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日本海海戦(18)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

Battle of the Japan Sea (18)
[by Sydney Tyler]
 With their forward turrets blazing and roaring, the Japanese squadron dashed on. The Russians replied vigorously for a time, but the gunnery of the Japanese was too deadly and accurate; shells were carrying death and destruction into the fleeing five, and the fight went out of the Russians.

 One after another flew surrender signals, the Japanese ceased firing, and the Nicolai I, Orel, Senyanin and Apraxine were added to the Mokado’s navy. Only the Izumrud got away. Fleeter than her sisters, she steamed boldly to the northwest.

 But she was doomed. Swift pursuing Japanese cruisers followed, hurling after her tons of metal, much of it taking effect. The end came when the Russians ship, entering Vladimir Bay, went fast on a reef. The Russians captain blew up the ship.

 So practically ended the second day’s fight, and here again the apparently impossible happened-Togo’s captains all reported,” No damage to men or ships.”

日本海海戦(18)
[シドニー・タイラー著]
 前部砲塔を閃光、咆哮させながら日本艦隊は突進した。  ロシア艦隊も一時、力強く反撃したが、日本艦隊の砲撃は激しく、正確だった。  砲弾は逃走する5艦に死と破壊を運び続け、そしてロシア艦隊は戦闘不能に陥った。

 ロシア艦は1隻また1隻と降伏の信号を揚げ、日本艦隊は砲火を止めた。  ニコライ1世とオリヨール、セニャーニン、アプライーネは拿捕され、日本艦隊に編入された。  イズムルード-のみ逃げ去った。  同艦は他の姉妹艦より高速だったので、大胆に北西に突っ走ったのだった。

 しかし、イズムルード-も命運を絶たれた。  日本の追撃高速巡洋艦隊はイズムルード-を捉え、何トンもの鉄を効果的に同艦に叩き込んだ。  ウラジミール湾に逃げ込んだとき、ロシア艦にとって最後が来た。  同艦は岩礁に乗り上げ、艦長は艦を放棄した。

 このように第2日目の海戦は終わった。  ここに信じられないことが再び起こった-東郷艦隊の艦長達が全員“艦にも兵員にも損害なし”と報告したのである。

(ひとこと)
 日本海海戦で沈没・自沈したロシア艦は20隻だったが、降伏・抑留されたロシア艦も7隻にのぼった。  トラファルガル海戦でも多くのフランス艦が降伏・拿捕されている。  軍艦は非常に高価なものであり、拿捕して自国の艦隊に編入できれば1石2鳥となる。  しかし、これ以降の海戦では大砲、魚雷、爆弾の破壊力が格段に大きくなり、戦闘や沈没までの時間も短くなったため、降伏・抑留される軍艦は少なくなった。
〔参考文献:図説「日露戦争 兵器・全戦闘集」、歴史群像、学研〕
〔参考図:平塚柾緒著「図説 日露戦争」、河出書房新社〕
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