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第3話(4)

 魔女裁判(4)

 ケプラーの母の告訴騒ぎは5年間続き、ケプラーは何通もの分厚い嘆願書を当局にだした。

 この告訴の背景には、ケプラーの母の毒舌で独善的な、人に嫌われる性格があった。
そしてプロテスタントでありながら、カトリックを含む各信仰者間の調停者としての役目を果たそうとしていたケプラーへの当局の不信もあった。

 とうとうケプラーの母は逮捕され、激しい取り調べを受ける。
ケプラーは天文学に向けるのと同じぐらいの情熱で、母を弁護した。
裁判記録は膨大な量に上った。

 ケプラーの母は拷問部屋に連れて行かれ、恐ろしい拷問道具を見せられても、無罪を主張したのだった。


 告訴から6年、母―73歳になっていた―の告発は斥けられ、放免された。

 「ハンス君、こういった迷信に基づく狂気は一刻も早く、収めねばならない。」
「我々には合理的な思考が必要なのだ。」


 この裁判の間もケプラーは研究を続け、
「惑星の太陽の周りを回る周期の2乗と太陽から惑星での距離の3乗の比は、全ての惑星で同じである」
とするケプラーの第3法則を発見した。

 そして、それらの結果を「世界の調和についての5巻」として出版した。
これこそ“神が創造された天体には、美しい調和がある”と信じるケプラーの研究の集大成だった。

 引用図:「ヨハネス・ケプラー」、ジェームズ・ヴォールケル、大月書店、2010
     
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