gooブログはじめました!

第2話(1)

 波濤を越えて(1)

 3隻の八幡船に荷を積み込み、平戸を出帆する。

 五島で唐人達を乗せる。
月代をそり、髭面で足軽具足をつけ、大和男の格好をしている。

 北東風の乗り、中国沿岸の舟山群島を目指す。
船首には“八幡大菩薩”の白旗が風にはためいている。

 船は東シナ海の大きなうねりの中を進む。
隼人達は、たちまち船酔いに苦しめられた。
「足を踏ん張り、遠くを見るんだ。すぐに馴れる。」


 4,5日で多くの島影が見えてきた。
島影に隠れ停泊し、荷集めの商人達を降ろす。

 一週間ほどして、密貿易の段取りが付いた。

 夜、隼人達の乗った船は、海賊や明の軍船の襲撃に備えた。

 荷をのせた小舟が慌ただしく行き交っているとき、“警戒”の火矢が上がった。

 島影から黒い大型船が現れ、近づいてくる。
「明の軍船だ!戦闘用意!」

 軍船の脇腹から閃光が光り、大砲の弾丸が降ってきた。

 敵船に接舷し、切り込もうとするが、敵船は近づかず、砲撃してくる。
こちらの火矢も届かない。

 「ダメダ、撤退ダ!」
隼人達の船は荷を積んだ小舟を見捨て、遁走した。

 参考図:ジャンク(船)-Wikipedia
     
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「鉄砲見参!」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事