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第4話

 イスラームの波

 玄奘のいた頃、インドでは仏教と並び、ヒンドゥー教が庶民の間に根を張っていた。
ヒンドゥー教では自然神をあがめており、各地の土着信仰もとりいれていた。

 その後、ヒンドゥー教では仏教の“仏陀の前では皆平等である”との考えを取り入れてカースト制を弱め、また、教団組織を仏教に習って整備した。

 その結果、寺院の中に閉じこもりがちな仏教を駆逐し、ヒンドゥー教は急速に拡がっていく。
そして、ヒンドゥー教と混交し、その特色を失ったインド仏教は徐々に衰退していく。


 とどめをさしたのは、西方からのイスラームの侵入だった。
イスラーム教は7世紀、アラビアのムハンマドにより創始された。

 コーランに基づく国をつくったイスラーム帝国は“コーランと剣”をかかげ、大征服運動にのりだす。
8世紀には中央アジアを征服、仏跡を破壊し、王や住民をイスラーム教に改宗させた。

 イスラーム帝国は10から12世紀、北西インド一帯を支配し、社会のイスラーム化を進める。

 玄奘の修行したナーランダー寺も破壊された。
同寺の壊滅をもって、仏教はインドから姿を消したのである。

     
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