を得れば、平戸で天国を味わえる。」

 「命令に従わぬものは、即切り捨てる!」

 大型船での戦闘訓練、小舟を操っての集団戦闘訓練が続く。
「個人の戦いは避けろ、集団の戦いに徹するのだ。」


 夕方、へとへとに疲れ、雑穀米と汁をかき込んで、板の間に転がる。
「こりゃあ、陸での戦いの方が、なんぼか楽だわい。」

 「海賊の親玉の王直とは、どんな人物だ?」
「中国沿岸で活躍していた海賊の中で、一番の大物だったらしい。」

 「明の官憲に追われ、日本の五島に逃げ込んだんだ。」
「五島を本拠地に倭寇を組織し、今、中国沿岸を荒らし回っている。」

 参考図:「海を飛ぶ鷹」、村上元三、徳田書店、1989
     
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